事務機器ねっとは社員の名刺を内製しています。
その際に使用していたプリンター(富士ゼロックス DocuPrint C3450d II)は、導入してから5〜6年が経過しており、経年劣化のため、ついに故障してしまいました。
修理に手をつくしてきましたが、コストが余計にかかりそうだったので、新しいプリンターを導入することが決定!
そこで、キヤノン・富士フイルム・エプソンの機種をそれぞれ選定し導入するプリンターを決めることに。導入する側としては、実機と印刷されたサンプルも見てみたいとのことで、エプソンのショールームを訪問してきました!(※)
今回は、エプソンのプリンター紹介からショールーム紹介まで、盛りだくさんでレポートします!
※詳しくは「実録。失敗しないプリンターの選び方。選定から発注・搬入までリアルにお伝えします!」をご覧ください。
※キヤノンと富士フイルムのショールームに関しては一度訪問したこともあり、今回は初めて訪問するエプソンに協力していただきました。キヤノンと富士フイルムはサンプルを送ってくださいました。
導入候補!エプソンのインクジェットプリンターを紹介
「エプソンスクエア丸の内」は、有楽町駅に直結している都心にあります。こちらは2022年3月24日にリニューアルオープンしたばかり、ピカピカのショールームです。
入館すると、アテンドご担当者の方が2階へ案内してくださいました。
2階に上がるまでの階段では、エプソンのプリンターで出力された鮮やかな蝶や花びらなどが貼られていました。万華鏡みたいに丸く円になっており、とても綺麗です。
2階に上がると、縦2m以上、長さ約50mあるとても大きな壁一面に、カラフルで色鮮やかなプリントが施されていました。女性モデルの躍動感が伝わるリアルなプリントです。

髪が一本一本くっきりしており、メイクやまつ毛も発揮と分かるくらい高画質で再現されている。(画像クリックで拡大)
カラフルな壁の向かいには、エプソンのインクジェットプリンターが陳列されていました。
今回、このエプソンスクエア丸の内で実機を見たいと希望していた機種は、「GP-730」と「PX-S740」です。
しかし、事務機器ねっとが希望していた機種である「GP-730」は、普通紙にしか対応しておらず、事務機器ねっとが普段使っている名刺用の厚紙には対応していませんでした。この機種は、バックヤードで活躍するプリンターで、名刺作成向きでありません。
また、「PX-S740」はコンパクトですが、インクコストやスピードで事務機器ねっとの希望に当てはまっていないとのことです。
ということで、エプソンの担当者様が事務機器ねっとの要望にマッチした別の機種を選定し、紹介して下さいました!
PX-M6712FT

PX-M6712FT
まずは、「PX-M6712FT」です。こちらの機種はA3ノビサイズまで対応可能です。そして画像処理の方法を見直し、より元のデータに近い色味を再現しています。さらに、背景にシアンを使用した原稿の黒文字もくっきりと判別することが可能です。
モノクロ:約25ipm(A4縦)/最速:約32枚/分
カラー:約25ipm(A4縦)/最速:約32枚/分
約2.2円(税込)(A4カラー文書)
約0.9円(税込)(A4モノクロ文書)
こちらに予め持参した事務機器ねっとの名刺に用いている印刷データと厚紙をセット。
さてサンプル出力の結果は・・・

カラーテスト1(画像クリックで拡大)

カラーテスト2(画像クリックで拡大)

名刺 表(画像クリックで拡大)

名刺 裏(画像クリックで拡大)
小さい文字が滲んでよく読めない状態になってしまいました。今回事務機器ねっとが持参してきた用紙は、インクジェット専用紙ではなかったことが原因のようです。インクジェットプリンターは紙に染み込ませて印字するため、用紙との相性が大きく影響します。
文字は滲んでしまったものの、色味がとても綺麗で、名刺裏面のグラデーションは見事な再現性です。
PX-S5010

