デジタルプリントマーク(略称:DPマーク)は、一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)が提唱する環境配慮を伝えるための印刷物の目印です。登録されている商用デジタル印刷機で印刷された印刷物に付けることができ、印刷物を受け取った人に「この印刷物は環境に配慮して作られている」と分かりやすく伝えるために作られました。
ここで誤解しやすいのは、DPマークが「何となく環境に良さそうなロゴ」ではないという点です。
対象となるのは、主に印刷会社や企業内印刷で使われる大型の商用デジタル印刷機であり、ここでいう「商用デジタル印刷機」とは、版を作らず、デジタルデータから直接印刷する大型の印刷機を指します。
従来のオフセット印刷は大量印刷に強い方式です。一方、DPマークの文脈で重要なのは「必要な時に、必要な分だけ」作れる点です。商用デジタル印刷機は刷版を使わず、色調整や印刷位置調整の機能によって準備段階の紙や資材を抑えやすいとされています。例えば、あなたの会社が小ロット、多品種、短納期の案件を増やしたいなら、価格だけで機種を選ぶと損をします。DPマークを使える機器かどうかを見落とすと、環境配慮を見える形で伝える機会を失うからです。
つまりDPマークは、単なるロゴではありません。あなたの会社が「環境配慮」「小ロット対応」「過剰在庫の抑制」を、印刷物そのもので伝えるための営業ツールでであり、ブランディングにもつながるのです。

デジタルプリントマーク(DPマーク)
DPマークで最初に見るべき条件は2つです。
1つ目は、印刷物が事前登録された適合製品で出力されていること。2つ目は、1紙面あたりの印刷部数が5,000部以下であることです。JBMIAは、5,000部以下の少部数印刷では、印刷版や準備紙、余剰在庫を減らせるため、環境負荷低減に貢献すると説明しています。
2026年5月時点では、富士フイルムビジネスイノベーション、キヤノン、コニカミノルタ、リコー系が適合製品とされています。方式別ではトナー機とインクジェット、種別では枚葉、連帳、モノクロ枚葉、モノクロ連帳が確認できます。(最新のデジタルプリントマーク適合製品はJBMIA公式サイトをご参照ください)
導入前に確認する5つの条件
この5つを見ずに導入すると、あなたの会社は「使えると思っていたマークが使えない」という損失を抱えます。機械は入った。印刷もできる。しかし、顧客に提示できる環境価値が欠ける。その状態では、環境配慮を調達条件に入れる顧客には絶対に届きません。
- 【適合製品かどうか】
DPマークを印刷物に表示するには、認定基準を満たして事前登録された商用デジタル印刷機で出力され、かつ1紙面あたりの印刷部数が5,000部以下であることが必要とされています。 - 【印刷方式】
トナー方式、インクジェット方式であること。 - 【種別】
枚葉、連帳、モノクロ枚葉、モノクロ連帳があり、あなたの会社が扱う仕事の種類によって選ぶべき機種は変わります。枚葉はチラシ、パンフレット、名刺、DMなどの多品種案件に向きます。連帳は請求書、通知書、帳票、可変データ印刷のように、長い用紙を連続処理する案件で力を発揮します。 - 【申請手続き】
JBMIAの利用申請フローでは、まず出力に使う商用デジタル印刷機が適合製品であることを確認し、各メーカーへ使用機器確認を依頼します。その後、メーカー確認を経て、JBMIAへの利用申請、マークデータのダウンロード、DPマークIDの付記へ進みます。 - 【使ってはいけないケース】
DPマークは、オフセット印刷物との混合製品や追い刷りには使えません。表面と裏面で印刷方式が異なる場合や、オフセット印刷に一部だけ商用デジタル印刷機を使う場合も使用できないと示されています。
DPマーク対応機と非対応機で何が変わるのか
比較軸は、単なる印刷速度や画質だけではありません。見るべき順番は、まず「案件化できる市場」、次に「顧客へ説明できる価値」、最後に「機器スペック」です。
DPマーク対応機を選ぶと、少部数印刷における環境配慮を説明しやすくなります。JBMIAは、商用デジタル印刷機について、刷版や現像液、湿し水などの印刷資材を使わず、デジタルデータから直接印刷することで、廃液の抑制や資材削減に貢献することを認定基準の1つに挙げています。また、キャリブレーション機能、つまり色調整機能や、印刷位置調整機能によって、準備段階で使う紙や資材の削減に寄与する項目も示しています。
一方、非対応機では、たとえ高画質でも「DPマークを付けられる印刷物」として提案できません。ここで損をする原因は、機械性能そのものではなく、顧客が評価する言葉に変換できないことです。
背景には、企業の購買行動の変化があります。印刷物の発注担当者は、価格や納期だけでなく、社内説明に使える根拠を求めます。なぜなら、上司や購買部門に対して「なぜこの印刷方法を選んだのか」を説明しなければならないからです。購買担当者は説明しにくい選択肢を避けます。失敗したくないからです。DPマーク対応機で出力できる体制があれば、営業担当は「この印刷物は登録された商用デジタル印刷機で、必要な分だけ作る考え方に沿っています」と説明できます。顧客はその言葉で社内に説明できます。この差が、商談の最後で効きます。
オフセット印刷、GPマーク、DPマークの違い
オフセット印刷は、大量印刷に強い方式です。版を作り、印刷機を立ち上げる初期負荷はありますが、大量に刷るほど1枚当たりの負荷やコストを下げやすくなります。
一方、商用デジタル印刷は、刷版を使わず、データから直接印刷します。JBMIAは、色合いを調整する機能や印刷位置を自動調整する機能により、準備段階で使用する紙を減らせること、また「必要なとき」に「必要な分だけ」印刷できることを説明しています。特に1紙面当たり5,000部以下の少部数印刷で、環境負荷低減に貢献するとされています。
ただし、ここで誤解してはいけません。デジタル印刷が常にオフセット印刷より有利という意味ではありません。JBMIAも、大量印刷ではオフセット印刷の初期負荷が薄まり、1枚当たりのCO₂排出量がデジタル印刷機を下回る場合があると補足しています。判断基準は、印刷方式の名前ではなく、部数、改訂頻度、在庫期間、廃棄リスクです。

