葬儀社の複合機選び【会葬礼状・式次第・急な対応への備え】

「会葬礼状を式の前に用意するので、印刷の品質がそのまま格式に関わる」
「深夜に受注が入ることがあり、その時間帯にも書類を作る」
「厚紙の礼状や式次第を刷りたいが、今の機械では紙が詰まる」
こうした声を、葬儀社の経営者様やご担当者様から伺うことがあります。葬祭業の印刷業務は、ご遺族と参列者の目に触れる印刷物が中心で、しかも時間の制約が極めて厳しいという、他業種にない性質を持っています。
結論から言うと、葬儀社の複合機選びは、①会葬礼状や式次第にふさわしい厚紙対応と印字品質、②深夜・早朝の受注に対応できる稼働の安定性、③短時間で仕上げる速度、の3点を軸に整理するのが実務的です。
本記事では、複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに、葬祭業ならではの印刷要件・時間制約への備え・設置の考え方までを整理します。
事務機器ねっとからのお願い
葬祭業の印刷が持つ3つの特徴
印刷物が儀式の一部になる
会葬礼状、式次第、席次表、御芳名帳、故人様のプロフィール。これらはご遺族と参列者が手に取り、持ち帰るものです。
紙が薄い、文字がかすれる、色がくすむ。こうした点が、そのまま式の印象に関わります。一般的な事務用途とは求められる水準がまったく違います。
時間の余裕がない
受注から式までの時間が短く、その間にすべての印刷物を仕上げる必要があります。
外注する余裕はほとんどありません。自社で刷れることが、そのまま対応力になる業種です。
深夜・早朝の受注がある
受注のタイミングを選べません。深夜に連絡が入り、そのまま準備に入ることがあります。
24時間いつでも使える状態であることが、機器選定の前提条件になります。
葬儀社の複合機で押さえる5つの要件
1. 厚紙対応と印字品質
会葬礼状は、コピー用紙では成立しません。坪量200〜300g/㎡の厚紙に対応しているかを確認してください。
- 一般的なコピー用紙:64〜70g/㎡
- 会葬礼状・式次第:180〜250g/㎡
- カード類:250〜300g/㎡
厚紙は手差しトレイからの給紙になる機種が多いため、手差しトレイの対応坪量を仕様書で確認してください。
印字品質では、次の点が問われます。
- 文字のかすれがないこと(特に細い明朝体)
- 罫線がきれいに出ること
- 濃度が安定していること(同じ束の中で濃淡が出ない)
使用する用紙のサンプルで、実際の文面を試し刷りしてもらってください。 和紙調の用紙や、表面加工のある用紙は、機種によって仕上がりが変わります。
2. 用紙サイズの自由度
会葬礼状はハガキサイズや変形サイズ、式次第はA4やB5、席次表はA3。サイズが多様です。
不定形サイズへの対応可否と、その最小・最大サイズを確認してください。ハガキサイズへの対応は必須と考えて差し支えありません。
3. 起動の速さと24時間稼働
深夜の受注に対応するため、電源を落とさない運用が基本になります。
- 省エネモードからの復帰時間:10秒台で復帰する機種と60秒かかる機種では、急ぐ場面での差が大きくなります
- 耐久性:24時間電源が入る前提なので、推奨月間印刷枚数に余裕を持たせてください
省エネ設定と復帰時間のバランスは複合機の消費電力と電気代でも整理しています。
4. 速度と後処理
式までの時間が限られるため、印刷速度が実務に直結します。毎分30枚以上あれば、通常の会葬礼状の部数は短時間で仕上がります。
ソート機能(部数ごとの仕分け)があると、式ごとにまとめる作業が楽になります。式次第を冊子形式にする場合、中綴じ機能を持つ機種であれば社内で完結できます。
5. ご遺族の個人情報
故人様と喪主様の氏名、住所、続柄、参列者名簿。極めて配慮が必要な個人情報を扱います。
認証印刷(セキュアプリント)を設定しておくと、印刷物が機械に置きっぱなしになる経路を塞げます。複数の式が並行している場合、書類の取り違えを防ぐ意味でも有効です。
リース返却時のデータ消去も確認してください。設定項目は複合機の情報セキュリティ対策チェックリストで解説しています。
印刷される書類ごとの要件
会葬礼状
厚紙、ハガキサイズまたは変形。品質要求が最も高い印刷物です。
式次第・式進行表
A4またはB5。参列者に配るものと、社内進行用のものがあります。
席次表・座席表
A3カラーまたはモノクロ。関係性が分かる配置を印刷します。
御芳名帳の表紙・中紙
厚紙。装丁に関わります。
故人様のプロフィール・思い出の写真
カラーA4またはA3。写真の再現性が求められます。
見積書・請求書
モノクロA4。ご遺族に提示する書類です。
社内の進行管理表
モノクロA4またはA3。
会社規模別、機種の目安
小規模葬儀社(年間施行50〜150件)
月間印刷は800〜2,000枚程度。A3対応のカラー普及機で足ります。厚紙対応と印字品質を最優先に選んでください。月額1.2〜1.8万円台が目安です。
中規模葬儀社(年間150〜500件・式場複数)
月間2,500〜5,000枚。A3カラー中位機。ソート機能があると作業効率が変わります。式場ごとに機器を配置する構成も検討段階に入ります。
大規模・複数式場運営
式場ごとに機器を配置し、本部で一括契約する設計が管理しやすくなります。複数拠点の契約は複数拠点の複合機管理ガイドを参考にしてください。
設置場所の考え方
葬儀社の設置場所は、次の観点で決めてください。
事務所内が基本
式場やホールに近い場所に置くと、印刷音が式の妨げになります。事務所内、できれば扉で仕切られた場所に設置してください。
