会計事務所に導入する複合機(コピー機)の選び方は?あると便利な機能も紹介

会計事務所では、申告書や契約書など紙書類の扱いが多く、業務の効率化ができる複合機(コピー機)の導入を検討をしている人もいるでしょう。
本記事では、会計事務所に導入する複合機(コピー機)の選び方やあると便利な機能、おすすめの機種を複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに詳しく解説します。
会計事務所ならではのポイントを多数紹介するため、複合機(コピー機)の選び方の参考にしてください。
会計事務所における複合機(コピー機)の重要性
会計事務所では、申告書や契約書など紙書類の扱いが多く、正確さと効率の両立が求められます。そのため、コピー・スキャン・FAX・プリントを1台で集約できる複合機(コピー機)は、業務効率化とコスト削減、情報管理の強化に直結する設備として非常に重要です。
また、近年は電子帳簿保存法やインボイス制度への対応も求められ、紙とデジタルをつなぐ役割としてもその重要性が増しています。
会計事務所で複合機が用いられるシーン例
特に会計業務では、クライアントとの契約書や証明書の提出、領収書・請求書の電子保存、税務書類の印刷・控えの管理など、紙とデジタルの両方を扱うシーンが多く存在します。そうした業務の1つひとつに複合機が関わっており、その使い方によって業務全体の効率や正確性が大きく左右されます。
ここでは、会計事務所で複合機が実際にどのように使われているのか、代表的なシーンを具体的にご紹介します。
契約書・証明書のFAX送信とスキャン送付
税務署・取引先・金融機関などへ提出する契約書や各種証明書は、FAX送信やスキャン→メール送付といった形でやり取りされることも多くあります。複合機を使えば、原本をそのままFAXで送信できるほか、PDF化してクライアントへ即座に共有することも可能です。スピード感と正確性の両立が求められる書類業務で活躍します。
領収書・請求書のスキャンとデジタル保存
クライアントから提出された領収書や請求書などの紙資料は、スキャンしてデータ化し、会計ソフトに連携したり、クラウド保存したりする作業が増えています。複合機にはOCR(文字認識)や自動仕分け機能を備えたモデルもあり、こうした紙→デジタルの変換作業を大幅に効率化できます。
申告書・決算書類の印刷と控えのコピー
会計事務所では、法人税・所得税などの申告書や決算報告書を作成・提出する業務が日常的に発生します。これらの書類は、提出用に印刷するだけでなく、控えとしてコピーを取って保管する必要もあります。複合機があれば、印刷からコピーまでを一貫して効率よく処理でき、業務の時短に大きく貢献します。
会計事務所に導入する複合機(コピー機)の選び方
会計事務所の複合機(コピー機)を選ぶときに、重視したいポイントは以下の6つです。
- セキュリティ機能が充分か
- 複数データの一元管理ができるか
- インターネットFAX機能がついているか
- 事務所規模に合った印刷速度か
- 目的にあった印刷方式であるか
- 保守サービスと対応力が充実しているか
ベストな複合機(コピー機)を選ぶためには、どのポイントも欠かせません。その理由を1つずつ紹介していきます。
セキュリティ機能が充分か
士業事務所では、顧客情報や企業データなどの機密情報を取り扱うため、機密情報を保護できるセキュリティ機能が備わっていることが重要です。そのため、ICカード認証や暗号化通信、ウイルス検知機能を備えた複合機の導入が求められます。大切な機密情報を守るために、必ずセキュリティ機能が備わった複合機(コピー機)を選ぶようにしてください。
複数データの一元管理ができるか
複合機を活用することで、紙媒体やPDF、Officeファイルなど複数のデータをまとめて管理できるようになるため、業務効率の改善が期待できます。
士業の業務では、紙で預かった資料をスキャンして使用する機会もあるため、OfficeファイルやPDFを含めた複数のファイルと混ざって、事務作業が複雑になりがちです。そこで、複合機(コピー機)を利用して、データを一元管理できるソフトウェアを導入すると便利です。
インターネットFAX機能がついているか
