FAXの送り方は?コピー機での送信方法やマナーも解説
近年のビジネスシーンでは、取引先とやり取りするツールとしてメールやチャットが主流になっています。
それに伴いFAXを使う機会は減ってきましたが、まったく使われないというわけではありません。
ビジネスにおいて利用している企業が存在する以上、FAXの操作は社会人に必須のスキルといえるでしょう。
そこで本記事では、FAXの送り方やマナーを解説していきます。
ビジネスのやり取りで失敗したくない方は、最後までご覧ください。
FAXの需要
ビジネスシーンにおいて、通信技術の進歩やペーパーレス化の観点から、FAXの使用頻度は減少傾向にあります。
しかし、まだまだ根強い需要があるのもまた事実です。
画像情報ファクシミリ委員会が2022年に実施した調査によれば、「勤め先でFAXを利用している」と回答した割合は、全体の43.7%に及びました。
またそのうち、「今後も利用を続ける予定」と回答した割合は77.5%となっており、需要の高さを裏づけています。
詳しくは次の項で解説しますが、FAXには数多くのメリットがあるため、これからも当分のあいだ根強く残っていくでしょう。
参照元:画像情報ファクシミリ委員会
FAXのメリット
FAXがメールやチャットの普及した現代でも使われている理由は、ほかの通信手段にはないメリットがあるからです。
今までオフィスにFAXがなかった企業は、導入することで業務の効率化が図れるかもしれませんよ。
ここでは3つのメリットをご紹介しますので、導入の検討材料にしてみてください。
メリット①ITスキルがなくても使える
FAXは、特別なITスキルがなくても使えます。
コピー機(複合機)での送信を例に挙げると、送りたい原稿を機器にセットして、送り先のFAX番号を入力するだけなので、メールなどに比べて簡単に操作できます。
自社や取引先の従業員の年齢層が高く、複雑な操作でのやり取りが難しい場合でも安心です。
ITスキルやリテラシーの差に関係なくデータをやり取りできるのは、大きなメリットといえるでしょう。
メリット②開封率が高い
開封率が高いのも、FAXを使うメリットの一つです。
パソコンやスマートフォンで通知を設定していても、メッセージの受信に気づかなかった経験はありませんか?
逆に、「送信したメッセージを相手が見落としているのではないか」と不安になるときもあるでしょう。
対してFAXは、受信に紙の出力が伴うため、データが送られてきたことが物理的にわかりやすい仕組みになっています。
機器から離れていたとしても、出力時に生じる稼働音を聞けば原稿が届いたことがわかります。
飲食店や宿泊施設など、常にパソコンやスマートフォンをチェックするのが難しい取引先へデータを送る際は、すぐに認識してもらえる確率が高くなるので便利です。
メリット③手書きで伝えられる
FAXは文章で伝えにくい内容を、手書きのイメージ図などで共有できます。
電話やチャットで細かいニュアンスを伝えたいとき、長文にならないよう簡潔な文章を構成するのは難しいものです。
そんなとき、FAXであれば該当箇所に線を引いたり、図で表現したりできるので、直感的に情報を伝えられます。
また、送られてきた原稿にちょっとしたメモを残したいときも、手書きのほうが気軽に書き込めるでしょう。
特に建設・設計関係の企業では、図面やカタログイメージを送るのに重宝されています。
FAXの送り方
FAXを送る主な手段として、これから紹介する3つが挙げられます。
それぞれ利用する機器や手順が違うので、一つずつ確認していきましょう。
送り方①固定電話・電話機
固定電話・電話機は狭いスペースでも運用しやすいため、自宅で仕事をする方に人気です。
送信手順は以下の通りです。
固定電話・電話機のFAX送信手順
- 電話機の上部に横長の蓋があるので、開いて原稿をセットする
- 液晶画面やボタンで、相手のFAX番号を入力する
- 送信ボタン(FAXボタン)を押して、読み込みの終了を待つ
- 完了の表示を確認する
本体に原稿をセットする場合、上下逆向きにして文頭が下を向くようにセットすると、相手側へ正しい向きで送信できます。