グリーンプリンティングマーク(GPマーク)
また、グリーンプリンティングマーク(GPマーク)との違いも押さえてください。グリーンプリンティングマークは認定工場の認証を受けた印刷会社が申請して使用するマークである一方、デジタルプリントマークは、環境負荷の小さい商用デジタル印刷機を利用している人が広く使用できると説明されています。
言い換えると、GPマークは「工場」に着目し、DPマークは「登録された商用デジタル印刷機で出力された印刷物」に着目する制度です。購買担当者はこの違いを理解して発注仕様に入れる必要があります。
向いている印刷物と、失敗しやすい発注
デジタルプリントマークと相性が良いのは、少部数で、改訂があり、在庫を持ちたくない印刷物です。
たとえば、展示会用カタログを800部だけ作る場合。採用説明会の資料を開催地ごとに変える場合。会員向けDMの文面を属性別に出し分ける場合。株主向け資料、学校案内、社内報、報告書、キャンペーンチラシなども候補になります。
なぜ、これらに向くのでしょうか。
原因は、少部数かつ改訂頻度が高い印刷物ほど、過剰在庫と廃棄が発生しやすいからです。
背景には、従来の印刷発注が「不足すると困るから、多めに刷る」という発想に寄りやすかったことがあります。営業現場は欠品を嫌います。購買担当者も、再発注の手間を避けたいと考えます。
人間の行動パターンとして、目の前の不足リスクは強く感じるのに、半年後に廃棄するリスクは軽く見積もりがちです。これが、印刷物の過剰発注を生みます。
デジタルプリントマークは、この習慣を変える合図になります。「多めに刷る安心」から、「必要な分だけ刷り、環境配慮を伝える安心」へ切り替えるための実務的な目印です。
よくある質問
価格だけで選んだ機械は、目の前の出力は満たしても、次の大型案件を連れてこないかもしれません。
DPマークに対応できる体制は、あなたの会社から奪われかけている「選ばれる理由」を取り戻す入口です。
プロダクションプリンターの導入で迷っているなら、まず事務機器ねっとへご相談ください。機種名の確認から、用途別の向き不向き、DPマーク活用を見据えた選定まで、営業で使える言葉に変えてご提案します。




















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