プリンターのADF機能とは?メリット・デメリットも紹介
プリンターのADF機能とは、複合機などで大量の原稿を自動で取り込み、スキャンする装置のことです。業務効率化につながるなどといったメリットが挙げられますが、一方でデメリットもいくつか挙げられます。
本記事では、プリンターのADF機能のメリットや、ADF機能の使い方などについて詳しく解説していきます。
プリンターのADF機能とは
プリンターのADF機能とは「Automatic Document Feeder」の略で、大量の原稿を自動で取り込み、スキャンすることができる装置のことを指します。この機能を利用すれば、複数ページの原稿を一度に読み込めます。
従来はプリンターのガラス面(読み取り台)にコピー・スキャンしたい原稿を1枚ずつ置いて読み取る「フラッドベッド方式」という方法が一般的でしたが、最近ではADF機能が標準搭載されている機種が増えてきています。
詳細は後述しますが、1枚ずつ読み取るよりもはるかに効率化が図れることなどから、オフィスでプリンターを利用するうえでは欠かせない機能の一つです。
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プリンターのADF機能・ADF のスペック
プリンターのADF機能を使いこなせれば、さらに業務の効率化が期待できます。
ここからは、プリンターのADF機能の詳細や、スペックをご紹介します。
原稿読み取り速度
ADF機能における「原稿読み取り速度」は、1分間にA4原稿(短辺向き)をいくつ読み取れるかを表しています。家庭用複合機の場合は8~15面/分、業務用複合機の場合は50~80面/分です。これはあくまでも一般的な例であり、読み取り速度は複合機の製品設計によって大きく異なります。
原稿サイズ
ADF機能における「原稿サイズ」は、自動読み取りできる最大と最小の原稿サイズを示しています。一般的には、複合機の最大印刷可能サイズに合わせて設定されます。A3複合機ならA3まで、A4複合機ならA4までの読み取りが可能です。
最小の原稿サイズや非定型サイズへの対応は機種によって異なります。基本的にはA6が最小サイズですが、家庭用複合機に搭載されたADF機能の場合は確認が必要です。
原稿セット枚数
ADF機能における「原稿セット枚数」は、ADFに一度にセットできる原稿の枚数を表します。セットできる枚数が多ければ、一度に大量のコピーを処理できるため、業務効率が向上します。
家庭用複合機では10〜30枚程度の原稿をセット可能です。オフィス向けの複合機では、200〜300枚程度の原稿がセット可能です。
両面読み取り対応
ADFのスペックには「両面読み取り」に対応しているか否かというものもあります。 プリンターには、ADFが原稿の片面の読み込みにしか対応していない機種と、両面を読み込める機種があります。
両面読み取り対応の機種では、当然原稿の入れ替え作業が減り、作業効率と生産性が向上します。
たとえば、両面読み取りに非対応な機種では、250枚の両面原稿をスキャンする場合には500回の入れ替えが必要ですが、両面読み取り対応の機種ではワンタッチで完了します。 この差は業務効率に大きな影響を与えうるため、予算に余裕がある場合は「両面読み取り対応」のプリンターがおすすめです。
プリンターのADF機能のメリット
次に、プリンターのADF機能を使用するメリットを見ていきましょう。 これらのメリットを踏まえて活用することで、さらに機能を引き出せるでしょう。
メリット①印刷業務の効率化につながる
一つ目のメリットは、大量の原稿を一度に読み込み、連続的に印刷できるため、作業時間を短縮できることです。手作業で原稿を一枚ずつセットする必要がなく、原稿をセットして印刷する部数さえ設定できれば、作業効率が格段に向上します。
また、ADF機能は両面読み取りに対応しているものもあり、両面印刷の需要がある場合にもスムーズに対応できます。 さらに、ADFの原稿セット枚数が多ければ、一度の操作で多くの原稿を処理できるため、大量印刷やコピー作業に非常に適しているといえるでしょう。
メリット②ミスプリントが減る
二つ目のメリットは、ミスプリントの減少につなげられることです。
ADF機能を使用することで、原稿の連続的な読み込みを実現でき、手作業での原稿のセットミスを減らせるでしょう。
また、原稿が正しくセットされるため、印刷時のズレや重複といったミスプリントの発生率も低くなります。
