【担当者必見!】複合機の印刷速度とは?重要性やリース料金との関係を解説

複合機を選ぶとき、印刷速度は業務効率に直結する重要なポイントです。しかし、速さだけで選ぶと思わぬトラブルにつながりかねません。
本記事では、印刷速度の基本的な3つの指標や印刷速度とコストのバランスを最適化する方法について複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに詳しく解説します。ぜひ、自社に最適な複合機選定の参考にしてください。
複合機(コピー機)の印刷速度における3つの指標

複合機の印刷速度を理解するには、単純な枚数だけでなく、業務の実際のスピードに関わる指標を把握することが大切です。
ここでは、印刷速度における3つの指標「ppm・ipm」、「ファーストコピータイム・ファーストプリントタイム」、「ウォームアップタイム」について詳しく解説します。
ppm(pages per minute)・ipm(images per minute)
ppmやipmは、どちらも1分間に印刷できる枚数や画像数を示す指標を意味しています。両者の違いは計測方法です。ppmは、複合機の開発メーカーが独自の計測方法で算出しています。
一方、ipmはISO(国際標準化機構)が定めた単位です。そのため、スキャナーの読み取りスピードを表す際にもipmが使われています。ppmとipmで数値が違うケースもあることを覚えておきましょう。
ファーストコピータイム・ファーストプリントタイム
ファーストコピータイムやファーストプリントタイムとは、最初の1枚が出るまでの時間を示す指標のことです。印刷を開始してから最初の紙が出るまでの速さを知ることで、業務の待ち時間を短縮できる機種かどうかを判断できます。
少量印刷やコピーを頻繁に行う場合、この数値が小さい機種を選ぶとスムーズな作業ができるでしょう。もし、印刷頻度が多くスリープ状態ではないのに、1枚目が印刷されるまで時間がかかってしまう場合、ファーストコピータイムが遅いことが原因かもしれません。
ウォームアップタイム
ウォームアップタイムとは、電源ONやスリープ解除から印刷が開始できるまでの時間のことです。起動直後の印刷待ち時間を短縮できる機種は、急ぎの作業が多いオフィスに適しています。
また、低消費電力モードからの復帰速度も業務効率に影響するため、機種選定の際にはウォームアップタイムも確認しておきましょう。
複合機(コピー機)の印刷速度を選ぶときの判断基準
複合機の印刷速度は、業務内容や月間印刷枚数にあわせて選ぶことが大切です。速さだけで判断するとリース料金が高くなったり、業務効率が低下する恐れがあります。
ここでは、複合機を印刷速度で選ぶときの判断基準について解説します。
月間印刷枚数と推奨速度の目安表
複合機の速度選定では、月間印刷枚数に応じた目安を参考にするのがおすすめです。月間印刷枚数に対する推奨速度の目安は下記表を参照してください。
| 月間印刷枚数 | 推奨速度 |
| 500〜2,000枚 | 20〜25枚/分 |
| 2,000~4,000枚 | 25〜40枚/分 |
| 4,000〜7,000枚 | 40〜55枚/分 |
| 7,000〜10,000枚 | 550~75枚/分以上 |
| 10,000枚以上 | 75~枚/分クラス |
月間印刷枚数を算出した上で、それに見合った速度の複合機を選びましょう。こうすれば、リース料金を抑えながら業務効率を確保できるはずです。
業務シーン別の優先ポイント
印刷速度の選定では、業務内容に応じた優先ポイントを押さえることが大切です。少量印刷を頻繁に行う受付や営業所では、ファーストコピータイムを重視すると待ち時間を短縮できます。
反対に大量出力業務を行う経理やバックオフィスなどでは、連続印刷速度を重視すると効率的です。枚数よりもデザインや高精細出力を求める場合、解像度設定時に速度が低下することも考慮しながら、業務負荷に合った機種を選ぶことをおすすめします。
印刷速度とリース料金の関係性
一般的に、複合機の印刷速度が速いほど高性能で高額の機種となるため、リース料金は高くなる傾向にあります。そのため、自社が必要としている以上の速度をもつ機種を導入すると、オーバースペックとなりコストが無駄になることがあるため注意が必要です。月間印刷枚数や業務の内容に合った速度を選び、料金と効率のバランスを最適化させましょう。
特に、高速機種は大量印刷で効率が上がるのがメリットです。反対に、少量印刷中心のオフィスは中速機で十分な可能性もあります。つまり、自社が求める印刷速度がリース料金のコストパフォーマンスに大きく影響しているといって良いでしょう。
印刷速度が遅いと感じたときのチェックポイント

