業務用小型コピー機の選び方とおすすめ商品4選を紹介
オフィスへの業務用小型コピー機の導入を検討していると、どの機種を選べばよいか気になってしまうものです。
CanonやFUJIFILMなどのメーカーから数多くの製品が販売されており、それぞれ異なる特徴をもっています。
そこで本記事では、業務用小型コピー機の選び方やおすすめの製品を紹介します。
業務用小型コピー機の購入を考えており、自社に最適な一台を見つけたいとお考えの担当者さまはぜひ最後までお読みください。
業務用小型コピー機と家庭用プリンターの違い
コピー機はもともと複写機とよばれており、原稿を複製するための機器のことを指します。
なお、複写機能のみのコピー機は、現在ではほとんど販売されていません。
代わりに主流となっているのが、スキャンやPCデータの印刷などの機能も合わせて搭載された複合機です。
そのため、本記事では“コピー機=複合機”という位置づけで、解説します。
一方、家庭用プリンターはパソコンなどに接続してデータを印刷する機器のことをいいます。
写真データの出力に特化したタイプや複写機能を併せもつタイプ、スキャン機能に特化したタイプなどさまざまな種類があるのが特徴です。
では、業務用小型コピー機と家庭用プリンターには、どういった違いがあるのでしょうか。
業務用小型コピー機と家庭用プリンターの違い
業務用小型コピー機 | 家庭用プリンター | |
印刷方式 | レーザー方式 | インクジェット方式 |
機能性 |
|
|
上記の表からもわかる通り、両者はまず主流となっている印刷方式が異なります。
レーザー方式とは、パソコンから受信したデータを感光体にレーザー光で書き込み、静電気の力でトナーを感光体の上に載せ、それを紙に転写して印刷する方式のことです。
インクジェット方式と比べると色がにじみにくく、印刷スピードも速い傾向にあります。
一方のインクジェット方式は、液状のインクが紙に噴射され、文字や写真を転写する方法です。
色彩の鮮やかさを感じるような印刷が得意で、カラー印刷を行うと綺麗に出力されます。
また、用途がそもそも異なる点も大きな違いといえます。
業務用小型コピー機は仕事で大量の原稿をコピーするのが主目的であるのに対し、家庭用プリンターは、年賀状印刷など個人の活動の範疇で使われることがほとんどです。
業務用小型コピー機の導入方法
業務用小型コピー機の導入に際しては、いくつかの方法が選択肢として挙げられます。
ここからは、その3つの方法を紹介します。
リース
リース契約とは、お客さまが選んだ業務用小型コピー機をリース会社が代わりに購入し、契約を通じて貸し出す仕組みのことです。
お客さまはリース会社に毎月一定額のリース料金を支払うことで、決められた期間、購入するのと変わらないような感覚で製品を利用できます。
リース契約が満了したあとは再度契約を組み直せるので、都度最新機種を使えます。
また、リース契約で支払う月額料金は経費処理が可能なので、節税効果も見込めるでしょう。
ただし、月々支払うリース料金には、本体価格だけでなく手数料や支払利息、保険料などさまざまな費用が含まれます。
したがって、契約期間中にトータルで支払う額は、コピー機を購入する場合と比べて割高になる傾向があるということは留意しておきましょう。
レンタル
レンタル業者が所有しているコピー機を、必要な期間だけ借りるという方法もあります。
業者が定めた月額料金を支払うだけで借りられるので、購入できるほど資金に余裕がない事業所に適しています。
また、リース契約における使用期間は年単位と長期間なのに対し、レンタルは数日~数か月と短期間で借りられるので、必要なときだけ使えるのが利点です。
ただし、レンタルの料金は、リース契約と比べて割高になるケースがあります。
レンタルの対象となっている製品に中古品が多く、新品のコピー機はほとんどレンタルできないのもデメリットの一つです。
購入
メーカーや販売店から、コピー機を直接購入するというケースも存在します。
こちらは、長期間使用する予定がある事業所におすすめです。
予算に応じて中古から新品まで、幅広い製品のなかから選択できるので、より自社に合ったコピー機を購入できます。
また、購入した場合は自社の所有物となるため、不要になった場合は売却することが可能です。
購入した製品のほかに気に入ったものがあれば、好きなタイミングで買い替えられるのもメリットといえるでしょう。
しかし、コピー機は技術が日々進化しており、購入した時点では最新機種であっても数年後には型落ちとなっている可能性があります。
また、発売されてからある程度年数が経過した場合、機種によっては修理を依頼できなかったり、修理部品が製造を終了していたりするケースも存在します。
