公開日 2026.05.29 更新日 2026.05.29

複合機の電子帳簿保存法対応|2026年版の最低要件と業者選定

複合機の電子帳簿保存法対応|2026年版の最低要件と業者選定

「電子帳簿保存法の改正で、これから複合機を買い替えるなら何に気を付ければいいのかわからない」
「2024年からスキャナ保存制度が厳しくなったと聞いたけれど、複合機本体だけで対応できるのか不安」
「業者からは『電帳法対応』とうたわれた機種を勧められたが、本当に法的要件を満たしているのか判断がつかない」

――こうした悩みを抱えるご担当者の方は多いのではないでしょうか。電子帳簿保存法(電帳法)は2024年1月の改正で電子取引データの保存義務化が完全施行され、紙保存への切り替えが原則認められなくなりました。スキャナ保存制度の要件も整理され、複合機を選定する際の前提条件が変わっています。

本記事では、複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに、電子帳簿保存法2026年版の最低要件・複合機本体で押さえるべきスキャナ保存3要件・業者選定の3軸・業種別シナリオまでをまとめて解説します。

結論から言うと、電子帳簿保存法に対応する複合機選びでは、スキャナ保存制度の3要件(解像度200dpi以上/タイムスタンプまたは訂正削除履歴/検索性の確保)を満たすスキャン機能と、電子取引データの受領・保存フローまで設計できる業者かどうかが、最低条件として挙げられます。 機種だけで全要件を完結させるのは難しく、複合機(スキャン入口)+クラウド文書管理サービス(履歴・検索)+業者の運用支援という組み合わせで設計するのが、2026年時点の標準的な進め方です。

目次

用語の整理:電子帳簿保存法と複合機リースの相談先

用語の整理:電子帳簿保存法と複合機リースの相談先

本題に入る前に、押さえておきたい用語と取引構造を整理します。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法は、国税関係帳簿書類を電子データで保存する場合のルールを定めた法律です。1998年に制定され、2022年改正・2024年1月完全施行を経て、現在の運用に至っています。法律上の保存方法は大きく3区分に分かれます。

  • 電子帳簿等保存:会計ソフトで作成した帳簿・決算書類を電子データのまま保存
  • スキャナ保存:紙で受領・発行した請求書・領収書をスキャンしてPDFで保存
  • 電子取引データ保存:メール・クラウド・EDI等で授受した取引情報を電子データのまま保存(2024年1月から義務化)

本記事では、複合機の選定に直接関わるスキャナ保存制度と、業務フローに影響する電子取引データ保存の2区分を中心に解説します。

複合機リースの取引構造

複合機リースは、販売業者(販売店)・リース会社・ユーザー(自社)の3者で1つの契約が成り立っています。販売業者が機種選定・見積り・設置・メンテナンスを担い、リース会社が複合機を所有して月額リース料金を請求します。日々のやり取りの相手は普段は販売業者ですが、月額リース料金の契約相手はリース会社になります。

販売業者はメーカー直販独立系マルチベンダー販売店の2種類に分かれます。電帳法対応のように「複合機の機能要件」「クラウド文書管理サービスとの連携」「運用設計の支援」といった複数の論点が絡む場面では、複数メーカーを横断比較できる独立系マルチベンダー販売店に相談するのが現実的です。

契約構造の詳細は複合機リース業者の選び方|メーカー直販と独立系マルチベンダーの違いを徹底比較でも整理しています。本記事では電帳法対応の機種・業者選定にフォーカスして進めます。

電子帳簿保存法2026年版の区分と最低要件

電子帳簿保存法2026年版の区分と最低要件

電子帳簿保存法の3区分ごとの最低要件を、複合機選定の視点で整理します。

3区分の対象と保存方式

区分 対象書類の例 保存方式 複合機の関与
電子帳簿等保存 仕訳帳・総勘定元帳・決算書類(自社で電子作成したもの) 会計ソフト等の電子データのまま 関与なし(印刷物の保存方法には影響なし)
スキャナ保存 取引先から紙で受領した請求書・領収書・契約書 紙原本をスキャンしてPDF保存(要件充足後は原本廃棄可) 複合機のスキャン機能が中核
電子取引データ保存 メール添付PDF・クラウド共有・EDI等で受領した取引情報 電子データのまま保存(紙印刷保存は不可) 複合機自体は関与しないが、運用フロー設計に影響

