音楽のサブスク解禁や、ゲームの課金、ラーメンのトッピングなど。自分の好きな機能や欲しいサービスを購入して、カスタマイズしていく時代です。欲しいものを取り入れ、自分だけのオリジナルのものを作成していくことが自由にできます。
最新の複合機にはオプションで色々な機能が搭載可能です。こんなこともできるの? と驚く機能が数多くあります。そこで今回はキヤノンのMEAPをご紹介させていただきます!
<目次>
・MEAPとは
・ICカード認証Pro
・えらんでマイプリント
・サーバーレスAnyplace Print for MEAP ADVANCE
・交通費申請
・せいとんファクス
MEAPとは
MEAPとは、Multifunctional Embedded Application Platformの略称です。キヤノン複合機に搭載されたアプリケーションのプラットホーム(※1)のことです。専用のMEAPアプリケーションをプラットホーム上、すなわち複合機上で稼働させることができます。MEAPアプリケーションで、オフィスの業務に合わせて複合機を最適化することが可能です。
※1…アプリケーションが動作する環境。ハードウェアの場合はコンピューター、ソフトウェアの場合はOSを指します。
その中でも、MEAP ADVANCEがキヤノンの複合機imageRUNNERシリーズのシステム連携の鍵となる、組み込み型アプリケーションとなります。このアプリケーションを使用すれば、複合機で実現するとは思わなかった可能性が広がります。MEAPアプリケーションには多くの機能が備わっていますが、今回は筆者が厳選した5つの機能をご紹介いたします。
ICカード認証Pro
既存の社員証や学生証のICカードを使用して、複合機を使用するユーザーの一括管理ができます。新しく作成する手間も省け、毎日使用しているICカードでユーザー管理ができる利点があります。ICカードを使用するため、IDやパスワードを覚えておく必要もなく忘れてしまうという心配もないため、簡単に操作が行えます。
また、複合機の機能を個人ごとに制限できます。例えば、
Aさん「カラーコピー不可」
Bさん「コピー・プリントのみ可」
Cさん「全機能使用可能」
という具合に、個人ごとや所属部署、役職ごとなどに機能制限がICカードで可能になるため、これによりセキュリティ対策が強化できます。複合機が複数台ある場合でも利用権限をサーバーで一元管理するので、デバイスごとに登録しなくでも良いのです。
えらんでマイプリント
こちらも利用ユーザーを分けることができる機能になります。
プリントを指示したPCの「ユーザー名」「コンピューター名」を識別し、自動で利用ユーザーごとのプリントボタンを生成します。管理者がわざわざ登録しなければならないユーザー登録は不要な上、利用ユーザー側も煩わしい設定は必要ありません。ユーザーは通常のプリント指示をするだけで利用可能です。また、自動生成された利用ユーザーごとのボタンはそのままの状態でも使用できますが、より快適に使用するための設定ができます。
・ボタンの表示名変更
自分だと判別しやすい名前に変更が可能です。
・パスワードの設定
他人に見られてはいけない文書を印刷するケースが多い場合も、安心して使用ができます。
・グループの設定
社内で使用するため利用ユーザーが多い場合は、最大10のグループに分けて登録ができ、自分のボタンが見つかりやすいようにソートをかけることが可能です。
チャットのようにグループを作成でき、分類化することで自分のアイコンがより分かりやすくなります。また、ミスプリント削除を教えてくれる「お知らせ機能」もあります。これは、ユーザーが自分のプリントボタンを押すと、自分だけのジョブ一覧画面を表示します。ジョブ一覧画面でミスプリントの可能性があるドキュメントや印刷物を「赤色」の警告でお知らせしてくれます。出力前に印刷設定を確認し、必要なものだけ出力することにより、ミスプリント削減をサポートしています。枚数や印刷したい資料を印刷前に確認できることが便利ですね。
サーバーレスAnyplace Print for MEAP ADVANCE
印刷したはいいけど、印刷物を複合機内に放置してしまっていることありますよね。また、印刷するドキュメントにミスがあっても印刷実行してしまった後では取り返しがつかず、用紙を無駄にしてしまいます。このような際のセキュリティが不安という方は多いでしょう。
サーバーレスAnyplace Print for MEAP ADVANCEは、印刷するデータを複合機で一時的に留め置くため、セキュリティを確保しつつプリントミスを削減することができます。サーバーレスシステムで、いつでもどこの複合機でも出力ができる利便性も兼ね備えたシステムです。
また、複合機の混雑時は急ぎの印刷でも別の複合機から出力可能です。この機能はキヤノンのimageRUNNER ADVANCEシリーズの機種で行います。PCから印刷したいimageRUNNER ADVANCEを選択し、印刷を行うとプリントジョブはその複合機の「アドバンスドボックス」に一時的に留まります。そのため、プリントジョブを溜めておくためのプリントサーバーを導入することなく、ネットワークで繋がっている複合機同士であれば、どこからでも出力が可能なのです。
交通費申請
先ほどご紹介したICカードでログインをし、MEAPアプリケーションを起動させます。SuicaやPASMOをはじめとする交通系ICカードをかざすだけで利用履歴が画面上に表示され、確認や印刷が可能です。また、ユーザー認証機能と組み合わせて使用することで、複合機内に利用履歴を保存し、必要な時にメールを受け取ることも可能です。交通費申請の際に必要な、いつ・どこへ・どのような経路で外出したのかわざわざ調べる手間が省け、面倒臭いと思っていた申請業務の負担を減らし、業務効率をあげてくれます。経路は最大19件まで印刷ができるようです。
せいとんファクス
複合機imageRUNNER ADVANCEに登録されている顧客情報から、ファイル名に「登録名称・ファクス番号・受信日時・宛先表名・回線情報」を自動付与します。また、転送先の共有フォルダ内に「登録名称・ファクス番号・受信日時・宛先表名・回線情報」ごとのフォルダを自動生成し、指定のフォルダに格納します。
まず、imageRUNNER ADVANCEの設置時に、いつも顧客情報として扱っているアドレス帳からCSVファイルを作成し、複合機内の所定のフォルダへ入れることで、アドレス帳への一括登録が行えます。今まで受信したファクスが混在していたフォルダも、この機能を使用するだけでスッキリまとめられます。
キヤノンのMEAPアプリケーション機能はいかがでしたでしょうか?
複合機には標準で充実した機能が揃っていますが、オプションをつけることで、業務効率が上がったり、会社の求めていた機能が備わることもあります。今回のキヤノンのMEAPでは交通系ICカードで履歴が見れ印刷ができるということが画期的だと感じました。忘れがちな交通費申請は、日常的に使用する複合機で簡単に印刷することができます。交通系ICカードがあればPCを通さずとも、複合機から直接印刷できる便利さがポイントですよね。
どのオプションを取り入れたらいいかわからない、その他に役立つ機能はあるのか? などの疑問や質問がございましたら、事務機器ねっとへ気軽にお問い合わせください!