バリアブル印刷とは?
皆さんはバリアブル印刷(※1)をご存知でしょうか?
バリアブル印刷とは、可変印刷とも言われています。ベースとなる情報と可変する情報を差し替えながら印刷する技術のことを言います。変更したい項目を、一枚一枚データを差し替えて手動で印刷するマニュアル操作ではなく、印刷処理の一時停止なく自動で印刷を続ける機能になります。
またまた難しい言葉が出てきたなと思うかもしれません。名前は聞き馴染みがないかもしれませんが、具体例をあげると簡単に分かると思います!
※1…バリアブル印刷(VDP: Variable Data Printing)
具体例
Microsoft365のExcelやWordを利用しても、簡単なバリアブル印刷は可能です。しかし印刷専門業のバリアブル印刷は、文字情報の変換だけでなく画像や写真、バーコード、QRコードなどのデザイン性に優れたDTPソフトで作成したデータを使用した、バリアブル印刷が可能になります。
文字・記号の可変
例:年賀状、ダイレクトメール(DM)の宛名、チケット、ビンゴカードなど
年賀状のバリアブル印刷が一番代表的で、想像しやすいのではないでしょうか? 幼い頃、年末に両親が年賀状をたくさん印刷していた記憶が蘇ります。しかし小学生だった私には、文字をたくさん書かせたかったのか、宛名は直筆で書いていたため、バリアブル印刷が羨ましかった記憶があります…!
数値・グラフなど図形の可変
例:健康診断表、成績表など
一人一人違う診断書などの結果を、バリアブル印刷で一気に作成できるところはとても便利ですよね! 折れ線グラフ、レーダーチャート、棒グラフなど数値を色々な形で比べることが可能なので分かりやすい見た目に印刷ができます。学生の頃は楽しみだった健康診断や体力テストのグラフも、大人になるにつれさまざまな感情が加わります…。
イラスト・写真の可変
例:店舗別のパンフレット、通販の顧客宛ダイレクトメール(DM)など
地方店舗や営業所は本社とは違う場所にあります。その際アクセスマップやその店舗で推進している商品などが異なる場合に活用できます。他にも、アイドルなどのファンクラブの会報などにも活用されています。各個人の購入履歴に合わせて商品を変更したり、送り先の特性に合わせた画像可変が可能なので、表現の幅がぐっと広がり、販促物としてかなり効果的な活用ができます。
対応機種
プロが行うバリアブル印刷ですが、事務機器ねっとで販売している商品の中にもできる機種はあるかも…! ということで、各メーカーの対応機種をさらっと調査してみました。
FUJIFILM
ApeosPort-VII C7788 / C6688 / C5588
ApeosPort C7070 / C6570 / C5570 / C4570 / C3570 / C3070 / C2570
DocuColor 7171 P
上記の他にもB9136などのプロダクションプリンターも対応しています。富士フイルムのバリアブル印刷対応機種には、PPML対応アプリケーションからの出力に対応という記載があります。PPML(Personalized Print Markup Language)とは、Adobe、EFI、Creo Scitex などで組織されたODPiという業界団体が策定した言語であり、バリアブル印刷を高速にプリント出力するための技術のことです。事務機器ねっとでも、ApeosPort-VIIと同じ機種を取り扱っております!
Canon
imagePRESS C650/C750/C850/C65
iR-ADV C5560 II/C5550 II/C5540 II/C5535 II
LBP9600C/9510C/9500C
キヤノンはかなり多くの機種がバリアブル印刷に対応していました。imageWARE Desktop Version 4というドキュメントマネジメントソフトウェアを搭載するとバリアブル印刷が可能になります。事務機器ねっとでも対応機種を取り扱っております。
EPSON
SurePress L-4533A/L-4533AW
こちらはかなり大きいプロダクション機になります。デジタルならではの幅広い対応力で、バリアブル印刷はもちろんですが、店舗装飾や床貼り広告などの大型長尺ラベルや、耐久性を生かした屋外ラベルなど様々な付加価値を提供可能な機種になっております。
KYOCERA
TASKalfa Pro 15000c
TASKalfa Pro 15000c Type-L
インクジェットカラープロダクションプリンターという超大型複合機です。
商業用印刷市場の中で需要の高い、小ロット多品種出力のデジタル印刷用途に対応しています。高い生産性と耐久性、そしてランニングコストの削減により、印刷ビジネスの事業拡大に貢献する複合機です。
OKI
MICROLINE VINCI
事務機器ねっとが以前訪問したOKIショールームでのブログでご紹介させていただいた、MICROLINE VINCIもバリアブル印刷が可能でした!
こちらもMVP(※2)というフォントで有名な株式会社モリサワが開発・販売しているソフトを利用しバリアブル印刷が可能になります。MVPは、海外製ソフトで困難な日本語特有の縦読みをサポートをします。オンデマンドプリンターとMVPのバリアブル出力を組み合わせることで、付加価値の高い小ロット・多品種の制作物を効率よく作成できます。
※2…可変印刷ソフト(MVP:モリサワバリアブルプリントソフト)
やはり特殊な印刷方法なので、大型の複合機に搭載されていたり、ソフトウェアを導入したりと一工夫必要な印刷方法ということが分かりました。バリアブル印刷を利用した印刷物は日常にもたくさんあることが分かりました! 商品のPRや各個人に特別感を出せるため、販売促進のためには持ってこいの印刷方法です。