2024年1月以降の運用上のポイント

  • 電子取引データの紙保存は不可:メール添付で受領したPDF請求書を印刷して紙ファイルに綴じる運用は、原則として認められない
  • スキャナ保存は任意:紙原本をスキャンして電子保存するかは事業者の選択(紙原本のまま保管しても問題なし)。ただし保管スペース・検索性の観点でスキャナ保存を選択する事業者が増加
  • 猶予措置の縮小:一部の小規模事業者向け猶予措置は段階的に縮小される方向のため、早めに対応体制を整える方が望ましい

中小企業が押さえるべき最低ライン

  • 電子取引データ保存:義務化済みのため、メール・クラウドで受領したデータの保存ルール・フォルダ構造・検索性の確保を運用フローに組み込む
  • スキャナ保存:採用する場合、解像度200dpi以上・タイムスタンプまたは訂正削除履歴・検索性の3要件を整える
  • 複合機の選定:スキャナ保存制度に対応した解像度・カラー階調・両面同時スキャン(DADF)を備えた機種を選ぶ

スキャナ保存制度の要件と複合機の対応範囲

スキャナ保存制度の要件と複合機の対応範囲

スキャナ保存制度の運用で押さえるべき3要件を、複合機本体で対応できる範囲と、複合機外で補う必要がある範囲に分けて整理します。

3要件の整理

要件 内容 複合機本体での対応 補完手段
解像度・カラー階調 200dpi以上・カラー256階調以上 ◎ 標準対応 不要(複合機で完結)
タイムスタンプ/訂正削除履歴 改ざん防止のため、タイムスタンプ付与または訂正削除履歴を保存できるシステムを使用 △ 機種により対応/非対応 クラウド文書管理サービスで付与
検索性の確保 取引年月日・取引金額・取引先で検索できる状態を確保 △ ファイル名規則で代替可だが運用負担大 クラウド文書管理サービスで自動付与

解像度・カラー階調(200dpi以上)

スキャナ保存制度では、紙原本をスキャンする際の解像度を200dpi以上、カラー画像は256階調以上(24bitカラー)で読み取ることが求められます。実務上は、判読性を確保するため300dpi以上で運用する事業者が多数派です。複合機本体のスキャン機能で十分カバーできる要件のため、機種選定でこの要件を満たせない機器はほぼありません。

  • 必須:200dpi以上のスキャン解像度
  • 推奨:300dpi以上(判読性確保)
  • 推奨:両面同時スキャン(DADF:両面自動原稿送り装置)対応

タイムスタンプ/訂正削除履歴

改ざん防止のため、スキャンしたPDFにタイムスタンプを付与するか、訂正・削除の履歴を保存できる文書管理システムを利用することが求められます。複合機本体でタイムスタンプを直接付与できる機種は限られており、多くの場合はクラウド文書管理サービス(freee電子帳簿保存/マネーフォワード クラウドBox/invox/楽楽電子保存等)との連携で対応します。

  • 複合機本体だけで対応できないケースが多いため、スキャン後にクラウド文書管理サービスへ自動連携する運用設計が現実的
  • タイムスタンプ付与サービスを利用する場合、料金は別途発生(月額数千円〜数万円)

検索性の確保

保存した電子データを「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3項目で検索できる状態を確保することが求められます。複合機本体のファイル名規則で対応する場合、スキャン時にファイル名へ取引年月日・金額・取引先を手入力する運用負担が発生するため、現実的にはクラウド文書管理サービスのOCR自動入力機能で補うのが標準です。

