インボイス制度と複合機【適格請求書の発行・保存・スキャン運用】

「インボイス制度が始まってから、請求書の控えが増えて置き場所がない」
「紙で受け取った請求書をスキャンして捨ててよいのか分からない」
「複合機を入れ替えるなら、制度に合わせた使い方をしておきたい」
2023年10月に始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)で、請求書まわりの紙の扱いは変わりました。発行する側も受け取る側も、決められた記載のある請求書を保存しておく必要があります。
結論から言うと、複合機がインボイス制度で担うのは、①受け取った紙の請求書をスキャンして電子で保存する、②自社が発行する請求書の控えを残す、③過去の請求書をすぐに探し出せるようにする、の3つです。このうち①は電子帳簿保存法の要件とあわせて考える必要があります。
本記事では、複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに、インボイス制度のもとで複合機をどう使い、入れ替えの際に何を確認すればよいかを整理します。
インボイス制度で紙の扱いがどう変わったか
受け取った請求書を保存する必要がある
仕入れや経費について消費税の控除を受けるには、取引先から受け取った適格請求書を保存しておく必要があります。保存期間は原則として7年間です。
取引先の数が多い会社ほど、毎月受け取る請求書の枚数は増えます。紙のまま保管すると、ファイルと棚が年ごとに積み上がっていきます。
発行する請求書にも記載のルールがある
自社が発行する請求書には、登録番号や適用税率、税率ごとの消費税額など、決められた項目を記載する必要があります。発行した請求書の控えも保存の対象です。
電子で受け取った請求書は電子で保存する
メールやクラウドで受け取った請求書は、電子帳簿保存法により、原則として電子データのまま保存することが求められています。紙に印刷して保存するだけでは、原則として認められません。
つまり今は、紙で受け取るものと電子で受け取るものが混ざっている状態です。紙で受け取った分もスキャンして電子で揃えると、保存と検索の方法をひとつにまとめられます。
複合機でできること
紙の請求書をスキャンして電子保存する
紙で受け取った請求書は、一定の要件を満たしてスキャンすれば、電子データとして保存できます。電子帳簿保存法の「スキャナ保存」と呼ばれる方法です。
要件には、読み取りの解像度や、スキャンした時期、改ざんを防ぐ仕組み、日付・金額・取引先で検索できることなどが含まれます。複合機だけで満たすものではなく、保存先のシステムと組み合わせて満たす形になります。
要件の整理は複合機の電子帳簿保存法対応で詳しく解説しています。
読み取りの品質を揃える
請求書は、小さな文字や薄い印字が多い書類です。読み取りの解像度が低いと、金額や登録番号が読めなくなります。
複合機のスキャン設定で、解像度と色の設定を請求書用に固定しておくと、担当者によって仕上がりがばらつきません。
保存先を決めておく
スキャンした請求書を、担当者の個人フォルダに保存していると、あとから探せなくなります。
複合機には、読み取ったデータを決まった共有フォルダやクラウドに直接送る機能があります。請求書専用の送り先を登録しておけば、スキャンのたびに保存先を選ぶ必要がなくなります。
クラウドとの連携については複合機×クラウドプリント完全ガイドも参考にしてください。
入れ替えのときに確認すること
自動原稿送り装置の性能
請求書をまとめてスキャンするなら、原稿を1枚ずつ置く形では追いつきません。複数枚を自動で読み込む装置(ADF)の性能が効いてきます。
・一度に何枚まで置けるか
・両面を一度に読み取れるか
・サイズの違う紙が混ざっても読めるか
請求書は取引先によってサイズも紙の厚さも違います。混ざった状態で読み込めるかは、実際に自社の請求書で試しておくと確実です。
文字の読み取り機能
スキャンした画像から文字を読み取り、検索できる形にする機能(OCR)を持つ機種があります。取引先名で過去の請求書を探す場面が多い会社では、あると便利です。
ただし、検索の要件を満たすかどうかは保存先のシステム次第です。複合機の機能だけで判断せず、会計ソフトや保存用のサービスと組み合わせて考えてください。
情報の扱い
請求書には取引金額や取引先の情報が載っています。複合機の本体にスキャンしたデータが残る機種もあるため、データの消去や暗号化の機能があるかも確認しておきます。詳しくは複合機のセキュリティチェックリストをご覧ください。
運用でつまずきやすいところ
スキャンしたあとの紙をいつ捨てるか
スキャナ保存の要件を満たしていれば、原本の紙を廃棄できる場合があります。ただし、要件を満たしているかの確認が済むまでは、紙も残しておくのが安全です。社内の経理担当者や税理士の方と確認のうえで運用を決めてください。
担当者によってやり方が違う
スキャンの設定や保存先が人によって違うと、あとで揃え直す手間がかかります。手順を1枚にまとめて、複合機の近くに貼っておくだけでもばらつきは減ります。
月末に作業が集中する
請求書は月末から月初に集中して届きます。その時期にまとめてスキャンすると、複合機の前で待ち時間が出ます。届いた日にスキャンする運用にしておくと、作業も複合機の負荷も分散します。
よくあるご質問
Q. インボイス制度に対応した複合機を買う必要がありますか
インボイス制度そのものに対応した複合機という区分はありません。制度で求められるのは請求書の記載と保存であり、複合機はそのうちスキャンと保存の作業を担う道具です。今の複合機で要件を満たすスキャンができるかを確認し、足りない場合に入れ替えを検討する順番で構いません。
Q. スマートフォンで撮影した請求書でもよいですか
要件を満たせば、スマートフォンやスキャナで読み取ったものでも認められる場合があります。ただし枚数が多い会社では、1枚ずつ撮影するより複合機でまとめて読み込むほうが確実で速くなります。
Q. FAXで受け取った請求書はどう扱いますか
紙に印刷されたFAXは紙の請求書と同じ扱いになります。複合機によっては、受信したFAXを印刷せずに電子データのまま共有フォルダに送る設定ができます。紙を増やさない運用として検討の余地があります。
Q. 税務上の判断は誰に確認すればよいですか
保存の方法が要件を満たしているかどうかは、税理士の方や所轄の税務署にご確認ください。複合機の販売店が案内できるのは、スキャンと保存の機能がどう使えるかまでです。
請求書のスキャン運用でお困りなら「事務機器ねっと」にご相談ください
事務機器ねっとは、複合機・コピー機のマルチベンダー販売店として20年目に入りました。8メーカーを取り扱っているため、請求書の枚数や保存先に合わせて、読み取り性能の合う機種をご提案できます。
毎月受け取る請求書のおおよその枚数と、保存に使っている会計ソフトやサービスをお知らせいただければ、スキャンの設定まで含めてご相談いただけます。
お取引にあたっての体制
・ISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)認証取得
・創業35年以上、サイト運営20年、総販売台数16,000台超
・8メーカー取扱いのマルチベンダー販売店
ご相談はお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
まとめ
インボイス制度のもとで、複合機は次の3つを担います。
・紙で受け取った請求書をスキャンして電子で保存する
・発行した請求書の控えを残す
・過去の請求書をすぐに探し出せる状態にする
紙と電子が混ざったまま保存していると、探すたびに手間がかかります。スキャンの設定と保存先を先に決めておけば、制度に合わせた保存と日々の作業を同じ流れにまとめられます。
この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。










事務機器ねっとは「コピー機・プリンターリース価格満足度 第1位」と「コピー機・プリンター販売サイト導入後のサポート満足度 第1位」の二冠を獲得しました。
第37号‐24020002
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