複合機の操作あるあるとして「自分が印刷しようとしたタイミングでトナー交換になってしまう。」「急いで印刷したい時に限ってトナー交換…」ということがよくありますよね。そのインクが残っていて手にインクがついてしまったり、トナーの設置方法がわからなかったりと苦戦する印象があるトナー交換。しかし、実際にトナーを交換してみると、意外とすんなりと交換できるのです。今回は最新のトナー事情についてご紹介いたします。
<目次>
・Canonの最新トナー
・IAPトナーボトル
・低融点トナー
・SHARPの最新トナー
・MycrosトナーCAP
・交換が明確にわかるトナーカートリッジ
・FUJI FILMの最新トナー
・EA-Ecoトナー
・環境に優しい無償で行うトナー回収
Canonの最新トナー
IAPトナーボトル
キヤノンは「IAPトナーボトル」を採用しています。供給口が小さいため、従来の製品より手を汚さずにトナー交換が行えます。
供給口付近のボトル容積を変化させ、そこに生じる空気の力を活かすエアーアシスト方式により、小さな供給口でありながら安定してトナー供給が実現できます。そして、保護キャップを無くすことで、交換時の工程を減らすことが可能です。これによって、操作効率が上がり、廃棄物削減にも貢献しているという成果に繋がっています。
低融点トナー
溶けやすいトナー材料を開発し、従来の高精細画質を維持しながらトナーの密着温度を大幅に下げられる「低融点トナー」を採用しています。定着に必要な電力を削減し、低消費電力に貢献しています。
ちなみにこちらのIAPトナーボトル搭載機種はiR-ADV C5800シリーズ/C3800シリーズ/C357F/6800シリーズ/4700シリーズになります。2021年に発売されたばかりの新機種、imageRUNNERシリーズはトナーホッパーが廃止されました。トナーホッパーが廃止されると、コンティニアス非対応になります。コンティニアス非対応とは、機械が動いている最中でもトナーの交換ができないということになります。ちょっと不便と感じる方もいらっしゃるかと思いますが、トナーが残ったまま交換してしまうということを防ぐことができます。これにより、完全にトナーを使い切ることが可能なので、環境に優しい印刷ができます。事務機器ねっとにも、こちらのトナーボトルを搭載した機種や、コンティニアス非対応の最新機種を取り扱っておりますので、ぜひご覧ください!
SHARPの最新トナー
MycrosトナーCAP
MycrosトナーCAPは、小粒径/高顔料分散の特徴を持つMycrosトナーを進化させたトナーであり、独自の分解構造を取ることによって、低温定着性と保存安定性を両立することが可能になりました。定着温度を下げるには、トナーが溶ける温度を下げる必要があります。本来この溶ける温度を下げるとトナーの状態が不安定になるため、両立することが難しいそうです。しかし、このMycrosトナーは低温定着性を実現しています。そして、定着温度を下げることで、大きな消費電力削減が可能なのです。
Mycrosトナークリスタルの改良
最新機種のBPシリーズでは、素早く溶ける新規樹脂を使用し、低温での定着を可能にしたMycrosトナークリスタルを改良しました。トナー粒子がさらに小さくなり、高精細な画像形成を実現しました。さらに低温定着化に伴い省エネ性能を向上しています。
交換が明確にわかるトナーカートリッジ
シャープのトナーはトナーボトルではなく、トナーカートリッジと呼ばれています。トナーを最後まで使い切るとと、トナーカートリッジが自動的に押し出される仕様になっています。使用済みのトナーを交換するタイミングが明確にわかり、トナー交換をしたことがない初めて交換する方でも簡単に交換ができます。実際にトナーが押し出されている動画がこちらの記事にございます。
前回シャープショールーム訪問記事で掲載し切れなかった、シャープの複合機を中心にご紹介したいと思います。シャープさんにはMX-2661という機種をご紹介していただきました。このシリーズは「オフィスをスマート」にというコンセプトのもと作られている製品になります。そのコンセプト通り、オフィス業務に必要なあ...
BPシリーズが『2022年度 グッドデザイン賞』を受賞しました! グッドデザイン賞は1957年に創設された、日本の「総合的なデザイン」の推奨制度。美しさや使いやすさだけでなくユーザーが実際に使用してみた体験が素晴らしいサービス・製品が選ばれます。 1972年、かつてラジオ王と呼ばれた早...
FUJI FILMの最新トナー
EA-Ecoトナー
EA-Ecoトナーは従来よりも定着温度が20℃以上低い低温定着トナーです。こちらのトナーはDocuPrint C3450 d /C3350/C2450に採用されています。こちらの機種は環境に配慮した低温定着トナーを使うことを前提とした「低温定着トナー専用機」のため、定着器の温度を従来の製品よりも低く設計しているのです。
環境に優しい無償で行うトナー回収
富士フイルムビジネスイノベーション製カートリッジ(トナー/ドラム/トナー回収ボトル)の無償回収がお申し込み可能です。
回収時は資源エネルギー消費削減のため、まとまった本数での回収をしているそうです。
富士フイルムでは地球環境保全活動の一環として資源を有効に利用するため、商品の総合的なリサイクルシステムの構築に取り組んでいます。このようにして、お客様からご使用済みのトナーカートリッジを回収し、再生利用の対象として環境負荷の軽減を目指しているとのことです。
各社のトナー事情はいかがでしたでしょうか? 各社のトナーカートリッジも、環境に配慮されていたり、トナーの交換を教えてくれたりと特徴がありました。トナーは地味ながらも実は日々進化しており、環境に優しいトナーが製造されています。トナーの回収も環境に配慮されているため、使用したトナーはドナドナ…じゃなくてメーカー各社に回収していただきましょう。
そして、シャープのMycrosトナーCAPや富士フイルムのEA-Ecoトナーなど、どのメーカーも低温定着トナーを開発しています。トナーの定着方法に関しての詳細の記事はこちらです。ご興味ございましたら、ご覧ください。
複合機を利用しているとき、この複合機の中はどういう構造になっているのだろうと、ふと思いました。PCでのクリックとボタンの一つで、データ上に存在していたものが紙に転写してリアルの世界に出てくる...よくよく考えると、人間の技術の進歩とはすごいものだと感じました。 複合機ならではの要素、コピー...