近年、巧妙なウイルスによるPCへの被害が増加しており、今後はコピー機への攻撃も懸念されます。
コピー機はオフィスのほとんどの方が利用します。そのため、もしコピー機がウイルス感染した場合、感染は社内全体のPCに広がり、さらに社内のPCから社外へと拡散する恐れがあります。
例えば、PCから「ウイルスに感染した印刷データ」を送信した際、コピー機内に保存されているデータにもウイルスが感染してしまう事象が考えられます。この場合、コピー機には顧客や関連会社のファックス番号やメールアドレスなどが多く登録されていることがあり、コピー機を経由して社外のネットワークへ感染が広がる危険性があります。
これは非常に危険な状況ですよね。
今回ご紹介するシャープのウイルス検知キット(BP-VD10)は、コピー機に取り付けることでウイルスを早期に検知し、感染の拡大を防ぐ対策が可能です。
ウイルス感染からは油断禁物! コピー機を介した感染拡大を防ぎ、不測の事態に備えたセキュリティを強化しましょう!
<目次>
・製品構成
・コピー機へのウイルス攻撃例
・ウイルススキャンのタイミング
・ウイルスを検知した際の動作例
製品構成
以下のデータがウイルススキャンの対象になります。
- コピー機のフォームウェア
- 組み込みアプリケーション
- コピー機の入出力データ(ジョブデータ、コピー機の設定データ、アドレス帳データ、ドキュメントファイリングの入出力データ)
- コピー機のNASフォルダー(sharedフォルダー、faxreceiveフォルダー)に保存されたデータ
インストール・アップデート時スキャン | リアルタイムスキャン | 定時スキャン | オンデマンドスキャン | |
コピー機のフォームウェア | ⚪︎ | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
組み込みアプリケーション | ⚪︎ | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
コピー機の入手力データ | × | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |
NASフォルダーに保存されたデータ | × | × | ⚪︎ | ⚪︎ |
また対象デジタルコピー機は下記になります。
BP-70C65/BP-70C55/BP-70C45/BP-70C26/BP-60C36/BP-60C31/BP-60C26/BP-50C65/BP-50C55/BP-50C45/BP-40C36/BP-40C26/BP-70M90/BP-70M75/BP-70M65/BP-70M55/BP-70M45
価格:ウイルス検知キット(BP-VD10)50,000円(税抜き)
コピー機へのウイルス攻撃例
まず、どのようにして、コピー機はウイルスに感染してしまうのか。2つの例を見てみましょう。
ウイルス感染 例1
ウイルス感染したファイルをプリントする際にコピー機に感染し、コピー機内に保存したデータなどをスキャンして送信したりエクスポートすることにより感染が拡散します。
ウイルス感染 例2
Aさんが、PCの中でウイルス感染したファイルをコピー機のNAS(※)に保存してしまい、Bさんが感染したファイルをコピー機内のNASからパソコンにダウンロードすると、ウイルスを含んだデータにより、BさんのPCが感染してしまいます。
コピー機が踏み台となり、あなたのPCへとウイルスは気づかぬうちに感染し、拡散してしまいます。これらに気づいてくれるウイルス検知キットが必須なのです。
※ネットワーク(LAN)上に接続することができるハードディスクです。 ネットワークに接続された記憶装置という意味で「NAS(Network Attached Storage)=ナス」という略称で呼ばれます。
ウイルススキャンのタイミング
ウイルススキャンとは、コンピューターにウイルスが入り込んでないかを確認する作業、またウイルス対策ソフトなどに備わっているウイルス感染の有無を判断する機能のことです。
ウイルスは下記のタイミングでスキャンされます。ウイルススキャン中は、システム領域やシステム情報画面のマシン情報にアイコン(右画像)が表示されます。
インストール・アップデート時スキャン
ファームウェアアップデート(※)、組み込みアプリケーションのインストール時及びアップデート時にウイルススキャンを行います。
※:コンピュータや電子機器などに内蔵されるソフトウェアの一種で、本体内部の回路や装置などの基本的な制御を司る機能を持ったもの。
リアルタイムスキャン
本機のデータの入出力時にデータをウイルススキャンします。
システム設定の【ウイルススキャン設定】の【入出力データのウイルススキャン】が有効の時に使用できます。
定時スキャン
決まった日時にウイルススキャンを行います。システム設定の【ウイルススキャン設定】の【指定した時刻にウイルススキャンを行う】が有効の時に使用できます。日時は【ウイルス設定】の【スケジュール設定】で設定します。
オンデマンドスキャン
すぐにウイルススキャンを実行できます。システム情報画面のマシン情報のウイルススキャンにアイコンが表示されている際に、アイコンをタップし【今すぐスキャン】をタップするとスキャンを実行します。また、システム設定の【ウイルススキャン設定】で【今すぐスキャンを実行】を選択すると、スキャンを実行します。
ウイルスを検知した際の動作例
ウイルススキャンでウイルスを検知した際は、システム情報画面で下記のような画面が表示されます。
定時スキャンまたはオンデマンドスキャン時にウイルスが検知された場合、NASに存在する検知対象データは削除されます。(ただし、検知対象データがシステムファイルの場合は削除されません。)
ウイルスを含むデータを印刷またはアップロードしようとした際、リアルタイムスキャンでウイルスが検知されると、ジョブは中止され、出力データやジョブデータは破棄されます。
システム領域でウイルスが検知された場合、それを示すアイコンが表示されます。ウイルスが検知された場合、コピー機の使用を中止し、ウイルス対策を行ってください。
ウイルス検知の操作に不安がある際は、お気軽に事務機器ねっとへご連絡ください。適格に対処いたします!
シャープにはウイルス検知キットBP-VD10があることによって安心感がありますが、キヤノンや富士フイルムには、このようなコピー機に取り付けるウイルス検知キットはありませんでした。
明日、あなたのPCが何らかのウイルスに感染していても不思議ではありませんし、その原因がコピー機かもしれません。
だからこそ、あなたの会社のコピー機が危険にさらされる前に、ウイルス検知キットやUTM(Unified Threat Management)と呼ばれる統合型脅威管理機器を取り付けてセキュリティを強化し、感染の拡散を未然に防ぎましょう。
ウイルス検知キットに関する詳細について、またセキュリティに関して不安なことや導入したい商品についてご質問があれば、お気軽に当社へお問い合わせください。
セキュリティ対策にも詳しいスタッフがお客様の不安とお悩みを解消いたします。
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