購入する際は、こういったケースがあるということも念頭においてください。
業務用小型コピー機の価格相場
一般的な業務用コピー機は本体価格が100万円を超えるなか、業務用小型コピー機はおよそ数万~10万円と比較的安価に購入できます。
さらに、業務用コピー機と比べて消費電力が抑えられるため、電気代の削減にも貢献してくれるでしょう。
しかし、印刷コストは高額になりがちです。
業務用小型コピー機は、トナーや感光体などの消耗品が高額に設定されており、おのずと印刷コストがかかってしまうためです。
小型コピー機の導入が果たして本当にお得なのか確かめたいなら、毎月どれだけ印刷するかを事前に把握し、具体的な印刷コストを計算しておきましょう。
業務用小型コピー機の選び方
業務用小型コピー機の導入方法などがわかったところで、ここからは選び方を紹介します。
本体サイズ
導入する際、まずは対象の製品のサイズが、自社の設置場所に適しているかを確認しましょう。
業務用小型コピー機は、その名の通りコンパクトなサイズで場所をとらないのがメリットとされていますが、省スペースならどこにでも設置できるとは限りません。
メーカーや機種によって異なりますが、およそ幅40cm×奥行き40cm×高さ40cmのスペースが求められる傾向にあります。
また、設置する際は導入後の使いやすさも考慮しなければなりません。
設置する際に気をつけておきたいこと
- 印刷物は取りやすいか
- 設置したあと、すき間のない状態にならないか
- 給紙やトナー交換はスムーズにできるか
- メンテンナンスは行いやすいか
業務用小型コピー機が設置場所にぴったりの状態だと、トナー交換や給紙をスムーズに行うことができません。
導入する際は、設置スペースに余裕があるか今一度確認しておきましょう。
印刷方式
業務用小型コピー機の印刷方式には、レーザー方式とインクジェット方式の2種類があります。
両者は、それぞれ適した用紙や印刷時のコストが異なるため、自社に合ったものを選びましょう。
以下に、それぞれの印刷方式の特徴をまとめたので、ご覧ください。
レーザー方式とインクジェット方式の違い
レーザー方式 | インクジェット方式 | |
用紙 |
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インク | トナーカートリッジ | インクカートリッジ |
出力スピード | 速い | 遅い |
耐用年数 | 平均5年 | |
導入コスト | 高価 | 安価 |
交換部品の価格 | 高価 | 安価 |
レーザー方式は、導入コストや交換部品の価格は高くつきますが、出力スピードは速いので、頻繁に印刷を行う事業所に多く採用されています。
一方、インクジェット方式は出力スピードこそレーザー方式に劣りますが、導入コストや交換部品の価格は抑えられます。
また、光沢紙やコート紙での印刷に適しているので、写真やポスターなどを印刷する機会が多い場合にはうってつけです。
機能性
導入を検討している業務用小型コピー機に、必要な機能が搭載されているか確認することも大切です。
業務用小型コピー機には、プリンター機能やスキャン機能、FAX機能のほかに両面印刷機能など業務に役立つ付加機能が搭載されています。
搭載されていると業務に役立つ付加機能
機能 | 内容 |
両面印刷機能 | 2枚の原稿を用紙の両面に印刷する |
ページ集約機能 | 複数枚の原稿を、1つのページに集約してコピーする |
クラウド連携機能 | コピー機本体で処理したさまざまなデータを、クラウド上で共有・管理する |
インターネットFAX | スキャンした原稿をインターネット経由でFAX送受信する |
ICカード認証機能 | 印刷できるユーザーをICカード認証者にのみ制限する、また誰がどのデータを出力したのか記録する |
割り込み印刷機能 | コピー機での印刷中に、先にほかの原稿を印刷する |
ソート機能 | 複数枚を印刷するとき、自動的にページの順番通りに印刷する |
ユーザー認証機能 | コピー機の利用者を登録することで、登録したユーザーのみが利用できるようにする |
これらの機能のほかにも、数多くの付加機能が搭載されています。
必要な機能が搭載された製品を選ぶことで、さらなる業務効率化につながるでしょう。
印刷スピード
業務用小型コピー機を導入する際は、印刷スピードもチェックしておくと安心です。
印刷速度が速い製品であれば、1分間で40枚ほどの印刷を行えます。
ただし、印刷速度が速ければ速いほど本体価格は高額になってしまうので、購入する際は毎月の印刷枚数に適したものを選ぶことが重要です。
月間印刷枚数と、その枚数を出力するのに必要な印刷速度を以下の表にまとめました。