原稿の表裏の向きは製品ごとに違うので、画面の指示や説明書の内容を確認してください。
送り方②コピー機(複合機)
コピー機(複合機)は、FAXの送信を含めたいくつかの業務を一台で行えるので、オフィスでよく用いられています。
固定電話・電話機は原稿をセットする場所が1か所なのに対して、コピー機(複合機)には2か所あるのが一般的です。
それぞれ“ADF(自動原稿送り装置)”“原稿台ガラス”とよばれ、原稿の枚数やサイズによって使い分けます。
同じサイズで複数枚送りたい場合には、操作の手間が少ないADFが便利です。
コピー機(複合機)のFAX送信手順
- ADFか原稿台ガラスに原稿をセットする
- 機器の液晶画面のキーで、FAX番号を入力する
- スタートボタン(FAXボタン)を押して、読み込みの終了を待つ
- 完了の表示を確認する
手順は固定電話・電話機とほとんど同じですが、原稿の向きには注意が必要です。
使う製品にもよりますが、ADFと原稿台ガラスでセットする向きが異なる場合があるので、事前に説明書を確認しておきましょう。
送り方③インターネットFAX
インターネットFAXとは、パソコンからWeb経由でFAXを送受信できるサービスのことです。
専用機器を使わないので、これまでにご紹介した2つの送信方法とは手順や性質が大きく異なります。
インターネットFAXの送信手順
- 送り台原稿を、PDF形式でパソコンに準備する
- インターネットFAXのサービスページで、PDF原稿を選択する
- FAX番号を入力する
- スタートボタンを押して、通信の終了を待つ
- 完了の表示を確認する
インターネットFAXの一番のメリットは、パソコンとインターネット回線さえあればどこからでも送受信できることです。
また、専用機器の導入費用や紙代、インク代といったコストを削減できます。
FAXを送る際のマナー
FAXは非常に便利なツールですが、送る際にはいくつか注意しなければならないマナーが存在します。
メールや電話でのマナーは知っていても、FAXのマナーには自信がないという方は多いのではないでしょうか?
ここからは、送信時に注意したいマナーを7つ解説していきます。
取引先に失礼がないように、しっかり確認しておきましょう。
注意点①送付状をつける
FAXを送る際は、必ず送付状をつけましょう。
送付状とは、以下のような内容を記載した紙のことで、誰からどのような要件で届いた原稿なのかを明確にする目的があります。
一般的に送付状へ記載する内容
- 日付
- 送信先(宛先)の部署・担当者など詳細
- 送信元の部署・担当者など詳細
- 挨拶文
- 送信枚数
- 送付内容の要旨、備考
取引先によっては、複数の部署で1台の複合機を共有しているかもしれません。
送付状があれば宛先が明確になるので、確実に届くうえ書類の整理が楽になります。
送付状をつけるのはFAXを送る際の最低限のビジネスマナーなので、書き方を覚えておきましょう。
注意点②カラーやグレースケール原稿を避ける
原稿にカラーやグレースケールが含まれている場合、可能な限りそのままの送信を避け、白黒原稿に変換してから送るのがマナーです。
なぜならこれらの情報量は膨大なため、送受信に時間がかかったり、エラーが発生したりする可能性があるからです。
また、そもそも送り先のFAX機能がカラーの原稿に対応していない製品場合も少なくありません。
こちらがカラーで送っていても、相手側にはただ一面が真っ黒で、“何が写っているのかわからない画像”として印刷されてしまう場合があります。
とはいえ、どうしてもこのような原稿を送る必要がある場合には、事前にその旨を連絡しておきましょう。
そうすることで相手がカラー原稿に対応しているか確認でき、している場合は紙やインクを準備する時間を与えられます。
事前に連絡ができない、FAX番号しか知らない相手に原稿を送る際は、白黒原稿にしておくと安心です。
注意点③フォントやフォントサイズに配慮する
FAXは実際の原稿より文字が不鮮明になりがちなので、フォントやそのサイズには注意が必要です。
