複合機の重量は何㎏?重さごとに異なる機能も紹介!
オフィスの中で重量のある事務機器と聞くと、複合機を連想する方が多いかもしれません。
少し動かすだけでもひと苦労する複合機は、実際には何kgで、なぜこれほど重いのでしょうか。
そこで本記事では、複合機の重量はどのくらいなのかという疑問にお答えしたうえで、その重さの理由を解説します。
オフィスに適した複合機の選び方もご紹介しますので、導入や買い替えを検討されている方は、ぜひ参考になさってください。
複合機の重量はどのくらい?
一般的にオフィスに設置されている複合機の重量は、50~100kg程度です。
これにくわえて、手差しトレイやADF(自動原稿送り装置)といった機能を追加すれば、それだけ複合機は重くなります。
多くの機能を搭載した高性能な複合機の重さは、150kg程度になることもあります。
大人一人分以上の重量になりますので、一度設置した複合機を動かすのが困難であることは容易に想像できるでしょう。
無理に動かそうとすると事故や故障の原因になるため、複合機をオフィスに導入する前に、動かす必要がない位置を見極めることが求められます。
複合機が重い理由
業務用の複合機に重量がある理由としては、多様な機能が一台に集約されていることが挙げられます。
コピーや印刷といった基本的な機能だけではなく、複合機の種類によってはFAXやスキャナなどの機能も搭載されています。
便利な機能を搭載するほど、それらの機能の数に比例して機器や部品が多くなり、重くなってしまうわけです。
複合機の重さ別の機能の違い
複合機は、組み込まれている機能によって重量が変動します。
ここでは、重量を3段階に分けてそれぞれの機能の違いをご紹介します。
重量50kg未満の複合機
家電量販店で見かけることも多い50kg未満の複合機は、卓上に置いてコピーやプリントアウト、スキャンなどの機能を使用できます。
一人でも比較的簡単に持ち運べるため、個人で経営している会社や、小規模の会社で使用する場合に適しています。
オフィスで用いられるレーザープリンター複合機のほとんどが、A4サイズのみと印刷できるサイズが限られているものの、1分あたり20枚以上印刷することが可能です。
また、業務上印刷する機会が少ないのであれば、家庭用のインクジェット複合機も選択肢に入ります。
大量に印刷する場合や印刷物の質を重視する場合は、大容量インク型の複合機を選択しましょう。
これらの機種なら、用紙トレイも2~3段程度に増え、FAXや両面スキャン、無線LANといった機能も搭載されていて利便性が高まります。
このように、50kg未満の複合機は、小さくても高性能な製品が販売されています。
なお、コンパクトであるゆえに、業務用の大型の複合機に比べると希望する機能を追加できない場合が少なくありません。
重量50~100kgの複合機
50kg以上の重量がある複合機には、FAXやスキャナ、手差しトレイ、ADFなども追加でき、オフィスで使用する機能は概ね搭載されています。
印刷できる枚数が増えることにくわえて、印刷速度も速くなることから、20人前後の会社に適した機種です。
50kg未満の複合機の印刷サイズはA4のみですが、50kg以上の機種になるとA3やB5サイズの用紙にも対応しており、印刷できる資料の幅が広がります。
また、印刷物へのホチキス留めや穴あけが可能となる“フィニッシャー”や、給紙トレイの増設といった機能をオプションで追加することもできます。
重量100kg以上の複合機
重量100kgを超えるほどの複合機になると、本体に内蔵するものに留まらず、キーボードや給紙トレイを取りつけるといった外づけオプションも選択できます。
たとえば、“1パス両面ADF”を取りつければ、1分あたり170枚の書類の表面と裏面を同時にスキャンできるようになる機種もあります。
高画質で印刷できるのも、100kg以上の複合機の特徴です。
通常の業務用複合機は画質よりも印刷速度を優先し、解像度は人間の目で判別できる上限を超える数値に設定されています。
一方100kgを超える複合機なら、通常の複合機の倍以上の解像度でより高品質に印刷できる機種も存在するのです。
なお、100kg以上の複合機では、複合機に求められる機能とは関係がない機能まで追加されているケースも少なくありません。
例として、脱臭効果や空気清浄効果のある機能が装着できる複合機が挙げられます。
消臭剤や空気清浄機を複合機一台に集約できるなら効率的かもしれませんが、費用や重量も含めて、必要性を考えましょう。
業務内容から必要な機能の優先順位を考えて取捨選択しなければ、結局使わない機能が多く、場所をとるうえに、費用ばかりがかかる事態になりかねません。
複合機の用紙サイズ一覧
印刷できる用紙サイズは、複合機の種類によって異なります。
一般的な業務用の複合機で印刷できる用紙サイズは、A判とB判の2種類です。
各サイズの用途をご紹介しますので、業務内容に適した複合機を選ぶ際にお役立てください。
A判の用紙サイズ
A判サイズ(A0~A10)は、国際標準化機構(ISO)が採⽤している国際規格です。
通常、業務用の複合機では、A2からA6まで印刷できる範囲が設けられています。
サイズごとの用途をまとめましたので、ご参照ください。
【業務用の複合機で印刷できるA判サイズとその用途】
A判サイズ | 寸法(㎜) | 大きさの目安 | 用途 |
A2 | 420×594 | 新聞紙の片面 | ポスター・カレンダー |
A3 | 297×420 | A4の2倍の面積 | 社内報・パンフレット |
A4 | 210×287 | コピー用紙の標準規格 | 企画書・送付状 |