月間印刷枚数と印刷速度の目安
月間印刷枚数 | 1分あたりの印刷速度 |
3,000枚以下 | 20~25枚 |
3,000~5,000枚 | 25~35枚 |
5,000~8,000枚 | 35~45枚 |
8,000枚以上 | 45枚以上 |
月間印刷枚数がそれほど多くなくとも、分速20~25枚は印刷できる製品を選ぶことをおすすめします。
なぜなら、分速20枚を下回る製品だと、1枚あたりにかかる時間が上記の表よりも長くなり、会議資料など大量の原稿を一度に印刷するのに適していないためです。
ネットワーク接続
ネットワーク接続への対応の有無も、確認すべき項目です。
対応している製品だと無線で印刷したいデータのやり取りができるので、スマートフォンやパソコンとの配線を気にする必要がありません。
また、コピー機でスキャンしたデータをスマートフォンに送って閲覧することも可能です。
手元のスマートフォンでいつでも資料の内容を確認できるようになるので、出先でかさばりがちな紙の資料を、いちいち持ち運ばなくても済むようになります。
導入・ランニングコスト
導入費用やランニングコストが予算内に収まるかどうかも、忘れずにチェックしておきたいところです。
業務用小型コピー機は、新品か中古かによって費用のかかる要因が変わります。
新品の場合は本体価格が高くなりがちですが、反対に保守料金は安い傾向にあります。
一方、中古の業務用小型コピー機の場合、本体価格は安いものの、保守料金は高く設定されている場合がほとんどです。
したがって、導入費用とランニングコストのどちらに予算をかけるかによって、新品と中古を選ぶ基準がみえてきます。
ただし、導入費用やランニングコストは、購入する製品や販売店などによっても異なります。
予算と相談しながら、自社にぴったりの業務用小型コピー機を探してみてください。
事務機器ねっとおすすめの業務用小型コピー機4選
業務用小型コピー機の選び方などがわかったところで、ここからはいよいよおすすめの製品を紹介します。
人気のCanonやFUJIFILMなどのメーカーを掲載しているので、気になる方はぜひご覧ください。
Canon【iR-ADVANCE DX C359F】
Canon【iR-ADVANCE DX C359F】の製品情報
種類 | カラー複合機 |
本体サイズ | 幅51.9cm×奥行き65.8cm×高さ63.8cm |
重量 | およそ50kg |
設置に必要な面積 | 幅85.2cm×奥行き65.8cm |
最大読み込みサイズ | A4 |
印字可能サイズ |
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まず紹介するのは、プリンターや一眼レフカメラなど、多種多様な製品を展開しているCanonの業務用小型コピー機『iR-ADVANCE DX C359F』です。
こちらの製品は、一度の原稿搬送で表裏どちらも同時に読み取る“両面同時読み取りADF”を標準装備しています。
毎分190ページの高速読み取りで、今までは時間がかかりがちだったスキャン業務もスピーディに進められます。
また、10.1インチの大型タッチパネルを搭載しているのも強みの一つで、快適な操作性を実現しました。
さらに、自社の使用環境に適したセキュリティも簡単に設定することが可能で、情報漏洩の脅威に対する対策も万全です。
Canon【MF755Cdw】
Canon【MF755Cdw】の製品情報
種類 | カラー複合機 |
本体サイズ | 幅42.5cm×奥行き43cm×高さ46cm |
重量 | およそ21.7kg |
設置に必要な面積 | 幅59.1cm×奥行き91.7cm×高さ89.1cm |
最大読み込みサイズ | A4 |
印字可能サイズ |
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連続複写速度 | 33枚/分 |
Canonの『MF755Cdw』は、販売価格がおよそ11万円と、リーズナブルな価格が魅力の業務用小型コピー機です。
こちらの製品も、高速両面同時読み取り機能が搭載されており、領収書など小さいサイズの原稿のスキャンにも対応しています。
また、5インチのタッチパネルはシンプルなデザインで視認性が高く、満足のいく操作性も兼ね備えています。
自社の業務に合わせて、メニュー画面をカスタマイズできるのも利点です。
本体はおよそ21.7kgと非常に軽量なので、卓上に設置することも可能です。
さらに、コンパクトなサイズでありながら最大で940枚の大容量給紙を実現しており、会議資料など大量に印刷する必要のある場面でも活躍してくれます。