  • 複合機ファイル名規則での対応:可能だが運用負担が大きい
  • クラウド文書管理サービス利用:OCRで自動入力・自動仕分けが標準機能

電子取引データの保存義務化で何が変わったか

電子取引データの保存義務化で何が変わったか

スキャナ保存制度と並行して理解しておきたいのが、2024年1月から完全施行された電子取引データ保存の義務化です。複合機選定にも間接的に影響します。

義務化の対象範囲

  • メール添付:取引先からPDF請求書・領収書をメール添付で受領した場合
  • クラウド共有:取引先からGoogle Drive・Dropbox・Box等のクラウドリンクで請求書を共有された場合
  • EDI・取引プラットフォーム:Amazon ビジネス・楽天市場ビジネス・取引EDIで発生する取引データ
  • クレジットカード・電子マネーの利用明細:明細データを電子データで受領した場合

紙印刷保存が認められなくなった意味

従来は「メール添付PDFの請求書を一度印刷して紙ファイルに綴じる」という運用が一般的でした。2024年1月以降は、この運用は原則として認められません。電子取引データは電子データのまま、改ざん防止措置(タイムスタンプまたは訂正削除履歴)と検索性を確保した状態で保存する必要があります。

複合機選定との関係

電子取引データ保存自体は複合機が直接関与しない領域です。ただし、以下の観点で間接的に影響します。

  • 印刷量の変動:紙保存をやめることで、月間印刷枚数が減少する事業者が多い。複合機の機種クラスを下げる選択肢が出てくる
  • スキャン業務の増加:紙で受領した請求書・領収書のスキャン業務は今後も継続するため、両面同時スキャン(DADF)と高解像度スキャンの重要性は変わらない
  • 業務フローの再設計:紙書類とデジタル書類の二重管理を避けるため、複合機スキャンとクラウド文書管理サービスを一本化する設計が現実的

複合機本体で押さえるべき機能チェックリスト

複合機本体で押さえるべき機能チェックリスト

電子帳簿保存法対応を前提に、複合機選定時に確認すべき機能を整理します。

スキャン関連

  • 必須:200dpi以上のスキャン解像度(実務上は300dpi以上推奨)
  • 必須:カラー256階調以上
  • 必須:両面同時スキャン(DADF)対応
  • 推奨:100枚以上の連続スキャン対応(請求書・領収書の月次一括スキャン)
  • 推奨:白紙ページ自動スキップ・ファイル分割機能
  • 推奨:スキャン時のOCR処理(PDF内テキスト埋め込み)

クラウド連携・ファイル送信

  • 必須:スキャンしたPDFをメール・共有フォルダに送信できる機能
  • 推奨:主要クラウドストレージ(Google Drive・OneDrive・Dropbox・Box)への直接保存
  • 推奨:クラウド文書管理サービスへの直接連携(freee/マネーフォワード/invox/楽楽電子保存等)
  • 推奨:保存先フォルダの動的指定(取引先別・月別フォルダへの自動振り分け)

セキュリティ

  • 必須:印刷時のユーザー認証(IDカード/パスワード/ID入力)
  • 必須:ハードディスク暗号化/データ自動消去機能
  • 推奨:印刷ジョブ・スキャンジョブのログ管理
  • 推奨:リース返却時のデータ完全消去対応

印刷品質・処理速度

  • 必須:A3対応カラー・両面印刷(請求書・契約書のA3対応)
  • 必須:毎分20枚以上(小規模向け)/毎分30枚以上(中規模向け)
  • 推奨:大容量給紙(用紙補充の手間を減らす)

セキュリティ機能の詳細は複合機からの情報漏えいにご注意!今すぐセキュリティ設定を要チェックで、OCRによる文書管理の効率化はコピー機のOCRでDX推進。紙資料のデータ化で検索が捗る!でそれぞれ詳しく解説しています。電帳法そのものの概要は【解説】改正 電子帳簿保存法。コピー機で文書管理対策が完結でも整理しています。

業者選定の3軸(複合機機能・サポート品質・トータルコスト)

業者選定の3軸(複合機機能・サポート品質・トータルコスト)

電子帳簿保存法対応を前提に複合機リース業者を選ぶ際の、3軸を整理します。

軸1:複合機機能の網羅性(電帳法要件への対応力)