送信側は問題なくても、受信側では読みにくくなってしまうケースがあるので、普段より少し大きめな文字サイズを使いましょう。
フォントは、ゴシック体や太字体などが見やすくておすすめです。
くわえて、画像や表の見やすさも確認しておきたいポイントです。
文字と同様に、小さな画像や表は潰れて細部が見えなくなる可能性があるので、ある程度拡大させてから送信するよう意識してください。
相手側での見え方に不安がある場合は、テスト送信をしてみるのもよいかもしれません。
注意点④ページ番号を記載する
複数枚の原稿を送る際は、必ずページ番号を記載してください。
なぜなら、原稿の順番がひと目でわかるからです。
もし相手先で原稿が散らばってしまったとき、ページ番号があれば簡単に順番を整えられます。
通話しながら原稿に目を通してもらう際にも、番号があると説明しやすくスムーズに話が進むでしょう。
また、資料の不備や紛失に気づきやすいこともメリットの一つです。
送付状に記載の送信枚数と照らし合わせて、すべての原稿が手元にそろっているか確認できます。
送信ミスや紛失に対してすぐに対応できるので、コミュニケーションを円滑に進めることが可能です。
このように、ページ番号を記載するのはマナーでありながら、お互いの業務を効率的に進める手段でもあります。
送信する原稿が小数だとしても、記載しておいて損はありません。
注意点⑤機密文書は送らないようにする
機密文書をFAXで送るのは、トラブルの原因になるのでやめましょう。
FAXはその性質上、データの受信と同時に原稿を出力します。
メールやチャットと違って個人宛てに送るわけではないので、来訪者など不特定多数に見られてしまうかもしれません。
情報漏洩のリスクやプライバシー侵害の危険性があるので、機密文書を含む原稿は、個人宛てのメールや郵便で送るようにしてください。
注意点⑥送信する際は事前に連絡する
FAXを送信する際、事前に連絡するのは大切なマナーです。
FAXの特徴として、一台で複数のデータを同時に受信することはできません。
もし大量の原稿を出力する場合には、それに必要な紙やインク量も多くなります。
連絡なしに送信すると相手の業務を妨げる可能性があるので、事前に都合が良いタイミングを確認しましょう。
枚数にかかわらず事前に連絡しておくことで、送ってすぐ相手の手元に届く可能性が高まり、スピーディーな対応が期待できます。
注意点⑦FAXが届いたかを確認する
トラブルにならないよう、FAXを送った際はしっかり届いたかを相手に確認しましょう。
やり取りするツールにかかわらず、ビジネスにおいて「送った」「送られていない」といったトラブルは面倒なものですよね。
また、万が一送り先を間違えたり、通信環境が悪くて送信できていなかったりすると、相手に迷惑をかけてしまいます。
送信完了の表示がされていても、正常に送信できていない可能性はあるので、念のため確認しておくことが大切です。
前項で解説した事前の連絡と併用すれば、より確実に送受信のトラブルを防げるでしょう。
いくつかのマナーに注意して、簡単で便利なFAXを活用しよう
今回は、FAXの送り方とマナーを解説しました。
FAXにはいくつかの注意するべきマナーがありますが、操作が直感的で簡単かつ、メリットも多いので、業務の幅を広げられます。
これからも当分需要はなくならないと予想されるので、まだ活用していない方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか?
事務機器ねっとでは、複合機・コピー機のリースサービスをご紹介しています。
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気になる初期費用も0円でご案内していますので、新規事業やオフィスの移転で複合機・コピー機の導入をご検討中の方は、ぜひ一度お問い合わせください。
この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。