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複合機の動作音はどれくらいか【設置場所と静音性の考え方】

「執務室に複合機を置いたら、思ったより音が気になる」
「会議室の隣に置いてしまい、打ち合わせ中に動くと声が通らない」
「カタログに数値は載っているが、それが静かなのかどうか分からない」

複合機を選ぶとき、印刷速度や単価は比較しても、音を確認する方はあまり多くありません。ところが導入後に不満として挙がりやすいのが、この音です。

結論から言うと、複合機の音は①動作の種類によって出方が違う、②カタログの数値だけでは実際の聞こえ方が分からない、③置き場所と向きで体感がかなり変わる、の3点を押さえると判断できます。

本記事では、複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに、カタログの数値の読み方と、設置で調整できる範囲を整理します。

複合機の音はどこから出るか

ひとくちに動作音といっても、出るタイミングと種類が分かれます。気になっている音がどれなのかで、対処が変わります。

印刷中の音

紙を送るローラーの音と、定着部を動かす音が中心です。連続して印刷している間ずっと続きます。

印刷速度が速い機種ほど紙の送りが速くなるため、同じクラスであれば高速機のほうが音は大きくなる傾向があります。

待機からの復帰音

省エネモードから立ち上がるときに出る音です。一瞬ですが、静かな室内では印刷中の音より耳につくことがあります。

省エネの設定を深くするほど復帰の頻度が上がり、この音が出る回数も増えます。設定の考え方は複合機の消費電力と電気代で整理しています。

ADFで原稿を送る音

自動原稿送り装置で原稿を読み取るときの音です。紙を1枚ずつ引き込むため、印刷中とは違う音になります。

スキャンを多用する部署では、こちらのほうが日常的に聞こえる音になります。ADFの仕組みはプリンターのADF機能とはをご覧ください。

フィニッシャーの音

ステープルや仕分けを行うユニットが付いている場合、印刷が終わったあとに動作音が出ます。金属音に近いため、印刷中の音とは質が違って聞こえます。

会議資料を製本する使い方が多い会社では、この音の発生頻度も確認しておいてください。

4つの音のまとめ

音の種類 出るタイミング 気になりやすい場面 できる対処
印刷中 出力している間ずっと 連続印刷が多い部署 必要以上に速い機種を選ばない
復帰音 省エネから立ち上がるとき 静かな執務室 省エネ設定を浅くする
ADF 原稿を読み取るとき スキャンが多い部署 置き場所を執務席から離す
フィニッシャー 製本・仕分けのとき 会議資料を頻繁に作る会社 本当に必要か見直す

気になっている音がどれかで、選ぶべき機種も対処も変わります。導入後に相談をいただく場合も、まずここを分けるところから始めています。

カタログの数値の読み方

dB(デシベル)で書かれている

仕様表には「稼働音」「騒音」といった項目で、dBまたはdB(A)の数値が記載されています。

一般的な目安として、次のように言われます。

音の大きさ 例
40dB前後 静かな住宅街の昼間
50dB前後 静かなオフィスの環境音
60dB前後 人の話し声、普通の会話
70dB前後 掃除機、騒がしい事務所

この表を横に置いて仕様表を見ると、数値の位置づけがつかみやすくなります。

なお、dBは対数で表されるため、数値が10違うと体感ではおよそ2倍の大きさになります。5dBの差は「少し違う」ではなく、はっきり分かる差だと考えてください。

稼働時と待機時は分けて書かれている

仕様表には、印刷しているときの数値と、待機しているときの数値が別に載っています。

見落とされやすいのが待機時です。執務室に置く場合、1日のうち待機している時間のほうが長いため、こちらの数値が体感に効いてきます。

数値は決まった条件で測られている

カタログの数値は、規格に沿った条件で測定されたものです。実際の部屋とは、広さも壁の材質も違います。

同じ数値の2機種が、同じように聞こえるとは限りません。 数値は機種を絞り込む材料として使い、最後は実機で確認するのが確実です。

数値が同じでも聞こえ方が違う理由

音の感じ方は、大きさだけで決まりません。

音の高さ
高い音のほうが耳につきやすく、同じdBでも低い音より大きく感じます。定着部のファンの音は高めに出ることがあります。

周囲の音の大きさ
静かな部屋ほど、複合機の音が目立ちます。人の出入りが多いフロアでは同じ機械でも気になりません。設置場所を決めるときは、その部屋がどのくらい静かなのかも見てください。