  • 取扱メーカーの数:1メーカーだけでなく複数メーカーを比較できる業者の方が、要件に合った機種を選びやすい
  • クラウド文書管理サービスとの連携実績:freee/マネーフォワード/invox/楽楽電子保存等、主要サービスとの連携設定実績があるか
  • スキャン機能の説明力:解像度・OCR・両面同時スキャン・連続スキャンの違いを実機デモで提示できる業者か

軸2:サポート品質(運用フェーズの安心感)

  • 設定支援の範囲:複合機の物理設置だけでなく、スキャン設定・クラウド連携・社内運用フローの設計まで支援できるか
  • 駆けつけ対応の体制:故障時の対応スピード・代替機の手配条件
  • 問い合わせ窓口:電話・メール・チャット・現地訪問の選択肢と対応時間
  • 担当者の継続性:契約後の担当者が変わりにくい体制か

なお、クラウド文書管理サービスとの連携設定や、電子取引データ受領フローの運用設計支援は、通常のメンテナンス契約(紙詰まり対応・トナー交換・部品交換・故障対応など)と別契約・別料金になっているケースが多くあります。導入時に「メンテナンスに含まれている」と思い込まないよう、見積り段階で必ず分けて確認してください。

軸3:トータルコスト(本体リース料金+カウンター料金+保守費)

  • 本体リース料金:5〜6年契約での月額(機種クラスに応じて月額1万円台〜4万円台)
  • カウンター料金:モノクロ1枚1〜2円・カラー1枚10〜15円程度が相場
  • 保守費:複合機の定期点検・部品交換・出張費用が含まれる
  • 連携設定の別料金:クラウド連携・ネットワーク設定支援は別契約で月額数千〜数万円のケースが多い

見積書の見方は複合機(コピー機)の見積書の正しい見方と信頼できる販売店の選び方で詳しく解説しています。

3軸の優先順位

電帳法対応の場面では、以下の優先順位で業者を比較すると判断が安定します。

1. 軸1(複合機機能の網羅性):要件を満たせない業者は土俵に上がらない
2. 軸2(サポート品質):運用フェーズで連携設定・トラブル対応の差が大きく出る
3. 軸3(トータルコスト):軸1・軸2を満たす業者の中でコストを比較

価格だけで選ぶと、要件未充足・運用設計支援不足・連携設定の別料金で結果的に高くつくケースがあるため、軸1→軸2→軸3の順で見ていくのが現実的です。

業種別シナリオ(製造業/サービス業/小売・飲食)

業種別シナリオ(製造業/サービス業/小売・飲食)

電子帳簿保存法への対応は、業種・取引形態によって複合機の使い方が変わります。代表的な3パターンを整理します。

製造業(社員10〜50名・取引先50社以上)

  • 想定業務:仕入請求書の受領・スキャン、出荷伝票の発行、取引先との見積書・契約書のやり取り
  • 電帳法での課題:取引先数が多く、紙・PDF・EDIが混在。電子取引データ保存と紙スキャン保存の両方を運用フローに組み込む必要
  • 必須要件:A3対応カラー中位機・両面同時スキャン(DADF)・100枚連続スキャン・クラウド文書管理サービス連携
  • 推奨機種クラス:A3対応カラー中位機〜上位機
  • 特に重視すべき視点取引先別フォルダの自動振り分け・OCR自動入力で月次一括スキャンの運用負担を軽減

サービス業(社員5〜30名・士業・コンサル等)

  • 想定業務:顧客向け見積書・請求書の発行、顧客からの契約書・領収書の受領、経費精算
  • 電帳法での課題:紙書類が比較的少なく、電子取引データ(メールPDF・クラウド共有)が中心。電子取引データ保存の運用フロー整備が中心課題
  • 必須要件:A3対応カラー普及機〜中位機・300dpi以上スキャン・クラウド文書管理サービス連携・セキュリティ機能
  • 推奨機種クラス:A3対応カラー普及機〜中位機
  • 特に重視すべき視点電子取引データの一元管理・複合機スキャンは経費精算と紙契約書の電子化に集中

小売・飲食(社員5〜30名・複数店舗運用も想定)