FUJIFILM【Apeos C3530】
FUJIFILM【Apeos C3530】の製品情報
種類 | カラー複合機 |
本体サイズ | 幅42cm×奥行き50cm×高さ56.5cm |
重量 | 34kg |
設置に必要な面積 | 幅87.1cm×奥行き128cm |
最大読み込みサイズ | A4 |
印字可能サイズ |
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連続複写速度 |
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FUJIFILMの『Apeos C3530』は、そのコンパクトなボディと多彩な機能が魅力的な、業務用小型コピー機です。
こちらの製品は、米国のセキュリティ基準である『NIST SP800-171』に準拠しており、非常に高いセキュリティレベルを実現しています。
また、コンパクトなボディで、オフィスはもちろんのこと小さな店舗の限られたスペースにも設置することが可能です。
小型ながら厚紙や封筒印刷にも対応しており、あらゆるシーンで活躍してくれること間違いなしです。
5インチのタッチパネルは一見小さく思われるかもしれませんが、画面上のアイコンがゆとりをもって配置されているので、わかりやすく、操作で迷うことはありません。
ホーム画面のカスタマイズも可能で、自社の業務に適した設定へと変更できます。
SHARP【BP-C533WD】
SHARP【BP-C533WD】の製品情報
種類 | カラー複合機 |
本体サイズ | 幅49.1cm×奥行き61cm×高さ60.2cm |
重量 | およそ40kg |
設置に必要な面積 | 幅67.9cm×奥行き63.4cm |
最大読み込みサイズ | A4 |
印字可能サイズ |
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連続複写速度 | 33枚/分 |
個人オフィスやスモールオフィスにぴったりの業務用小型コピー機をお探しなら、SHARPの『BP-C533WD』がおすすめです。
スキャンする際、AI技術を活用した自動設定によって、解像度や原稿の天地判定、白紙飛ばし機能など、間違えがちな設定を正確に調整してくれます。
そのため、スキャンを誤って、もう一度設定し直すといった面倒な手間は発生しません。
また、名刺スキャンにも対応しており、最大で25枚まで連続スキャンが可能です。
個別のファイルとして保存したり、メールソフトなどのアドレス帳にも登録したりできるので、名刺管理の効率化に悩んでいる担当者さまにぴったりです。
業務用小型コピー機の導入事例
最後に、業務用小型コピー機の導入事例を紹介いたします。
事務機器ねっとが業務用小型コピー機をある企業様に導入する際、実際にこういった事例がありました。
ご契約していただいた企業様は、日頃、商品を発送する際のラベル印刷や発送用のシール貼りなどの業務を行っています。
月に5,000枚という大量のラベルやシールの印刷を家庭用のコピー機のみで行っていたので、用紙の詰まりに悩んでおられる様子でした。
そこで私どもは、FUJIFILMの『C3530』をご提案させていただきました。
こちらの製品は、A3から郵便はがきなど、非常に幅広い用紙サイズに対応しているので、さまざまなビジネスシーンで活躍してくれます。
また、A4とB5の場合の連続複写速度が1分間で30枚という速さで、こちらの企業様にはまさにうってつけの一台だったわけです。
実際、テストとして企業様がこちらの製品を利用して印刷を行ったところ、悩みであった用紙の詰まりが改善されました。
この性能の高さにくわえて、カウンター契約後はトナー交換が無料な点と、スピーディなメンテナンスにも魅力を感じていただき、無事に受注契約を結ぶことができたのです。
業務用小型コピー機は省スペースにも設置可能で、あらゆる機能で業務に寄り添う
今回は、業務用小型コピー機の選び方とおすすめの商品を紹介しました。
業務用小型コピー機はその名の通り、一般的なコピー機よりもコンパクトなサイズで、スモールオフィスの事業所に適しています。
また、機能性や印刷コストなどを考慮することで、より自社に適した業務用小型コピー機を導入することが可能です。
事務機器ねっとでは、今回紹介した4製品だけでなく、EPSONやOKIなどのほか大手メーカーの製品も数多く取り扱っています。
プロの目利きで、お客さまに本当に適した機種をご提案させていただきます。
業務用小型コピー機の導入を考えている担当者さまは、ぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。