インターネットFAX対応の複合機を導入すれば、受信FAXをPC上で確認できるため、印刷物を取りに行く手間が省けます。インターネットFAXは不要な印刷を削減でき、ペーパーレス化やコスト削減にも寄与するでしょう。
さらに、インターネットFAXは送受信にインターネット回線を利用するため、電話回線を使用する従来のFAXよりも通信費が安くなるなど様々なメリットがあります。もしインターネットFAXを利用するのであれば、より一層複合機(コピー機)のセキュリティ対策には気をつけましょう。
事務所規模に合った印刷速度か
複合機の印刷速度は、事務所の規模や印刷頻度に合わせて選定することが重要です。
適切な印刷速度かどうかは、事務所の規模や印刷頻度によって異なりますが、1日150枚以上印刷する事務所は25~35枚/分程度、300枚以上の場合は35~45枚/分程度の速度が目安として考えられます。
速度が速いほど業務効率は向上しますが、本体価格も高くなるため、費用対効果のバランスを考慮しましょう。
目的にあった印刷方式であるか
複合機(コピー機)の印刷方式には、インクジェット方式とレーザープリント方式があります。それぞれ特徴が異なるため、目的に合った印刷方式を選びましょう。
文字中心の長期保管書類を扱う場合は、印刷品質が安定し耐久性のあるレーザープリント方式が適しています。用途に応じた印刷方式を選ぶことで、日々の業務の効率と品質を両立できるのです。
関連記事:レーザープリンターとインクジェットプリンターを徹底解説
保守サービスと対応力が充実しているか
複合機が故障すると業務が停滞するため、保守サービスの充実度は重要な選定基準です。保守サービスの内容は契約によって異なるため、保守拠点の数や対応スピード、土日や夜間対応の有無などサービス内容を事前に確認しておきましょう。
会計事務所の複合機(コピー機)にあると便利な機能
会計事務所では、日々大量の書類を正確かつ効率的に処理することが求められます。
そのため、複合機を選ぶ際には、単に印刷やコピーができるだけでなく、業務をスムーズに進めるための便利な機能が備わっているかどうかも重要なポイントです。
ここでは主な4つの機能を紹介します。
両面同時読み取りADF(ワンパス)
両面同時読み取りADF(ワンパス)は、原稿の表裏を一度でスキャンできる機能です。大量の書類を扱う会計事務所では、スキャン時間の短縮が業務効率化につながるため、両面同時読み取りADF(ワンパス)はあると非常に便利な機能の1つです。
またADFは印刷業務の効率化だけでなく、ペーパーレス化やミスプリントを減らす効果があるともいわれています。
関連記事:プリンターのADF機能とは?メリット・デメリットも紹介
クラウド連携機能
クラウド連携機能を持つ複合機であれば、Google DriveやOne Driveなどのサービスと連携することで、外出先からも書類へのアクセスが可能です。事務所以外の環境でもデータ共有・閲覧ができるため、テレワークなど業務の柔軟性が向上するでしょう。また、BCP対策や資料の持ち出しによる情報漏洩のリスク低減にも役立ちます。
OCR機能
OCR機能を活用すれば、紙書類をスキャンするだけで文字情報をデジタルデータに変換できます。これにより保管スペース削減だけでなく、データ検索性の向上やスムーズな共有が可能となるため、業務効率の改善も期待できます。ペーパーレス化などの様々な面からコスト削減につながるでしょう。
関連記事:OCRとは?仕組みやメリット・課題とともにAI技術を取り入れたOCRも紹介
セキュリティ機能
顧客情報や企業データを多く扱う会計事務所では、複合機のセキュリティ機能が不可欠です。不正アクセス防止やデータ漏えい対策が施された機種を導入することで、情報管理体制を強化できます。
具体的な機能としては、ICカード認証や暗号化通信、ウイルス検知機能などがあります。顧客情報や企業データなどの大切な機密情報のためにも、優れたセキュリティ機能を持つ複合機を導入してください。
複合機・コピー機の
“目利き力”で、あなたに最適な
リースおよびご購入等に関する無料相談や見積依頼は、
メールまたはお電話より気軽にお問い合わせ下さい。
無料相談をされてもご契約の義務は一切ありません。
また、しつこい売り込みはいたしませんので気軽にお問い合わせください。
【状況別】会計事務所への導入方法でおすすめは?
