複合機(コピー機)リース契約満了時の選択肢とは?再リース・買取・入れ替え
コピー機や複合機のリース契約満了後、その後の取り扱いはどうしたらよいのか?と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
リース契約と新品購入との大きな違いは、所有権の帰属についてです。
リース契約では所有権がリース会社のため、利用者は契約満了後にリース会社へ機器を返却する必要があります。
また、再契約してそのまま同じ機種を利用することも可能です。
本記事では、リース契約満了後の対応について、「再リース」「買取」「入れ替え」の3つのパターンについて、メリットとデメリット、リース契約満了後の注意点を解説します。
リース契約を効率よく活用するためにお役立てください。
リース契約満了時の選択肢
コピー機・複合機を購入する場合、一般的な相場として新品は100〜400万円程度、中古は5〜30万円程度です。
新品を購入した場合、購入費用は高額となるものの、減価償却や固定資産税を経費として計上できます。
そのため、リース契約よりも節税に効果的です。
リース契約の場合、月額1〜2万円程度が目安です。
月額費用に加えて、導入費用やメンテナンス費用、保守管理費用なども準備しておく必要があります。
故障した際のサポート体制が整っているリース会社であれば、新品購入するよりも安心して利用できるメリットもあります。
事務機器は不特定多数の人が利用するため、長期間使用することで劣化する消耗品です。
最初にかかる費用だけでなく、保守管理費やコピー機・複合機の寿命や耐用年数などを把握したうえで、利用する際の条件・環境に合わせてリース契約後の対応について検討することをおすすめします。
リース契約または新品購入のどちらがお得であるか検討するためには、まずはリース契約について、契約満了後の運用次第で、コスト面や利便性などが変わってくることを抑えておきましょう。
本記事では、コピー機や複合機のリース契約満了後の対応について、「再リース」「買取」「入れ替え」の3つの選択技を解説します。
コピー機・複合機のリース契約満了後の選択 | |||
選択技 | 再リース | 買取 | 入れ替え |
導入費用 | 5分の1~10分の1になる | 買取価格で購入する | 新品価格で購入する |
所有権 | リース会社 | 利用者 | リース会社 |
利用期間 | 5年が目安 | 利用者の判断 | 5年が目安 |
中途解約 | できない | 対応しなくてよい | できる |
固定資産税 | かからない | かかる | かからない |
経費対策 | できる | できない | できる |
減価償却 | 不要 | 必要 | 不要 |
導入作業 | いらない | いらない | 最新機種の入れ替え作業あり |
導入後の効果 | 社内業務の邪魔にならず導入可能 | 導入後に売却・譲渡も可能 | 最新機種を利用できる |
再リース
リース契約の再リースは、コピー機や複合機を安く利用したい企業に需要があります。
今まで使っていたコピー機・複合機を継続して利用したい場合、契約を更新することで導入費用が安くなり、そのまま同じ機種を利用できます。
買取
リース契約の買取は、今まで使っていたコピー機・複合機を買い取り、機器の所有権をリース会社から移行することです。
新品を購入するよりも導入費用を抑えることができます。
入れ替え
リース契約の入れ替えは、今まで使っていたコピー機・複合機から新たな機種に変更して再契約する方法です。
【関連記事】複合機のリース終了後に検討したい4つの選択肢と注意すべきポイント
再リースのメリット・デメリット
再リースのメリットとデメリットを見ていきましょう。
再リースはリース料金が安く、搬入作業がないため企業の作業負担が軽減されますが、旧モデルの機種に合った維持管理が必要です。
メリット
再リースをする場合、機器のリース料金が今までの契約料金よりも約5分の1から10分の1程度安くなります。
再リース契約は、一般的に1年単位の更新です。毎年再リース契約をした場合、機器を低額料金で活用することが可能です。
再リースはランニングコストを大幅に抑えることができ、今まで通り同じ機種を利用できることから、システムを設定し直すといった手間も不要です。
また、オフィスのOA機器の搬入作業が必要ないので、社内業務に支障なく導入することができます。
デメリット
再リースの場合、導入コストは不要ですが同じ機器を使うため、保守やメンテナンスの料金がかかります。
また、更新を重ねるにつれて機器が経年劣化することから、故障しやすく、修理の必要性も高くなります。
また、機種は旧モデルになるため、最新モデルよりも機能性は劣るでしょう。
5年以上古い機種の場合、交換パーツや保守対応ができないケースもあります。
再リースの更新回数は、利用しているコピー機・複合機の耐用年数を確認したうえで、最長でも5年を目安にすることをおすすめします。
【関連記事】コピー機の耐用年数は?減価償却やリース契約との関係も解説
買取のメリット・デメリット
続いて、買取のメリットとデメリットを確認しましょう。
