複合機のカウンター料金とは?おさえておくべき基本と相場をチェック
複合機をリースやレンタルで導入する際「カウンター料金」と呼ばれる課金方式が一般的です。
ですが、どのような方法なのかよくわからず、不安に感じている方もいるでしょう。
そこで、カウンター料金の基本や金額の目安、注意したいポイントなどを紹介します。
この記事を読むことでカウンター料金の概要やメリット・デメリットなどがわかるようになるので、ぜひご一読ください。
複合機のカウンター料金とは?
複合機のカウンター料金とは、複合機の内部に搭載されているカウント機能により印刷枚数をカウントし、それに応じた料金を算出する仕組みのことです。
現在のリース契約において主流となっている契約方法でもあります。
リース料金やレンタル料金とは別に請求される点に注意しておきましょう。
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複合機のカウンター料金の目安
料金は、フルカラー、2色カラー、モノクロでそれぞれ異なる料金設定がされています。一般的な料金の目安は以下の通りです。
印刷形式 | 1枚当たりの費用 |
フルカラー | 約15~25円 |
2色カラー | 約5~10円 |
モノクロ | 約2~3円 |
最も価格を抑えられる方法はモノクロ印刷であり、次に2色カラー、フルカラーの順で続きます。
なお、フルカラーとはC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)の4色のトナーを使用した印刷のことであり、2色カラーとはK(ブラック)ともう1色を利用した印刷方法です。
フルカラーと比較すると2色カラーのほうは表現が限られてしまいますが、1枚あたりの費用は半額以下であるため、うまく利用できれば大幅に印刷費用を抑えることができます。
最も安いのはモノクロ印刷なので、フルカラーや2色カラーにする必要がないものはモノクロで印刷することを推奨します。
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カウンター料金が変動する理由
料金は、基本的に1枚当たりいくらといった形で設定されていますが、印刷速度や設置場所によって変動することがあります。
ここでは、料金が変動する代表的な理由を3つ紹介します。
理由①印刷スピード
一般的に、印刷スピードが速い複合機ほど1枚あたりの料金は安くなります。
例えば、1分間に印刷可能な枚数が30枚のものと50枚のものでは、50枚印刷できる機種へのほうが料金は安くなる形です。
月の印刷枚数が多い場合は、利便性からも料金面からも印刷スピードが速い複合機を選択すると良いでしょう。
理由②印刷方法
印刷方法では「ダブルカウント」と呼ばれるものにより料金が変動するので注意しておきましょう。
例えば、両面印刷した場合は表面・裏面と2枚印刷することになるので、2枚分カウントされることになります。
また、用紙サイズが大きいA3用紙などに印刷した場合もダブルカウントの対象となることがあります。
このあたりは業者によって対応が違うので、注意しなければなりません。
特に普段からA3用紙への印刷が多い場合はダブルカウントになると印刷費用が高額になってしまう可能性があります。
それから、さらに大きいサイズのものを印刷する場合はカウンター料金が3倍になる「トリプルカウント」のものもあるので、こちらも同様に注意が必要です。
理由③オフィスのエリア
オフィスのあるエリアによっても料金が変動することがあります。
都心部のほうが高くつくのではないかと思う方もいるかもしれませんが、地方都市よりも都市部のほうが安くなる可能性が高いです。
これは、都市部のほうが複合機を使用する機会が多いので、今後も印刷枚数が見込めることから割引されるためといえます。
そのため、都市部にあるオフィスでも月の印刷枚数が多くない場合はカウンター料金が安くならない可能性もあります。
具体的な金額については、業者との交渉によっても変わってきます。
複合機でカウンター料金にするメリットとデメリット
代理店の中には、カウンター料金制以外の契約が可能なところもあります。
では、カウンター料金にするメリットやデメリットにはどういったものがあるのでしょうか。それぞれおさえておきたいポイントを解説します。
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メリット
大きな魅力は、トナーの購入費用が不要なこと、メンテナンス費用や修理費用が不要なこと、ランニングコストを把握しやすいといった3つです。
メリット①トナーの購入費用が不要
カウンター料金にはトナー代が含まれているケースが多いため、別途トナーの購入費用はかかりません。