  • 想定業務:仕入先からの納品書・請求書の受領、レシート・領収書の集計、店舗間の書類共有
  • 電帳法での課題:紙領収書・レシートの量が多く、スキャナ保存の運用負担が大きい。複数店舗で書類を共有する場合のクラウド一元化が課題
  • 必須要件:A3対応カラー普及機・両面同時スキャン(DADF)・連続スキャン・クラウド連携
  • 推奨機種クラス:A3対応カラー普及機(店舗)・中位機(本部)
  • 特に重視すべき視点店舗→本部のクラウド経由スキャン共有・複数拠点で同一機種を統一して保守・操作教育の負担を抑える

電帳法対応の複合機リースなら「事務機器ねっと」にご相談ください

電帳法対応の複合機リースなら「事務機器ねっと」にご相談ください

電子帳簿保存法対応の複合機選定は、機種スペックだけでなく、クラウド文書管理サービスとの連携設計・運用フロー支援まで含めて相談できる業者を選ぶのが現実的です。

事務機器ねっとの特徴

複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)は、SHARP・Canon・FUJIFILM・KYOCERA・OKI・EPSON・KONICA MINOLTAの7メーカーを取り扱う独立系マルチベンダー販売店です。1〜30名規模の小規模事業者から多くご相談をいただいています。

  • 7メーカー横断比較:取引量・電帳法対応要件・予算からマッチする機種を複数パターン提示
  • 見積りの中立性:1機種だけを強く推す商談ではなく、用途に合わせて中位機・上位機の両方を比較提示
  • 東京都内の保守体制:東京都内では区域担当制の自社メンテナンスを敷いており、定期巡回点検・有資格者による対応で機器を継続的に把握(地方エリアはメーカーメンテナンスと連携)

信頼を支える体制

  • ISO/IEC 27001情報セキュリティマネジメントシステム認証を取得・継続維持(電帳法対応で扱う取引情報の管理体制と整合)
  • 高度管理医療機器等販売/貸与業許可保有
  • 創業35年・事務機器ねっと20年目・総販売台数16,000台以上
  • スマートSMEサポーター制度37号認定(経済産業省登録)
  • 帝国データバンク評点63点・連続黒字経営

ご相談から導入までの流れ

1. お問い合わせ(電話・フォーム)
2. ヒアリング(取引量・電帳法対応方針・現在の保存運用・予算)
3. 機種候補の比較提示(複数メーカー・複数機種・クラウド連携可否を含む)
4. お見積り(本体リース料金・カウンター料金・保守費を分けて提示)
5. ご検討・契約
6. 設置・初期設定・操作レクチャー(クラウド連携・運用フロー設計支援は別契約)

よくある質問(Q&A)

よくある質問(Q&A)

Q1. 電子帳簿保存法は中小企業でも対応必須ですか?

A. はい、対応必須です。電子取引データ保存(メール添付PDF・クラウド共有・EDI等で受領した取引情報)は2024年1月から完全施行されており、事業規模に関わらず原則として全事業者が対象です。一方で、スキャナ保存制度(紙書類をスキャンしてPDF保存)は任意のため、採用するかは事業者の選択になります。電子取引データ保存については、メール添付PDFを紙に印刷して保存する運用は原則認められないため、電子データのまま改ざん防止と検索性を確保した保存ルールを整える必要があります。

Q2. 複合機本体だけで電子帳簿保存法の要件を全て満たせますか?

A. 厳密に運用する場合、複合機本体だけで全要件(解像度・カラー階調・タイムスタンプ・訂正削除履歴・検索性)を満たすのは難しいのが実情です。タイムスタンプ付与と検索性の確保は、クラウド文書管理サービス(freee電子帳簿保存/マネーフォワード クラウドBox/invox/楽楽電子保存等)との組み合わせで対応するのが現実的です。複合機選定とクラウド文書管理サービス選定をセットで検討してください。

Q3. スキャナ保存の解像度は200dpiで十分ですか?300dpi推奨という話も聞きます。

A. 法令上の最低要件は200dpi以上ですが、実務では300dpi以上で運用する事業者が多数派です。判読性を考えると、領収書・請求書の細かい文字や印影を確実に残すには300dpi以上が安心です。複合機本体のスキャン設定で300dpiを既定値にしておくと、運用ミスを減らせます。