PX-S5010
次は、「PX-S5010」です。こちらの機種は、とてもコンパクトなサイズで設置性が良い機種です。また、PX-M6712FTと同じく、A3ノビサイズまで対応しているため、POPやチラシの作成にも役立ちますね。
モノクロ:約15ipm(A4縦)/最速:約29枚/分
カラー:約11ipm(A4縦)/最速:約29枚/分
約9.5円(税込)(A4カラー文書)
約3.0円(税込)(A4モノクロ文書)

カラーテスト1(画像クリックで拡大)

カラーテスト2(画像クリックで拡大)

名刺 表(画像クリックで拡大)

名刺 裏(画像クリックで拡大)
こちらもインクと厚紙用紙の相性が悪かったのか、かなり滲んでしまいました。
インクジェット自体が持参用紙に適合していないようです。
また、こちらの機種は出力にかなり時間がかかってしまったので、早く大量に印刷したい方には向いていませんね。
ですが、こちらも名刺裏面のグラデーションはとても綺麗に反映されています。
サンプル出力では、エプソンのインクジェットプリンターを実機で試すことができ、出力見本に触れることができました!
様々な種類のコンパクトプリンター・大判プリンター
サンプル出力終了後、エプソンの同系統インクジェットプリンターについて簡単に説明して頂きました。エプソンのインクジェットプリンターは、顔料インクを採用しています。機種名の最初に「PX」と記載されているものは、顔料インクを採用しているインクジェットプリンターです。
顔料インクは染料インクとは異なり水に溶けにくく、耐水性が高いため、濡れても滲みにくいという特長があります。また、顔料が樹脂によって固定されるため、印刷面の上からマーカーを引いてもインクが剥がれず、コーヒーなど飲み物をこぼしても滲みにくいので、ビジネス文書やDMなど幅広い活用が可能です。 顔料インクは水に強いため滲みません。
そのほかにも、ショールーム2階に小型のインクジェットプリンターが展示してありました。4つ並べられたインクジェットプリンターは非常にコンパクトで、突起もないため収納しやすいのが特長です。
他のブースには大判プリンターもあり、壁一面のプリントはエプソンの大判プリンターで印刷されたのだと実感できますね。
※壁一面のプリントはショールームに展示していない大判プリンターでの出力です。

大判プリンター

コンパクトなプリンター
鮮やかなプリントと最新デジタル捺染
続いてエプソンスクエアの1階に移動し、写真高画質プリンターが並んでいるフォトプリンタースペースへ案内していただきました。
1階は、「ワーク&ライフスタイルゾーン」「コンシューマーゾーン」「グリーンサプライチェーンゾーン」があります。
アパレルなどの小売ビジネスにおいて製造や販促をDXし、サプライチェーンの環境負荷を抑える新しい取り組みを紹介しています。
SC-PX1VL(コンシューマーゾーン)

10色のインク
一番最初に目についた、「SC-PX1VL」はブルーモーメント(※)を作品として再現することができるプリンターです。
SC-PX1VLは、UltraChrome K3Xインクを採用しており、「黒を深く、青をどこまでも繊細に。」をキャッチコピーとしています。そのキャッチコピー通り、マットブラック・フォトブラック・グレー・ライトグレー・シアン・ビビットマゼンタ・ライトシアン・ビビットライトマゼンタ・イエロー・ディープブルーという“10色のインク”を使用した、色の再現性が最大の特長です。
印刷したい素材の暗い部分で、ライトグレーを上からさらにコーティング(オーバーコート)することにより、厚みのある引き締まった黒の表現を可能にしています。
また、ディープブルーインクの搭載により、青色の色域を大幅に拡大しました。再現の難しかったブルーやバイオレットの領域を、豊かで繊細な階調で表現しています。

美しい水田が、まるでデータの写真のように印刷されている。(画像クリックで拡大)

鳥の羽毛やくちばしの線などディティールが細かく表現されている。(画像クリックで拡大)
実際に、出力された写真が展示されていたので、手にとって見てみると、どこまでも高精細で色鮮やかに表現されていました。鳥の羽毛やくちばしの線など、データで見る写真よりも、この場に鳥がいるかのように作品を鑑賞することができました。
※ブルーモーメント:夜明け前と夕焼け後のわずかな隙に訪れる、辺り一面が青い光に照らされて見える現象です。
Monna Lisa(グリーンサプライチェーンゾーン)