トナーとは、プリンターや複合機で文字や画像を用紙に印刷するために使用される粉(粒子)のことです。
消耗品であるため、複合機を使って印刷する以上、少しずつ減っていきます。
特に大量に印刷をする場合はトナーの減りも早くなってしまうので、その分の補充費用を考えずに済むのはポイントといえるでしょう。
減った分のトナーはメンテナンスマンが定期的に補充してくれるので「気づいたらトナーがなくなっていて印刷できず、業務に支障をきたしてしまった」といったこともありません。
このような経験がある場合にも向いている契約方法といえるでしょう。
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メリット②メンテナンス費用や修理費が不要
トナーだけではなく、メンテナンス費用や修理費といったものも料金に含まれています。
そのため、これらが不要なのも大きな魅力です。
特に印刷枚数が多かったり、長時間複合機を使用する場合は不具合が起こりやすくなったりしてしまいます。
こういった場合も無料でメンテナンスを受けられるので、トラブルの心配も少なくなるでしょう。
メリット③ランニングコストを把握しやすい
複合機を使用するにあたり、気になるのがランニングコストの問題です。
カウンター料金はランニングコストにあたるわけですが、トナーの購入費用やメンテナンス費用、修理費といったものが別途発生しないので、ランニングコストを把握しやすくなるでしょう。
一般的には月間の印刷枚数が多いほどランニングコストを安く抑えられます。
なお、複合機本体のために支払う費用であるリース料金は別途発生します。
リース料金は印刷枚数によって変わることはありません。
ただ、中古機を一括購入し、カウンター保守契約だけを結ぶような場合はリース料金がかからないので、発生するのはカウンター料金のみです。
カウンター料金とランニングコストを確認しておけば固定費がわかりやすいので、必要経費の見通しも立てやすいでしょう。
【関連記事】コピー機の修理を依頼したら費用はどのくらい?ケース別に紹介
デメリット
カウンター料金制には注意しておかなければならないこともあります。
以下を確認しておきましょう。
デメリット①毎月一定の費用が発生する
たとえ印刷枚数が0枚だったとしても、契約によって定められている固定費は毎月支払わなければなりません。
そのため、月の印刷枚数が非常に少ない場合でも思いのほか費用が高くついてしまうこともあるでしょう。
紹介したように、カウンター料金にはトナーの購入費用やメンテナンス費用、修理費といったものが含まれています。
印刷枚数が少ない場合はこれらの費用があまりかからないといえるので、使用頻度の割には基本料金が高いと感じてしまうこともあるはずです。
たくさん印刷する予定でリース契約を結んだものの、実際にはそうではなかったといったケースもあります。
ですが、リース契約は数年単位で結ぶことになるので、それほど使用頻度が高くないことがわかったとしてもすぐに解約はできません。
解約する場合は違約金が発生することになるので、このあたりも確認しておきましょう。
デメリット②印刷ミスもカウントされる
料金は1枚印刷するごとにかかるものなので、仮にミスによって使えない印刷物が出たとしても、その分の料金が発生することになります。
大量に印刷した後にミスによって修正、再印刷が必要なことがわかった場合などは、思わぬ損をしてしまうこともあるでしょう。
また、本来であれば100枚で済むところを130枚印刷してしまったとなれば、30枚分を無駄にすることになります。
できる限り印刷ミスや必要数を超えて印刷することがないように注意する必要があります。
この点は、会社全体で周知し、徹底する必要があります。どうすれば印刷ミスを出さずに済むのかなども話し合っておくのがおすすめです。
カウンター料金なら保守契約も可能
複合機のリース契約をする際、単純にリース契約をするだけで機器の修理やアフターサービスが受けられるとは限りません。
これは、リース契約をするのはリース会社であり、機器の修理やアフターサービスは事務機器ねっとのような代理店が行うためです。
そのため、機器の修理やアフターサービスを受けたいと考えた場合、保守契約と呼ばれるものを代理店と結ぶ必要があります。
カウンター保守契約とキット保守契約、スポット保守契約について確認しておきましょう。
【関連記事】複合機・コピー機のリース契約は途中契約できるか│対処法や違約金も
カウンター保守契約
カウンター保守契約とは、毎月支払うカウンター料金の中にメンテナンス関連の保守のほか、トナー補充のための費用が含まれている契約です。
特に印刷枚数が多くなると予想される場合は、頻繁なメンテナンスが必要になったり、トナーの補充が必要になったりすることもあるでしょう。
