「廃トナーボックスがもうすぐ満杯です」という、複合機のエラーを見たことは見たことはありませんか?
トナーボトルではなく、廃トナーボックス?見たことも聞いたこともない。と首をかしげる方もいらっしゃるでしょう。そもそも、どのような機能を果たしているのか分からないと、エラーに対処しても本当に直っているのか判断できずに不安ですよね。
今回は、意外と知られていない廃トナーボックスについて解説いたします。
<目次>
・初耳! 廃トナーボックスとは?
・廃トナーに溜まるようなトナーが、なぜ発生するのか
・廃トナーボックスは必ず交換しましょう!
・廃トナーボックスの処分の仕方
初耳! 廃トナーボックスとは?
「廃トナーボックス」は、複合機やレーザービームプリンターに設置されているもので、インクを使用する複合機やインクジェットプリンターなどには設置されていません。
トナーはインクの役割を果たす粉末です。複合機はトナーを吹きつけて紙に定着させることで色を着けます。(印刷の流れはこちらの記事をご覧ください!)この噴射によってプリンター内部でトナーが撒き散って故障してしまうのを防ぐため、廃トナーボックスには余分なトナーが集められる掃除機のような部品です。
この廃トナーボックスのおかげで、プリンターの内部はいつも清潔に保たれているのです。
廃トナーに溜まるようなトナーが、なぜ発生するのか
噴射の際に定着しなかったトナー以外にも、トナーカートリッジから溢れ出てきて、定着部まで辿り着かなかったトナーもあります。
このようなトナーはトナーカートリッジに戻しても良いのでは? と思うかもしれません。しかし、一度トナーカートリッジから出てしまった時点で、不純物が付着しているおそれがあるため、品質を保てなくなったトナーはそのまま廃トナーボックスに納められます。
複合機やレーザービームプリンターでは、印刷で使用しているトナーの約10%が、印刷に利用されずに廃トナーボックスへ送られています。
メーカー各社は、トナーを100%無駄なく使用できるように研究や実験を重ねていますが、現段階では全てのトナーを余すことなく利用するのは不可能なようです。
これは複合機の構造によるものなので、当分廃トナーボックスの存在は重要なままでしょう。
廃トナーボックスは必ず交換しましょう!
廃トナーボックスは、トナーカートリッジのように使えば使うほど摩耗してしまう部品ではありません。
しかし、印刷回数が多いと必然的にトナーの噴射も増えてきます。自社でチラシやポスターなどを作成している企業や、毎日複合機を使用する事業者様などでは、廃トナーボックスが溜まりやすいでしょう。
廃トナーボックスが満杯になると、印刷やヘッドクリーニング(※)ができなくなります。
最悪の場合はトナーが溢れだしてしまい、複合機内部に粉末が飛び散ります。一度飛び散ったトナーは静電気により吸着しやすいため、複合機本体をはじめ、床や衣服、肌にまでまとわりつき、清掃することは大変難しく掃除機で吸い取ることもできません。
交換を促すエラーが表示されると複合機は停止するため、速やかに交換しましょう。
廃トナーボックスは複合機の内部に設置されているので、専門のスタッフでないと取り替えられないと思いがちですが、実はとても簡単に交換することが可能です。常に予備の廃トナーボックスを準備しておくと良いでしょう。
印刷量がそこまで多くない、むしろ少ない方なのに、廃トナーボックスが満杯になる頻度が多い場合は、複合機本体が故障している可能性があります。
また、複合機を制御しているソフトウェア(ファームウェア(※))が最新のバージョンに更新してあるかどうかも確認した方が良いでしょう。
※:ヘッドクリーニングとは、プリンターノズルの目詰まりを解消するために行う清掃のことです。このノズルが目詰まりしてしまうと、印刷された文字が掠れて読みにくくなります。
※:複合機を動かしてくれる基本ソフトで、最新のバージョンに更新することで機器の性能を最大限に発揮させます。
廃トナーボックスの処分の仕方
満杯になった廃トナーボックスの一般的な処分方法として、メーカーが提供している回収サービスや、一般ゴミとしての廃棄などの方法があります。
回収サービス
メーカーに回収を依頼する場合、資源保護のためにリサイクルされます。交換した廃トナーボックスをオフィスのどこかに置いておき、メーカーへ宅配で送ったり、回収してもらう方法があります。
一般ゴミとして廃棄
オフィスではなく、家庭から廃トナーボックスが出た場合、一般ゴミとして処分することも可能です。燃えないゴミやプラスチックゴミなど、自治体ごとで廃棄方法は違うため、事前に確認してから正しく廃棄しましょう。
地味ながらも縁の下の力持ちとして活躍する廃トナーボックスは、余分なトナーを集めておく場所だけではなく、複合機の内部を清潔に保つ重要な役割をしています。エラーの指示にきちんと従って、交換をしなければなりません。そうすることによって、故障を未然に防ぎ不具合の少ない快適な複合機運用を実現させましょう。
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