買取は、機器が会社の所有物になります。そのためリース料金が発生しなくなりますが、機種の耐用年数にあわせて保守点検を充実させる必要があります。
メリット
リース契約していたコピー機・複合機の契約満了時に伴い買取を選択した場合、機器の所有権が自社に移り、リース料金が無くなります。また、買取後は売却や譲渡なども自由にできます。
また、再リースのようにリース契約上の決まり・制限などが無くなるため、企業の管理下でコピー機・複合機を利用することができます。
デメリット
再リースの場合と同じように、保守管理が必要です。
古いモデルを継続して利用するため、メンテナンス・修理の頻度が上がる場合もあります。
機器の対象年数を目安に、機器を買い替えるタイミングも検討しておくべきです。
また、リース機器を買い取った場合、固定資産税の支払いや、減価償却の届出など、税務上の諸手続きが必要です。買い取る前にあらかじめ確認しておきましょう。
なお、買取を実施していないリース会社もあります。
買取を視野に入れてリース契約する際は、事前に確認することをおすすめします。
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入れ替えのメリット・デメリット
続いて、入れ替えのメリットとデメリットを見ていきましょう。
入れ替えの場合、再リースや買取と比較すると、コストは高くなります。
しかし、その分最新の機能が備わった機種となるため、安心して利用できます。
メリット
今までの機種を返却後、最新の機種に変更してリース契約し直します。
そのため、機能面が更新されており、故障トラブルのリスクも軽減します。
機種によっては便利な機能なども搭載されているため、社内業務の効率化にも繋がります。
再リースのように導入コストを抑えることはできませんが、最新機種であれば、その分導入後のメンテナンスや、保守管理のコストが軽減できるといったメリットがあります。
また、リース契約では通常の場合、中途解約は認められていませんが、入れ替えの場合、契約満了日前でも対応しています。
オフィス環境の移転や、機種の使いづらさなどによって、今の機種を変えたい場合は、最新の機種に取り替えることもできます。
デメリット
機種を入れ替えた場合は、コスト面では再リースよりも高くなります。
また、新しい機種の仕様について改めて把握する必要があります。
今までの機種とは異なるコピー・複合機に入れ替えるため、社内に設置した場合、社員が使い方に慣れるまで多少時間がかかるでしょう。
また、機種の搬入作業は、社内業務に支障がないように計画する必要があります。
リース契約満了時の注意点
リース契約満了後は、企業にとってメリットのある導入が実現できるように、以下の2つのポイントを注意点として抑えておきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
経年劣化が生じていることがある
精密機器は、長年使っていると劣化を伴います。
どんな機種であっても、一定の時期を目安に買い替えなどの対応が必要になります。
この一定の時期の目安となるのが、「法定耐用年数」です。
法定耐用年数とは、建物や設備機器など資産に対する耐用年数を国税庁が定めた数値です。
コピー機・複合機の法定耐用年数は、5年前後です。
ただし、利用者の使い方やメンテナンス対応、環境などにより、劣化の度合いはそれぞれ異なります。
使い方が粗ければ5年より短くなる場合もあり、メンテナンスや使い方が丁寧であれば、法定耐用年数よりも長く使える場合もあります。
リース契約する際は、機種の使用年数や経年劣化についてあらかじめ確認しておきましょう。
自動的に再リースになるケースが多い
コピー機や複合機のリース契約満了後、期日を過ぎても手続きをしていない場合、そのまま自動的に継続して再リースになってしまうといったケースもあります。
一般的には、リース契約満了日前にお知らせが届くはずですが、万が一に備えて、リース契約期間や契約内容の詳細については、利用者側でしっかりと確認しておき、早めに対応しましょう。
また、自動的に再リースになっても問題がない場合でも、一度リース会社に問い合わせて、再リース契約を行うことをおすすめします。
複合機の契約満了後の対応は事前に計画しておきましょう
コピー機・複合機の利用においては、リース契約の方が新品購入よりも導入コストを抑えながら維持管理できるというメリットがあります。
ただし、リース契約を行う場合は、契約満了日までに「再リース」「買取」「入れ替え」の3つの選択肢から方針を決めて、早めに契約内容を検討するようにしましょう。
3つの選択肢について詳細を把握しておくことで、オフィス機器の管理を適切に進める際に役立ちます。
費用対効果に見合うコピー機・複合機であるか、利便性やコスト面を考えて、より良いオフィス環境を整えていきましょう。
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この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。