なぜ、複合機で印刷した用紙には、白い余白があるのだろう…と思ったことはありませんか? 会社内での張り紙や、写真を用紙全体に見せたい時、この周りの余白が邪魔になることもあると思います。チラシやポスターなどを制作した際は、フチがあることで自分の想定していたデザインと違ってきたり、チープさが出てしまうと感じることもあるでしょう。今回はこの謎の余白について解説いたします。
<目次>
・複合機でのフチ無し印刷は可能?
・フチ無しにするためにはそんな方法が…
・プリンタードライバーの設定変更
・インクジェット複合機を活用
・トンボに沿って断裁する
複合機でのフチ無し印刷は可能?
結論から述べますと、複合機での余白無しの印刷はできません。
厳密に説明いたしますと、レーザー複合機ではできず、インクジェット複合機では可能になります。なぜレーザー複合機ではフチ無しの印刷ができないのでしょうか。それはレーザー複合機の仕組みに秘密があります。レーザー複合機はトナーを定着させる工程の中で熱と圧迫が施される定着というアイロンのような工程があります。トナーはインクと異なり、粉を用紙に吹き付ける形で印字します。この定着の際に溶けたトナーが原稿の外に溢れてしまうと感光体ドラム等を汚したり、傷つけたりしてしまいます。それがプリンターの故障に繋がるため、レーザー複合機では余白のない印刷はできない構造となっているのです。ではなぜインクジェット複合機ではフチ無しの印刷が可能なのでしょうか。理由としては、レーザー複合機とは異なり、原稿の外にインクがはみ出てしまってもインク(水性)のため、スポンジで吸収することが可能だからです。インクジェット複合機には感光体ドラムが無いため、傷つける機械もなくフチ無しの印刷が可能なのです。
フチ無しにするためにはそんな方法が…
それでも余白を無くして印刷をしたい!! と言う方のために代替案をご紹介いたします。
プリンタードライバーの設定変更
完全に余白の部分を無くすことはできませんが、プリンタードライバーの設定を変更することで、余白の面積を最小限にして印刷することが可能です。余白を最小限の面積に留めるようにした設定は、複合機のメーカーや機種によって異なります。また、どのくらいの余白面積を縮めることができるかは、メーカーや機種の仕様に依存するため、複合機の設定を確認してみると良いでしょう。ちなみに、印刷する際にプロパティを開き、「余白」という部分を「0mm」にすれば幅を小さくでき、フチ無しくらいには印刷にすることができます。インクジェット複合機で印刷したような、余白の目立ちにくい印刷が可能ですが、やはり2mm〜5mmの余白は残した方が良く、特に天方向は5mmの余白は必要です。
インクジェット複合機を活用
レーザー複合機ではなく、インクジェット複合機を選択すれば、基本的にフチ無しで印刷できます。しかし、インクジェット複合機だからといって、フチ無し印刷が絶対に可能ということではありません。機種によっては、余白の無い印刷ができない機種もあります。フチ無し印刷を目的として、インクジェット複合機を購入するのであれば、印刷ヘッドの真下にスポンジがつけられているかを確認してみてください。前述の通り、インクがスポンジに吸収されるため、内部を汚さずにフチ無しの印刷が可能です。レーザー複合機のように、プリンタードライバーの設定までやらなければいけないとなると、面倒くさいと感じてしまう方も多いのではないでしょうか。インクジェット複合機は元々備わる印刷機能として簡単な操作でフチ無し印刷が可能なのです。
トンボに沿って断裁する
やはり、インクジェット複合機ではなく、レーザー複合機で余白を完全になくしたいという方には、トンボ(※1)を活用した方法をオススメします。当然の如く、紙の周囲には余白ができますが、ここであらかじめ「トンボ(トリムマーク)」と呼ばれる仕上げ断ちをする枠をつけて印刷することで、断裁する位置も的確に分かるため、フチ無しの印刷物が完成します。
目印となるトンボに沿って丁寧にゆっくりと断裁することで、手作業によるミスを防ぐことが可能です。少しでもずれてしまうと、完成した印刷物の印象が全く違ってしまう場合もあるので、断裁は慎重に行いましょう。
※1…トンボとは印刷物を作成する際に、仕上がりサイズに断裁するための位置や多色刷りの見当合わせのため、版下の天地・左右の中央と四隅などに付ける目印のこと
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