複合機(コピー機)の導入は、主に購入・リース・レンタルの3つの方法があります。それぞれの方法で、初期費用や月額費用の費用負担、メリットや注意点が異なります。事務所の状況別に、おすすめの複合機(コピー機)の導入方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
コストを抑えるならリース | 創業期~数年目
リースで複合機(コピー機)を導入すると、最新機種を月額で利用でき、導入時の資金負担が少ないためコストを抑えられます。
ただし、5年契約などの長期契約になるため、契約前に台数・機能が業務に合っているかの確認を忘れないようにしましょう。初期費用が安く済むため、創業期~数年目の会計事務所で、一括で支払う余裕がない場合はリースでの導入がおすすめです。
関連記事:複合機の購入とリースの違いを比較!価格相場やメリット・デメリットも解説
中長期の使用想定なら購入も検討 |中堅~大規模事務所
購入は、中長期的に見るとリースよりも総コストを抑えやすい、また契約縛りがないため機種選択の自由度が高い点がメリットとして挙げられます。中堅~大規模事務所で、初期費用を一括で支払えるのであれば、自社に合った複合機(コピー機)を選ぶことで、業務の効率化にもつながるでしょう。
なお、購入で複合機(コピー機)を導入する場合には、メンテナンス契約を別途結び、長く安定して使える体制を整えるようにしてください。
短期開設や繁忙期だけならレンタル
短期間の事務所開設や確定申告期などの繁忙期だけ利用したい場合にはレンタルが便利です。複合機(コピー機)のレンタルでの導入は、初期費用をかけずに必要な期間だけ利用できますが、長期では割高になるため期間を見極めて利用しましょう。
会計事務所への導入におすすめの複合機(コピー機)3選
会計事務所会計事務所へ導入するのにおすすめの複合機(コピー機)を3つ紹介します。どの機種も優れた印刷解像度や印刷スピードを持ち、万全のセキュリティ対策を備えているため、ぜひ複合機(コピー機)を選ぶ際の参考にしてみてください。
富士フイルム Apeos C2571 (Model-PFS)
「富士フイルム Apeos C2571(Model-PFS)」は、富士フイルムのフラッグシップモデルの中低速タイプで、クラウドサービスによる便利さが魅力です。クラウドを通して様々な機能が利用でき、業務のデジタル化に大きく貢献します。スキャン性能や印刷解像度も高く、あらゆる業務にストレスなく使用できます。
キャノン iR-ADV C3935F
「キャノン iR-ADV C3935F」は、低温定着トナーを採用することで、業界トップクラスの標準消費電力量を実現しました。転写効率を高めた低温定着トナーは、従来機種に比べて約2倍の枚数が印刷できるため、トナーの廃棄量が少なく済みます。また、複合機のタッチパネルに表示できるビジュアルメッセージがパワーアップしました。複合機利用時に情報の共有ができるため、情報伝達の活性化・待機時間の有効活用が可能です。
キヤノン imageFORCE C5140F
「キヤノン imageFORCE C5140F」は、2025年9月下旬に発売予定のimageFORCE C5100シリーズの一般速度モデルで、キヤノンのオフィス向け複合機で最高解像度の4,800×2,400dpiを誇ります。キヤノン imageFORCE C5140Fは、高品質な印刷技術に加えて、万全のセキュリティ対策も魅力の1つです。改ざん防止機能など80以上のセキュリティ項目から最適な項目を選択してくれる「おすすめセキュリティー設定」が搭載されているため、顧客情報や企業データなどの機密情報を取り扱う会計事務所でも安心して導入できます。
よくある質問(Q&A)
Q1.会計事務所に適した複合機の印刷速度はどれくらいですか?
A1.事務所の規模や印刷頻度によりますが、1日150枚以上印刷する事務所は25~35枚/分程度、300枚以上の場合は45~70枚/分程度の速度が目安として考えられます。
Q2.複合機の保守サービスで確認しておくべきポイントは何ですか?
A2.保守サービスの内容は契約によって異なるため、保守拠点の数・対応スピード・土日や夜間対応の有無を確認しておくことが大切です。
Q3.事務機器ねっとではどんなメーカーのコピー機・複合機を取り扱っていますか?
A3.キヤノン、シャープ、富士フイルムビジネスイノベーション(旧富士ゼロックス)、エプソン、沖データ、京セラ、コニカミノルタなど国内主要7メーカーを取り扱っております。お客様の業務環境・予算・印刷枚数・利用用途に合わせて機種選定が可能です。複合機の選定・導入に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
会計事務所ならではの複合機(コピー機)の選び方を紹介しました。最適な複合機(コピー機)の導入は、業務効率化とコスト削減につながります。本記事を参考に、必要な機能や最適な方法を検討してみてください。
本記事は、複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに提供しています複合機の選定・導入に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者

株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。