これにより、再印刷や補正作業の回数が減り、結果的に経費削減にもつながります。 さらに、もともとの原稿の状態を保持しながら正確にコピーを作成できるため、クオリティの向上も期待できるでしょう。
メリット③ペーパーレス化に役立つ
プリンターのADF機能には、ペーパーレス化に役立つというメリットもあります。
デジタル化が当たり前の現代、アナログの良さも残しつつ適宜デジタル化するハイブリッドが最適といわざるをえません。ADF機能を活用すれば、大量の原稿や文書を電子データとしてスキャンできます。ADF機能を活用して印刷物をデジタルフォーマットに変換することで、紙の使用量も削減できます。
また、デジタルデータとして保存することで、ファイリングや保管の効率も向上するでしょう。
さらに、デジタルフォーマットの文書は簡単に検索や共有ができるため、情報の共有性とアクセシビリティも向上します。文書の管理や共同作業がスムーズに行えるようになるだけでなく、ペーパーレス化によって環境負荷の軽減や業務効率の向上が期待できるため、多くの企業や組織がADF機能を活用しています。
プリンターのADF機能のデメリット
メリットがあれば、デメリットも当然あります。
ここからは、プリンターのADF機能の2つのデメリットをご紹介します。
デメリット①製本されている原稿には使えない
ADF機能は一般的に、製本された原稿には対応していません。単一のシートを自動的に読み込むため、製本された原稿の場合、ページが重なって読み込まれたり、不正確な読み取りが行われたりする可能性があります。
そのため、製本された原稿の場合は手動で各シートを読み込む必要があります。
製本されている原稿を読み込みたい場合は、ADF機能を持つプリンターとは別に、専用の原稿スキャナや製本解体機を使用しなくてはなりません。
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デメリット②用紙が限られる
プリンターのADF機能のもうひとつのデメリットが、用紙の制約です。ADFは通常、普通紙に最適化されており、上質紙や再生紙といった特殊な用紙には適していません。これらの用紙を使用すると、紙詰まりが発生する可能性があります。
ADF機能を使用する際は、プリンターのサポートする用紙の種類や厚みに注意する必要があります。
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プリンターのADF機能の使い方
実際に、ADF機能とはどのように使うのでしょうか。ここからは、ADF機能の使い方をご説明します。
- スキャン・コピーしたい原稿をADFにセットします。 片面読み取りADFの場合は、原稿を読み取りたい面を上向きにし、原稿ガイドに沿って真っ直ぐにセットしてください。
- 原稿用紙のサイズに合わせて、原稿ガイドを調整してください。
- 原稿をセットし、サイズの確認ができたら、コピー・スキャンのスタートボタンを押します。あとは原稿読み取りが終了するまで待つのみです。
便利な機能を活用して、効率よく原稿をコピー・スキャンしましょう。
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ADF機能が搭載されたプリンターをお探しなら、事務機器ねっとまで!
ADF機能が搭載されたプリンターを探している方におすすめなのが、事務機器ねっとです。事務機器ねっとでは、便利なADF機能が搭載されたプリンターを多数取り揃えています。
さらに、一部の機種では複数の原稿サイズにも対応しているため、サイズに合わせてガイドを調整することも可能です。
プリンターのADF機能とは自動原稿送り装置のこと
プリンターのADF機能を利用することで、印刷業務の効率化や、ミスプリントの減少、さらにはペーパーレス化などのメリットが得られることがわかりました。
とはいえ、ADF機能が搭載されたプリンターにも、両面印刷に対応したタイプなどさまざまな種類があります。
プリンターを新たにご購入されることを検討中の方は、ぜひ「目利き力」に優れた事務機器ねっとにご相談ください。自分のニーズに合った最適なADF機能搭載プリンターをご提案させていただきます。
この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。