印刷が思ったより遅い場合、単に機械性能の問題だけとは限りません。経年劣化だけではなく、複数の視点から原因を確認してみましょう。
ここでは、速度低下の主な要因とチェックポイントについて解説します。
設定による速度低下
印刷速度が遅いと感じる場合、複合機やコピー機の設定が原因かもしれません。例えば、両面印刷や高解像度設定を行うと、出力に時間がかかるため、短時間での印刷が必要な業務では遅さを感じやすくなります。
また、PC側のプリンタードライバで細かく設定を行っていたり、複雑な印刷指示が合ったりする場合も、データ処理に時間がかかり速度低下につながる要因の1つです。そのため、印刷速度を改善したい場合は、設定内容を確認し、業務に応じて高解像度や両面印刷の必要性を見直しましょう。
ネットワークやPC側の要因
印刷速度は複合機の性能だけに影響されている訳ではありません。実は、ネットワーク環境やPCの状況にも大きく影響されているのをご存知でしょうか。
大容量データを送信する場合や複雑な画像・グラフィックを印刷する場合、通信がネックとなり、印刷開始までの時間が長くなることがあるのです。さらに、古いプリンタードライバや未更新のソフトウェアを使用していると、データ処理が遅くなり速度低下の原因となります。
また、Wi-Fi接続が不安定な場合は通信が途切れやすく、印刷が途中で止まる、あるいは遅延することも考えられます。このときは、より安定した有線接続に切り替えたり最新のドライバに更新したりすることで、遅延を軽減し、印刷速度を改善できるかもしれません。
機械的要因
複合機やコピー機の印刷速度は、機械的な要因にも左右されます。定期的なメンテナンスを行っておらず、部品が摩耗・劣化していると、印刷中に紙詰まりや遅延が発生しやすくなるため、注意が必要です。
さらに、トナーやドラムの不具合が起きていると、印刷品質の低下だけでなく、処理速度の低下につながります。そのため、日常的な清掃や定期点検を行い、必要に応じて部品を交換してください。そうすれば、印刷速度の安定につながるでしょう。
印刷速度とコストのバランスを最適化する方法
複合機を選ぶ際は、印刷速度だけでなくコストとのバランスも重要です。機種を速さだけで選ぶと、リース料金や消耗品費用が高くなることがあるため気をつけなくてはなりません。
では、理想の印刷速度でありながらコストを抑えるにはどうしたら良いのでしょうか。ここでは、オーバースペックを避ける方法やリース契約時の確認ポイントについて解説します。
オーバースペックを避けるコツ
複合機の速度を選ぶときに注意したいのは、必要以上に速い機種を導入しないことです。オーバースペックの機種はリース料金が高く、消耗品費用やメンテナンス費用も増える傾向にあります。そのため、月間印刷枚数や社員数を基準にして必要な速度を決定すると、コストを抑えながら業務効率を確保できるのです。
少人数で少量印刷が中心のオフィスであれば、中速機でも十分対応可能です。反対に、大量印刷がある部署では高速機を選ぶことで印刷時間を短縮できます。
リース契約時の保守契約で確認すべきポイント
リース契約を結ぶときは、月間印刷枚数の上限や保守契約の内容、トナー単価などを事前に確認しておきましょう。上限を超えると追加料金が発生する可能性があるためです。保守契約の範囲によっては故障時に高額な費用がかかることがあるため、欠かさずチェックしておきましょう。
また、トナー単価が高い機種はランニングコストに大きく影響するため、印刷枚数とのバランスを考慮して機種を選ぶことも大切です。つまり、契約内容を正しく把握しておくことで、コストと印刷速度の最適なバランスを実現し、業務効率の向上につなげられるのです。
高速機種をお探しなら”事務機器ねっと”におまかせ!
自社にあった印刷速度や機能を備えた複合機を探す場合は、株式会社庚伸が運営する「事務機器ねっと」にご相談ください。導入前のヒアリングから最適な機種の提案、リース契約や保守内容の説明まで、専門知識に基づいてサポートしております。
大量印刷や高精細出力など、業務内容に応じた最適な機種選定をサポートしているため、多くの企業様に支持していただいております。効率的なオフィス運用にお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
複合機(コピー機)の印刷速度に関するよくある質問
ここまで複合機の印刷速度について解説してきましたが、多くの疑問を持つ方がいるのも事実です。ここでは、業務効率を意識した速度選定に寄せられやすい質問とその回答を紹介します。
複合機(コピー機)の印刷速度(ppm)とは?
ppmとは1分間に印刷できるA4片面※の枚数のことです。例えば、20ppmの機種と30ppmの機種では、同じ作業量でも所要時間に差が出るため、オフィスの印刷量や利用頻度に応じて選びましょう。 ※業界が定めたA4用紙に対する一定量の文字数・印字範囲を印刷した場合を元に算出しています。
20枚/分と30枚/分の違いはどのくらい?
印刷速度の差は、少量印刷ではあまり目立たない傾向にありますが、大量印刷時の場合、業務効率に大きく影響します。例えば、100枚の印刷を行う場合、20枚/分の機種と30枚/分の機種では約2〜3分の差が生じます。この差は枚数が増えるほど大きくなるため、決して軽視してはいけません。
印刷が遅いときはどうすればいい?
印刷が遅いと感じた場合は、設定やネットワーク、機械の状態を確認すると改善できるかもしれません。例えば、両面印刷や高解像度設定は速度低下の原因となるため、業務に応じて解除すると解決できる可能性があります。
また、PCのドライバが古かったり、Wi-Fi接続が不安定だったりする場合も速度低下につながるため、使用環境も必ず確認しておきましょう。
印刷速度の見直しポイントをもう一度確認したい方は、こちらの「印刷速度が遅いと感じたときのチェックポイント」をご覧ください。
まとめ
複合機の印刷速度はppmや設定、ネットワーク環境、機械の状態によって変わるため、業務内容にあわせた機種選定が大切です。特に、大量印刷を行う企業は、速度差が業務効率に直結することも多いため注意が必要です。
本記事は複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに提供しています。導入や選定に関する相談は、お気軽にお問い合わせください。
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この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。















事務機器ねっとは「コピー機・プリンターリース価格満足度 第1位」と「コピー機・プリンター販売サイト導入後のサポート満足度 第1位」の二冠を獲得しました。
第37号‐24020002
(適用範囲:HCグループ)