外に一歩踏み出すと、夏の暑い日光が差してきます。過酷な猛暑の中、オリンピック・パラリンピックに出場するアスリートたちは、予選や決勝まで日々練習を頑張っていることでしょう…! さまざまな障がいのあるパラアスリートたちが創意工夫して自分の限界に挑むパラリンピックは、多様性を認め、多種多様の人々が個性や能力を発揮し活躍できる公平な機会が与えられている大会です。また、社会の中にあるバリアを減らしていくことの必要性や、発想の転換が必要であることにも改めて気付かせてくれます。パラリンピックとは、「Paraplegia(下半身麻痺)」という由来ですが、現在はギリシャ語のパラ=Para(平行、パラレル)と言われ、もう1つのオリンピックとされています。そこで今回は、バリアフリーを目指したユニバーサルデザインの複合機を、5機種ご紹介いたします。
<目次>
・オフィスにある複合機のユニバーサルデザイン5選
①座ったままでも操作可能
②作業台を利用して快適に
③人感センサーでスムーズに起動
④自分のデスクから移動せずに複合機操作が可能
⑤色盲や色弱の方でも、見やすく使いやすい操作パネル
・自治体複合機でのユニバーサルデザイン
オフィスにある複合機のユニバーサルデザイン5選
①座ったままでも操作可能
オプションで1段給紙デスクを設置いただくと、身長の低い方や車椅子の方でも使いやすい、ショートデスクモデルになります。ショートデスクモデルは椅子に座ったままでも原稿台の奥まで手が届きやすい設計になっており、カードなどのスキャンを容易にするなど、利用しやすくなっています。
②作業台を利用して快適に
片手が不自由でも作業台として活用できるユーティリティテーブルを設置することが可能です。複合機を操作する際は必ずコピーする資料やファイルが必要になります。そのような時、荷物置や作業台として資料やファイルを一時的に置くことが可能です。このユーティリティテーブルにはICカードリーダーライターの取り付けも可能です。通常は複合機の前面についているため、ユーティリティテーブルに付ける通常タイプか選択が可能です。
③人感センサーでスムーズに起動
複合機の人感センサーにより、複合機に近づく人を検知して自動でパネルが起動する機能です。電源操作不要なので、操作の手間が減り、電源ボタンと節電ボタンの押し間違いがなくなります。片手が不自由な方も、片方の手が資料で塞がってしまった際など、複合機に資料を置いてからの起動ではなく、スムーズにストレスフリーで複合機を使用することが可能です。
実は1.2.3はシャープのMX-M6070/MX-M5070/MX-M4070シリーズで、同一機種になります。シャープは利便性が高い製品の作りになっており、多様な方が使用できる優秀な作りになっています。
④自分のデスクから移動せずに複合機操作が可能
複合機(ApeosPort-V C7776/C6676/C5576/C4476/C3376/C2276、DocuCentre-V C7776/C6676/C5576/C4476/C3376/C2276)に、フルカラースキャナー(DocuScan C4260/C3210)をUSBケーブルで接続して、スキャナーを机の上に置くことで、車椅子のように座ったままの姿勢や、自分の机の上でスキャンやコピーの操作が可能になります。コンパクトなスキャナーなので、デスクサイドにもスッキリと設置できます。一般オフィスはもちろん、銀行・役所・病院の受付業務などでも離席の時間を短縮でき作業効率を高めることが可能です。
(富士フイルム:複合機…ApeosPort-V C7776/C6676/C5576/C4476/C3376/C2276、DocuCentre-V C7776/C6676/C5576C4476/C3376/C2276 スキャナー…DocuCentre-V C7776/C6676/C5576C4476/C3376/C2276)
⑤色盲や色弱の方でも、見やすく使いやすい操作パネル
メインメニューは日常の作業ニーズに合わせてボタンの表示数や表示順をカスタマイズすることも可能なのです。そして、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)が色覚の個人差を問わず、利用する人の視認性に配慮した製品を認定する「カラーユニバーサルデザイン認証(CUD)」を取得しています。人は特定の波長の光を見ると色を感じます。そして、色覚は人それぞれであり、例えば、赤色が目立つ色に見えず、茶色や黒に見える方もいらっしゃいます。人間の色覚の多様性に配慮して、キヤノンの複合機も製造されております。
(キヤノン imageRUNNER ADVANCEシリーズ)
自治体複合機でのユニバーサルデザイン
上記のように、オフィスで使用する複合機にも様々なユニバーサルデザインが施されていますね。より多くの人が使いやすいように工夫されています。
以前ご紹介したマルチコピー機にもユニバーサルデザインが加わった機種が登場していました。シャープのマルチコピー機「MX-3610DS」は、東京都調布市役所に、自治体向けマルチコピー機として2台導入されました。高齢者や視覚障がい者の方でも分かりやすいように「音声ガイダンス」などのバリアフリー機能を搭載しています。住民票の写しや印鑑登録証明書を発行するマルチコピー機として利用が可能になりました。導入されたマルチコピー機では、備え付けのハンドセットから流れる音声に従って操作することで、マイナンバーカードのセットから発行する証明書の選択、料金の支払いなど全ての操作をスムーズに行うことができます。料金投入口や証明書排出口などには点字シールが貼られており、杖置きも設置されています。さらに、操作画面を垂直に設定できる「操作画面チルト」機能も搭載しており、操作画面を垂直にすると車椅子に座ったままでも利用が可能になります。このような視覚障がい者の方に向けた「音声ガイダンス」と「操作画面チルト」は、「MX-3610DS」のオプション機能としての提供になります。オプションのため、各自治体に設置済みの「MX-3610DS」に追加で取り付けることも可能なのです。このようなマルチコピー機が、コンビニなど多くの人が立ち寄る場所にどんどん増えていくと良いですよね。
普段私たちが使用している複合機にも、気付かないくらい些細なユニバーサルデザインが隠れているかもしれません。
シャープショールームに訪問させていただいた際の操作方法をアシストしてくれる音声ガイド付き複合機や、キヤノンショールームでご紹介していただいたimage PRESS C660CAの操作パネルなど、実際に見て触れると利便性が分かります。また、ネイルをした女性の爪が割れないように用紙トレイのグリップが出ていたり、操作パネルのキーを押す速度も変更できる複合機もあります。オプションでバリアフリー機能を設置できるだけでなく、ユニバーサルデザインが当たり前に設置されている複合機が普及していくと良いですね。
さて、東京パラリンピックは2021年8月24日から開幕です。メダルラッシュが続いているオリンピックの勢いに乗って、パラリンピックも感動を見せてくれるでしょう。今年は熱狂する夏になるため、ステイホームでエールを送りましょう!