<目次>
・中立的な調査と立場
・複合機のJ.D.パワー
J.D.パワーという言葉を聞いたことがありますか?メーカーに勤めている方や、お客様と接する業種の方でしたら、盾やロゴは見たことがあると思います。
J.D.パワーとは50年前から、世界中の「消費者の声」をピックアップし、専門的に調査をしている世界最大規模のコンサルティング機関です。例年、世界50カ国以上で数百万人にのぼる一般消費者やビジネス・ユーザーを対象に、品質や顧客満足に関するシンジケート調査(※1)を実施しています。独自の集計方法でユーザーの顧客満足度合いや購入利用経験を正確に測定し、指数化しています。
このように幅広く大規模な調査結果を持っているため、調査したデータは各企業やメーカーのサービス工場や製品改良など、それぞれの業界の進化に生かされるのではなく、普段の私たちの様な消費者の生活の為になる情報も公開してくれます。
ちなみに「J.D.パワー」という社名ですが、「Power」=「力」という意味ではありません。創業者のJ.D.パワー3世(ジェームズ・デビッド・パワー)の名前に由来しています。J.D.パワー3世は自動車メーカーや広告代理店などを経験し、消費者の声を聞き生かしていくことの重要性に気づきました。その消費者の声を調査し、企業やメーカーの発展と私たち消費者の暮らしに活用しようと1968年にアメリカで事業を開始しました。
※1…調査期間と契約した会員社にのみデータが提供される調査
中立的な調査と立場
一般的に、調査会社が行う調査は、ほとんどが企業から依頼をされる形で調査されます。しかしJ.D.パワーは自主企画による自主調査です。調査結果は消費者の声にのみ基づいています。自主企画による、独立・客観性により、企業・消費者にとっても信頼が厚く、偏った情報が入っていない結果になっているのです。J.D.パワーの調査は、統計的な正確性を守る為に徹底した配慮がされています。一度の調査につき数千人〜数万人の消費者に協力をしてもらい、使い勝手・品質・サービス内容などの満足度に関係する最大200以上の項目で調査をし、顧客満足度を求めます。
複合機のJ.D.パワー
以前事務機器ねっとでは「複合機利用者の満足度の調査結果は…」という記事を掲載しました。こちらの記事では、J.D.パワー2020年カラー複合機顧客満足度調査及びJ.D.パワー2020年カラーレーザープリンター顧客満足度調査の結果をお届けしました。
(※) | カラー複合機顧客満足度調査 | カラーレーザープリンター顧客満足度調査 | |
2022年 |
L |
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S |
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2021年 |
L |
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S |
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2020年 |
L |
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S |
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2019年 |
L |
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S |
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2018年 |
L |
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S |
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※L…ラージ&ミドルオフィス市場部門(従業員数30名以上企業市場)
S…スモールオフィス市場部門(従業員数5名以上30名未満企業市場)
上記がここ3年以内の複合機関連の顧客満足度になります。結果としては富士フイルム・リコー・キヤノンが上位を占めているという状態ですね。このJ.D.パワーは自主企画であり、客観性を持ち偏りのない調査です。複合機を購入する消費者にとっては、この調査結果は重要な資料になると言えるでしょう。しかし、購入時の担当営業とやり取りをする中で、機能や値段、スピードなどこだわりたいポイントが出てくると思います。また、このランキングに入っていないメーカーの複合機が優れていないというわけではありません。それぞれ活用方法が違う複合機、求めるものも違ってきます。このランキングに入っていないメーカーの中には、お客様が求める機能が搭載された複合機があるかもしれません。中立な立場での調査結果は信頼も厚いため、複合機選びの参考の一つとして活用してみると良いでしょう。