左2つはプロジェクターに映された着物。右の水色の着物はデジタル捺染による着物。(画像クリックで拡大)
以前事務機器ねっとのブログ記事でもご紹介したデジタル捺染。このデジタル捺染で作成された着物が展示されていました。
水色の着物の横には、白い無地の着物が展示されており、正面上からプロジェクターによって様々な模様が映されています。
今、アパレル業界では、消費者ニーズの多様化に対応する「多品種少量生産」の要望が強くなっています。その要望と共に、サプライチェーン全体の環境負荷低減が求められているのです。
試作や販売、製造工程をデジタル化(DX)することで、その消費者ニーズに対応すると共に、試着サンプルや在庫、製造工程における「無駄」を減らし、環境負荷を低減する取り組みが始まっています。
このMonna Lisaを活用したデジタル捺染により、持続可能な社会を目指すことができるのです。
※:ショールームにはMonna Lisaの実機は設置してありませんでした。
環境に優しい、エプソンのインクジェットプリンター

LX-10050MF
ショールームを1周し、複合機・プリンター設置してあるワーク&ライフスタイルゾーンには、サーモグラフィーと共に「LX-10050MF」が設置してありました。
この機種は、エプソンのスマートチャージに対応している機種です。事務機器ねっとでも実施しているエプソンのスマートチャージとは、プリントやコピーの使用状況に合わせて、最適なプランと複合機・プリンターを選べるサービスになります。
低消費電力化によりCO2の排出量を削減

エプソン公式HP:エプソンのスマートチャージで実現する環境配慮型オフィスから引用
ご使用中のレーザープリンターをエプソンのスマートチャージ「LXシリーズ」に変えることによって、年間のCO2排出量を47%〜57%(※)削減することも可能です。
また、稼働時の消費電力量だけでなく、待機時も含めたトータルの消費電力量を示すTEC値も低く、国際エネルギースタープログラムを高水準で適合しています。
※:CO2排出量は、環境省の算定方法を用い計算しています。
熱を使用しない印刷方式で、低消費電力化
レーザー方式の印刷プロセスでは、トナーという繊細な粉末を用紙に接触させて転写し、熱と圧力で定着する処理が行われます。
一方、エプソンのインクジェット方式の印刷プロセスは、熱を使わずインクを用紙に吹き付けるだけの非接触でシンプルな工程で行われるため、電力量費を抑えることが可能です。
少ないメンテナンスと省資源化

エプソン公式HP:エプソンのスマートチャージで実現する環境配慮型オフィスから引用
インクジェット方式は、インクが液体で密度が高くなりやすく大容量化が簡単にできます。シンプルな構造により定期的に交換しなければいけない部品が少ないことから、省資源による環境配慮に貢献しているとともに、メンテナンスの手間と時間の削減にも繋がっています。
エプソンのスマートチャージは、レーザープリンターと比較して、低消費電力・省資源化を実現し、脱炭素社会の実現に貢献する省エネルギー製品を提供しています。
インクジェットプリンターをメインで販売しているということもあり、インクジェットプリンターにしかできないこと、レーザープリンターとは異なる良い点を学ぶことができました。
水に滲まないインクジェットプリンターのサンプルや、デジタル捺染など、今までのブログで発信してきた素材や作品を、この目で見ることができ感激です。
エプソンのショールーム「エプソンスクエア丸の内」は、とても充実した見学になりました。エプソン様ありがとうございました!
エプソン ショールーム
「エプソンスクエア丸の内」
■住所・アクセス
〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-4-1新国際ビル1F
千代田線・日比谷線・都営三田線「日比谷駅」B3・B4出口から徒歩3分
東京メトロ有楽町線「有楽町駅」D3出口から直結
JR線「有楽町駅」国際フォーラム口から徒歩2分

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