A5 | 148×210 | 漫画の単行本 | 小さめの本・雑誌 |
A6 | 105×148 | 文庫本 | メモ帳・卓上カレンダー |
業務上で作成する資料の種類に合わせて、どのサイズを印刷できる複合機が必要なのかを見定めましょう。
B判の用紙サイズ
国際標準化機構によって規格が定められているA判に対して、⽇本独⾃に設定されているのが、B判(B0~B10)です。
オフィスで使用される複合機では、主にB4とB5を印刷できます。
大きさの目安や用途をご紹介します。
【業務用の複合機で印刷できるB判サイズとその用途】
B判サイズ | 寸法(㎜) | 大きさの目安 | 用途 |
B4 | 257×364 | 新聞紙の見開き | 折り込みチラシ |
B5 | 182×257 | 角形4号・長形4号 | 教科書・週刊誌 |
一般企業ではあまり使われることがないサイズですが、B判を印刷する業務が多いのであれば、対応している複合機をお選びください。
オフィスに導入する複合機の選び方
複合機の重量ごとの機能や、用紙サイズによる用途をご確認いただいたところで、オフィスに導入する際のポイントをお伝えします。
ポイント①設置する場所に適したサイズか
まず、複合機を選ぶポイントとして重要なのは、設置場所に収まるサイズであるかを考えることです。
用途に合わせて機能を重視するのはもっともですが、機能を追加すればするほど、重量は重く、サイズは大きくなります。
複合機が大型になれば、設置を予定していた場所に収まりきらなかったり、給紙トレイがデスクにぶつかって引き出せなかったりすることも考えられます。
高性能な複合機ほど場所を取るので、必要な機能を見極めたうえで、あらかじめ設置場所のサイズを計測し、スペースに余裕があるかどうかを確認しましょう。
ポイント②使用人数に適した機種か
複合機を選択する際には、一台の複合機を何人で使用するかということも、念頭に入れておきたいところです。
複合機を大人数で使用すれば、それだけ故障する可能性が高まります。
使用する人数が10人以下であれば50kg未満、50人未満であれば100kg未満、50人以上であれば100kg以上の複合機を選ぶことを、一つの目安になさってください。
複合機の設置場所を選ぶ際のポイント
一度設置したら簡単に動かすことができない複合機の設置場所は、多角的に検討する必要があります。
複合機の設置場所を選ぶうえでのポイントをご紹介します。
ポイント①水平な場所かどうか
複合機を設置する際には、水平な場所を選んでください。
傾いた場所に複合機を置いてしまうと、紙詰まりや印字汚れといった不具合の原因となります。
また、複合機が水平に設置されていないことで、内蔵されている部品の一部に負荷がかかると、故障を招いてしまいます。
サイズが大きい複合機であればなおのこと負荷がかかりますので、設置を予定している複合機が安定して水平に置けるスペースを選ぶことが大切です。
ポイント②配線できる場所かどうか
複合機を稼働させるために必要な配線が問題なく行えることも、設置場所の選定時に求められるポイントです。
複合機には、電源コードやLANケーブル、電話回線など、機能が増えればそれだけ複数のケーブルを接続します。
そのため、コンセントから離れた場所に複合機を設置する場合は、配線のレイアウトを検討する必要があります。
おすすめは、コンセントが取りつけられている壁際に複合機を置くことです。
サイズが大きい複合機であれば、乱雑な配線を隠すことも可能です。
複合機本体だけではなく、用紙を補充したり、複合機が不具合を起こした際にメンテナンスしたりするスペースも考慮したうえで、配線の妨げにならない場所を選びましょう。
ポイント③使用頻度が高い場所かどうか
複合機をよく使用する方にとって使い勝手が良いかどうかも、設置場所を選ぶうえでは重要です。
特に、オフィスの中でも複合機を頻繁に使用する方の動線を考慮するとよいでしょう。
座席から複合機まで距離があったり、障害物があって通りにくかったりすると、地味に時間を取られてしまいます。
反対に、複合機を使用しない方の近くに設置して、複合機を使用する際に頻繁に人が立ち寄れば、気が散ってしまうことも考えられます。
とはいっても、複合機が使用者に近ければよいというわけではありません。
複合機を使用する頻度が高いオフィスであれば、取引先とオンラインで会議する場合に、複合機を使用する方が移り込んでしまうことも想定されます。
すべての状況に配慮することは難しいですが、業務の効率化を図るためにも、使用頻度に合わせた複合機の設置場所を考える必要があります。
一般的な業務用複合機の重量は50~100kg程度あり、搭載される機能によって重さは異なる
今回は、複合機の重量や重さの理由をお伝えしました。
多様な機能が一台に集約されている業務用複合機の重量は、50~100kg程度です。
搭載されている機能が増えれば増えるほど、複合機の重量は重くなります。
複合機は、一度設置すると一人で動かすことは容易ではないため、設置場所や使用人数を考慮して選択しましょう。
また、複合機の設置場所は、コンセントの位置や使用する頻度を考えて移動しなくても済むように選定する必要があります。
事務機器ねっとでは、創業30年以上の実績をもとに、多種多様な複合機やコピー機のなかからオフィス環境に適した機種をご提案いたします。
複合機やコピー機の導入・買い替えをお考えの方は、ぜひご相談ください。
この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。