音が続く時間
一瞬の音より、続く音のほうが気になります。復帰音は瞬間的なので、印刷時間の長い機種のほうが総じて負担は大きくなります。

置き場所でできること

機種を変えなくても、設置で改善できる範囲があります。

壁から離す

壁に近いと音が反射して返ってきます。背面と側面に少し余裕を持たせるだけで、体感が変わります。

もっとも、複合機は保守作業のために前後左右に空間が必要です。設置スペースの考え方は複合機の設置前チェックリストをご覧ください。

向きを変える

排紙側と操作パネル側から音が出やすくなります。この面を、人の席ではなく壁や通路に向けるだけで、届き方が変わります。

床と設置面を見直す

硬い床の上に直接置くと、振動が伝わります。設置用の台を使うか、防振マットを挟むことで、低い周波数の音を抑えられます。

複合機は100kgを超える機種が多いため、マットを使う場合は耐荷重を確認してください。

音が問題になりやすい置き方

ご相談をいただく中で、繰り返し出てくる置き方があります。

執務席の背中側に、排紙側を向けて置いている

複合機は排紙側と操作パネル側から音が出やすくなります。この面が席を向いていると、印刷のたびに背後で音がする状態になります。向きを90度変えるだけで印象が変わることがあります。

壁のコーナーに押し込んでいる

省スペースのために角に寄せると、2面から音が反射します。加えて排熱もこもりやすくなるため、ファンの回る時間が長くなります。音と熱の両面で不利になります。

会議室と壁一枚で隣接している

壁を通して低い音が伝わります。この場合は機械側で対処しきれないことが多く、設置場所そのものの見直しが必要になります。移転やレイアウト変更のタイミングでご相談いただくのが現実的です。

電話をよく使う席の近くに置いている

通話中に印刷が始まると、相手側に音が入ります。営業部門やサポート窓口の近くは避けたほうが無難です。

静音性で選ぶときの見方

音を優先する場合、次の順で見てください。

・待機時の数値が低いこと(執務室に置く場合)
・印刷速度が必要以上に速くないこと(速い機種ほど音は大きくなりやすい)
・フィニッシャーが本当に必要かどうか
・省エネ設定を浅めにできるか(復帰音の回数を減らせる)

印刷速度は、速いほうが良いと考えられがちですが、音の面では逆に働きます。必要な速度は月間の印刷枚数から決まりますので、そこを先に固めてから音を見るのが順番として合っています。速度の決め方は複合機の印刷速度はどこまで重要かで整理しています。

また、音を理由に小型機を選ぶと、月間の印刷可能枚数が足りなくなることがあります。静かさと処理量はトレードオフの関係にありますので、先に処理量の下限を決めてから、その範囲で静かな機種を探す順番にしてください。

よくあるご質問

Q. 静音タイプの複合機はありますか

静音を売りにした専用機種があるわけではありませんが、同じクラスでも数値に差はあります。仕様表の稼働音と待機音を機種ごとに比べてください。小型機のほうが音は小さい傾向があります。

Q. 数値はどこに載っていますか

メーカーの仕様表に、稼働音または騒音という項目で記載されています。カタログの後半にある仕様一覧の中にあることが多く、本体の紹介ページには出ていないことがあります。

Q. 導入前に実機の音を確認できますか

ショールームがあるメーカーでは確認できます。同じ機種を導入している事業所を見学できる場合もありますので、販売店にご相談ください。

Q. 今使っている機械の音が以前より大きくなった気がします

経年でローラーや定着部の状態が変わると、音が変わることがあります。故障の前兆であることもありますので、保守をお願いしている販売店に点検を依頼してください。

Q. 会議室の隣に置くしかない場合、どうすればよいですか

向きを変えて排紙側を会議室と反対に向ける、防振マットを敷く、省エネの復帰を浅くして立ち上がりの回数を減らす、の3つで体感は変わります。それでも難しい場合は、印刷指示を溜めておいて会議後にまとめて出す運用も検討できます。

設置場所でお困りなら「事務機器ねっと」にご相談ください

事務機器ねっとは、複合機・コピー機のマルチベンダー販売店として20年目に入りました。8メーカーを取り扱っているため、同じ性能帯で音の数値が低い機種をお探しすることもできます。

設置予定の場所と、周りに誰が座るかをお聞かせいただければ、機種の候補とあわせて置き方のご提案までいたします。

お取引にあたっての体制

・ISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)認証取得
・創業35年以上、サイト運営20年、総販売台数16,000台超
・8メーカー取扱いのマルチベンダー販売店

まとめ

複合機の音で失敗しないための手順は、次のとおりです。

・気になる音がどれなのかを分ける(印刷中/復帰時/ADF/フィニッシャー)
・仕様表の稼働時と待機時の数値を、機種ごとに並べて比べる
・数値は絞り込みに使い、最後は実機で確認する
・置き場所は、壁からの距離・向き・床の3点で調整できる

執務室に置くのであれば、印刷中よりも待機時の数値を先に見てください。1日のうち、待機している時間のほうが長いためです。

この記事の監修者

株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー

大塚 義美

複合機メンテナンス許可認定

FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON

経歴

複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。

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