こういった場合は別途費用を支払う必要がないカウンター保守契約が向いています。
企業で複合機のリース契約をする場合、カウンター保守契約が一般的です。
キット保守契約
キット保守契約とは、印刷に必要な消耗品がなくなるたびに購入する必要のある保守契約の形です。
ここでいう消耗品は、インクジェットプリンターの場合はインク、レーザープリンターの場合はトナーと呼ばれる粉とトナーを圧着するためのドラムという感光体ユニットです。
つまり、これら消耗品の費用に保守費用が含まれている契約といえるでしょう。
カウンター料金と修繕費はかかりませんが、修理やメンテナンスサービスが無料で受けられるのは、提供されたセットを消耗しきるまでの間です。
上記消耗品がなくなった場合は再度購入することにより契約の更新ができます。
ただし、消耗品を使い切らない限り何年でも対応してもらえるものではないので、対応可能年数も確認しておきましょう。
1枚あたりの印刷費用をだけを比較してみると、カウンター方式の契約と比較して少し割高になります。
ですが、その分基本料金が発生しないので、どちらかというと毎月の印刷枚数がそれほど多くない企業に向いている契約形態です。
スポット保守契約
続いてスポット保守契約についてです。
スポット保守契約とは、トナーなどの消耗品代やメンテナンス、修理に関する費用をすべて実費で負担する契約方法です。
スポット保守契約と名前はついていますが、保守契約を結んでいない状態といえるでしょう。
そのため、月々の保守料金が発生することはありません。
できるだけランニングコストを抑えたいと考えている場合には向いているものの、故障した場合には実費で負担しなければならないので注意しましょう。
特に最新の複合機は修理費用が高くついてしまうことが多いです。
一方で、古い複合機であれば安く済むのかというと、そうでもありません。
修理に必要な部品が手に入らないなどの理由から高額になることがあります。
カウンター料金契約前の注意点
契約前に確認しておきたい注意点があります。以下の3つに注目してみましょう。
注意点①カウンター料金「なし」の会社に注意する
すべての代理店でカウンター料金を設定しているわけではなく、中には無料のところもあります。
ただし、そういった場合は保守契約を結んでいない状態になることをよく理解しておかなければなりません。
紹介したように、カウンター保守契約の他にもキット保守契約やスポット保守契約といったものがあります。
このうち、事実上保守契約を結んでいない状態であるスポット保守契約を選択する場合、消耗品の交換やメンテナンス・修理といったものはすべて実費で負担しなければなりません。
簡単な修理で済む不具合であれば、数千円~数万円程度で直すこともできるでしょう。
一方で、部品を調達するのが難しいような大きな故障が発生してしまった場合、数十万円の費用がかかってしまう可能性もゼロではありません。
思わぬ費用がかかってしまうこともあるので、注意が必要です。
万が一の故障にしっかり備えたいと考えているのであれば、できればカウンター保守契約またはキット保守契約を結んで起きましょう。
注意点②保守内容をしっかり確認する
保守契約を結んでいたとしても、具体的な内容まで確認できていない方もいるようです。
例えば、アフターフォローが充実していなかった、メンテナンス代は別途必要だったといったケースもあります。
保守内容がよくわからない場合は、必ず説明を求め、十分に理解した上で契約しましょう。
注意点③契約後は単価の変更ができない
100%とはいえませんが、料金は交渉次第で安くすることも可能です。
ですが、契約後に単価を変更することは基本的にできません。
月々の印刷枚数が多いなど、代理店にとってメリットがある場合は単価の交渉ができることもあるので、契約を結ぶ前に行っておきましょう。
料金を比較する際はカウンター料金も含めることが重要
いかがだったでしょうか。
複合機をリース契約する際に確認しておきたいカウンター料金について紹介しました。
基本的な仕組みや注意点をご理解いただけたかと思います。
契約する複合機を比較する際はリース料金だけではなく、カウンター料金も含めて検討してみてください。
事務機器ねっとでは、お客様の課題やニーズに合った複合機やプリンターを提案しています。
機能の組み合わせや予算に応じたリース料金のシミュレーションなど、お客様ごとの要望に応じた提案が可能なため、お気軽にお問い合わせください。
事務機器ねっとでは、有資格のメンテナンスマンが多数在籍しており、複合機の定期点検やトラブル対応を行っています。これまで長年積み重ねてきた実績で導入をサポートしているので、ぜひご相談ください。
この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。