Q4. クラウド文書管理サービスは必要ですか?月額コストがかかります。

A. スキャナ保存制度を本格運用する場合、クラウド文書管理サービスを併用する事業者が多数派です。理由はタイムスタンプ付与・訂正削除履歴の保存・検索性の3要件を複合機単体で満たすのが難しいためです。一方で、紙原本を保管し続ける運用を継続する場合は、複合機のスキャンを「社内共有用」「経費精算用」程度の用途に限定し、クラウド文書管理サービスを導入しない選択もあります。事業規模・取引量・保管スペースを踏まえて判断してください。

Q5. 電子取引データの保存義務化に対応していないとどうなりますか?

A. 法令上は、要件を満たさない保存方法をしている場合、青色申告の承認取消し・推計課税・重加算税の対象となる可能性があります。実務上は税務調査の際に指摘されるケースが多く、いきなり厳しい処分が下されるわけではありませんが、早めに運用フローを整えるのが望ましい状況です。複合機の入れ替えと併せて、電子取引データの受領フロー・保存ルール・社内周知を整備する事業者が増えています。

Q6. 業者から『電帳法対応』とうたわれた機種を勧められたが、本当に対応していますか?

A. 「電帳法対応」という表現は業者により幅があります。確認すべきポイントは以下の3点です。①スキャン解像度200dpi以上・カラー256階調以上を満たしているか、②クラウド文書管理サービスとの連携実績があるか、③タイムスタンプ付与・検索性の確保を複合機単体で完結させようとしていないか。複合機単体で全要件を満たすという説明には注意が必要です。クラウド文書管理サービスとの組み合わせを前提に提案できる業者の方が、運用フェーズで安心です。

Q7. リース契約は何年が適切ですか?電帳法の制度変更があった場合に困りませんか?

A. 3〜6年の範囲で選ぶのが一般的です。長期契約(5〜6年)で月額を抑えつつ、制度変更や業務量の増加で機種スケールアップが必要になった段階で「リースの組み換え」(現契約の残額を次の機器費用に上乗せして再リースする方法)で対応する運用が、現実的です。電帳法の今後の改正動向にも備えるため、クラウド文書管理サービスとの連携設計を柔軟に変更できる業者を選ぶのが望ましいです。

まとめ:電帳法対応の複合機選びは「スキャナ保存3要件 × 業者の運用支援力 × クラウド連携」で判断する

まとめ:電帳法対応の複合機選びは「スキャナ保存3要件 × 業者の運用支援力 × クラウド連携」で判断する

電子帳簿保存法に対応する複合機選びは、スキャナ保存3要件(解像度200dpi以上/タイムスタンプまたは訂正削除履歴/検索性)への対応・クラウド文書管理サービスとの連携力・業者の運用設計支援の3軸で判断すると、判断が安定します。

  • スキャナ保存3要件:解像度・カラー階調は複合機本体で対応、タイムスタンプと検索性はクラウド文書管理サービスで補完
  • 電子取引データ保存:2024年1月から完全施行。紙印刷保存は原則不可。電子データのまま改ざん防止と検索性を確保
  • 複合機本体の機能:300dpi以上スキャン・両面同時スキャン(DADF)・100枚連続スキャン・クラウド連携を備えた機種
  • 業者選定の3軸:軸1(複合機機能の網羅性)→軸2(サポート品質)→軸3(トータルコスト)の順で比較
  • 連携設定の別料金:クラウド連携・運用フロー設計支援は通常メンテナンスと別契約が一般的

「電子帳簿保存法に対応した複合機を複数メーカーから比較したい」「クラウド文書管理サービスとの連携設計まで含めて相談したい」という段階のご担当者は、複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)にお気軽にご相談ください。7メーカーの中から、取引量と運用要件に合う機種を複数パターン比較提示いたします。

この記事の監修者

株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー

大塚 義美

複合機メンテナンス許可認定

FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON

経歴

複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。

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