静音性
式の最中に印刷が発生することがあります。静音モードを備えた機種を選び、デモ機で実際の音を確認してください。
動線
急ぎの印刷が発生するため、担当者がすぐアクセスできる場所である必要があります。ただしご遺族の動線とは分けてください。
設置寸法の考え方は複合機の設置前チェックリストにまとめています。
コストの見方
葬儀社の複合機コストは、月額リース料とカウンター料金の合計で見ます。
カラー比率が高めになる業種です。会葬礼状、プロフィール、写真。月間の3〜5割がカラーになることがあります。
月2,000枚(うちカラー700枚)で試算すると、モノクロ1,300枚×1.5円+カラー700枚×15円=月12,450円程度がカウンター料金の目安です。
厚紙印刷が通常のカウンター料金で計算されるかは契約によって異なります。特殊用紙の扱いを見積時に確認してください。料金の内訳は複合機リース料金を構成する5つのコスト項目で整理しています。
止まったときの影響と保守体制
葬儀社で複合機が止まると、式に間に合わないという事態になります。やり直しが利かない業務のため、影響の深刻さが他業種と異なります。
契約前に確認しておきたいのは次の3点です。
- 駆けつけ時間:何時間以内に来られるか
- 代替機の手配:修理が長引く場合に代替機が出るか
- 時間外の連絡手段:深夜・早朝・土日に止まった場合、連絡できるか
3つ目は葬祭業で特に重要です。受注も施行も時間を選ばないため、平日日中しか連絡が取れない体制では対応できません。緊急時の連絡方法を契約前に確認してください。業者ごとの差は複合機の故障対応で業者が違うとここまで差が出るで解説しています。
よくあるご質問
Q. 会葬礼状の用紙は何g/㎡まで対応できますか
A. 機種によりますが、A3カラー中位機以上であれば手差しトレイで200〜300g/㎡程度まで対応する機種が一般的です。実際に使う用紙のサンプルで通してもらうのが確実です。
Q. 和紙調の用紙は使えますか
A. 機種と用紙の仕様によります。表面に凹凸がある用紙は、トナーの定着や搬送に影響することがあります。必ずサンプルで試し刷りをしてもらってください。
Q. 深夜に故障した場合、連絡できますか
A. 業者によります。24時間の受付窓口を持つ業者もあれば、翌営業日の対応になる業者もあります。葬祭業では重要な確認事項なので、契約前に必ず確認してください。
Q. 式の最中に印刷音は響きませんか
A. 設置場所と機種によります。式場から離した場所への設置を推奨します。静音モードを備えた機種もありますので、デモ機で確認してください。
Q. 複数の式が並行するとき、書類の取り違えが心配です
A. 認証印刷(セキュアプリント)を設定すると、担当者が機械の前で認証するまで出力されません。他の式の書類と混ざる経路を構造的に防げます。
葬儀社の複合機なら「事務機器ねっと」にご相談ください
葬祭業の機種選定は、印刷物の品質・時間の制約・24時間の稼働という、他業種にない要件が重なります。複数メーカーを横断比較できる販売業者に相談し、施行件数と式場体制に合った機種を提示してもらうのが実務的です。
複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)は、SHARP・Canon・FUJIFILM・KYOCERA・OKI・EPSON・KONICA MINOLTA・HPの8メーカーを取り扱う独立系マルチベンダー販売店として、小規模葬儀社から複数式場を運営される事業者まで幅広くご相談をお受けしています。
お取引にあたっての体制
- ISO/IEC 27001(ISMS)情報セキュリティマネジメントシステム認証を取得・維持
- 創業35年・事務機器ねっと運営20年・8メーカー取扱
- 東京都内では区域担当制の自社メンテナンス体制
- 本体リース料金・カウンター料金・保守費を分けた明細でお見積り
年間の施行件数・式場数・使用したい用紙の種類と厚み・設置予定場所をお伺いした上で、8メーカーの中から用途に合う複数機種を比較してご提示いたします。実際の会葬礼状の用紙と文面でのデモプリントも承ります。ご相談はお問い合わせフォームよりご連絡ください。
まとめ
葬儀社の複合機選びは、①会葬礼状にふさわしい厚紙対応(200〜300g/㎡)と印字品質、②深夜・早朝の受注に対応できる省エネ復帰の速さと24時間稼働への耐性、③限られた時間で仕上げる速度とソート機能、の3点が基本要件になります。
この業種では、印刷物そのものが儀式の一部です。用紙は必ずサンプルで試し刷りをして、文字のかすれや濃度の安定を目で確認してから決めてください。
あわせて、深夜・土日に故障したときの連絡手段を契約前に確認してください。やり直しの利かない業務では、ここが最も重要な保守条件になります。
事務機器ねっとからのお願い
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この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。










事務機器ねっとは「コピー機・プリンターリース価格満足度 第1位」と「コピー機・プリンター販売サイト導入後のサポート満足度 第1位」の二冠を獲得しました。
第37号‐24020002
(適用範囲:HCグループ)
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