行政書士・士業事務所の複合機選び、実はこれだけ見れば十分

「複合機を選ばないといけないけれど、種類が多すぎて基準が分からない」「機能比較表を見ても、どれが自分の事務所に合うのか判断できない」――行政書士・税理士・社労士をはじめとする士業事務所では、複合機選びにこうした悩みがつきまといます。一般オフィスと違ってA3帳票・官公署とのFAX・契約書スキャンという独特の業務が混ざるため、「コピー機ランキング」では決め切れないのが実情です。
本記事では、複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)の現場経験から、士業事務所の複合機選びで本当に見るべきは3つの軸だけというシンプルな結論をお伝えします。A3対応・スキャン品質・FAX。この3軸さえ押さえれば、機種比較で迷う時間を一気に短縮できます。
士業事務所が複合機選びで失敗するパターン

まず、よくある失敗例を整理しておきます。
スペック過多か、見せかけの安さで決めてしまう
カタログには製本機能・大容量給紙・高速両面印刷などのオプションが並びますが、1〜3名規模で月間印刷枚数が500枚程度なら、毎分60枚以上の高速機はオーバースペックで月額が無駄に上がります。逆に、月額リース料金の安さだけで決めても、カウンター料金(1枚あたりの印刷単価)や保守契約の範囲が不利だとトータルの運用コストは高くつきます。本体価格だけで比較しないことが重要です。
実はこれだけ見れば十分な3つの軸

失敗パターンを裏返すと、見るべき軸は驚くほどシンプルになります。
軸1:A3対応(できればカラー)
士業業務では、申請書・帳票・図面・地番図などA3サイズを扱う場面が頻繁にあります。A4専用機だとA3が必要な場面で都度コンビニ印刷に頼ることになり、機密保持と業務効率の両面でリスクが残ります。A3カラー対応の中速機を選んでおけば、数年間は機能不足を感じません。
軸2:スキャン品質(300dpi以上・PDF保存・できれば両面同時)
契約書・登記簿謄本・添付書類のPDF化は、士業事務所の日常業務です。スキャン解像度は最低でも300dpi以上を選んでください。両面同時スキャン(DADF:両面自動原稿送り装置)が付いていると、決算期や繁忙期の電子化作業の負担が大きく変わります。
PDFはGoogle Drive・OneDrive・Dropbox・Boxなどのクラウドストレージに直接保存できる機種が便利です。なお、クラウド連携の初期設定支援は、通常のメンテナンス契約(紙詰まり対応・トナー交換・故障対応)と別契約・別料金になっているケースが多いので、見積り段階で必ず分けて確認してください。
軸3:FAX送受信(PDF転送機能があると尚良し)
法務局・税務署・年金事務所など、官公署とのやり取りでFAXは依然として現役です。最低限G3FAXが付いていれば十分ですが、受信FAXをメールや指定フォルダにPDF転送できる機能があると、紙の出力を抑えながらクラウド保存でき、電子帳簿保存法対応とも親和性が高くなります。
この3軸さえ押さえておけば、士業事務所の複合機選びで大きく外すことはありません。スキャン機能の活用はコピー機のOCRでDX推進。紙資料のデータ化で検索が捗る!も参考になります。
月間印刷枚数別のコスト目安

月間印刷枚数別の機種クラスとリース料金の目安です。金額は機種・契約条件で変動するため、相場感としてご覧ください。
| 月間印刷枚数 | 機種クラス | 想定事務所規模 | 本体リース料金の目安 |
| 〜500枚 | A3対応カラー普及機 | 1〜2名・開業初期 | 月額1万円前後 |
| 500〜1,000枚 | A3対応カラー普及機 | 2〜5名 | 月額1万円台前半 |
| 1,000〜3,000枚 | A3対応カラー中位機 | 5〜10名 | 月額1.5〜2.5万円程度 |
| 3,000枚〜 | A3対応カラー上位機 | 10名超 | 月額2.5万円〜 |
印刷量が分からないときの目安
- 1名・週5日稼働で申請書を毎日数十枚 → 月間300〜500枚
- 1〜2名でA3図面・帳票も印刷 → 月間500〜1,000枚
- 3〜5名で決算期に印刷量が倍増 → 月間1,000〜2,000枚
繁忙期に印刷量が倍増するケースは少なくないため、業者に「繁忙期と通常期の差」を伝えて相談するのが安心です。
リース期間は長期で組んで、必要時に組み換え
リース契約は3〜6年が一般的です。短期契約(3年)は月額が大きく上がり、開業初期のキャッシュフローを圧迫しがちです。長期契約(5〜6年)で月額を抑えつつ、業務量が拡大したタイミングで「リースの組み換え」(現契約の残額を次の機器費用に上乗せして再リースする方法)で機種をスケールアップするのが現実的な選択肢です。詳細はコピー機はリースとレンタル、どちらが得なのか比較してみた!もご参照ください。
電子帳簿保存法対応の最低要件と業者選定
税理士・会計事務所はもちろん、契約書を扱う行政書士・社労士事務所でも、電子帳簿保存法(電帳法)対応は実務に影響しています。最低限、以下の3点を押さえておけば大きく外しません。
- 解像度:原則カラー256階調以上・200dpi以上が要件。契約書の印影判別を考えると300dpi以上のカラースキャンで運用するのが安心
- タイムスタンプ付与の手段:複合機本体に機能があるか、外部の文書管理サービスと連携できるかを見積り時に確認。複合機単体で対応できなくてもクラウド連携でカバーできるケースが多い
- 検索性:「日付」「金額」「取引先」で検索できる状態にする必要あり。スキャン保存先のフォルダ構造・ファイル名の規則を導入時に決めておくと運用後が楽
詳細は【解説】改正 電子帳簿保存法。コピー機で文書管理対策が完結もご参照ください。
業者選定の最終チェック
機種要件が固まったら業者選びです。以下のポイントだけ押さえてください。
- 複数メーカーを横断比較できる業者か:機種が決まっていない段階では、独立系マルチベンダー販売店2〜3社に相見積りを依頼するのが現実的です。商談初期ではマルチベンダーの強みは実感しにくいのですが、商談中盤で機種を絞り込むフェーズになると選択肢の幅が一気に効いてきます
- 見積書を4項目に分解して比較:(1)本体リース料金 (2)カウンター料金単価(モノクロ・カラー別) (3)保守契約の範囲 (4)クラウド連携設定など別契約となる項目 に分けて比較。本体価格が安くてもカウンター料金が高ければ運用コストは逆転します
見積書の読み解き方は複合機(コピー機)の見積書の正しい見方と信頼できる販売店の選び方もご参照ください。
よくある質問

Q1. 士業事務所の複合機は最低限どんな機能が必要ですか?
A. A3対応・FAX・300dpi以上のスキャン・PDF保存の4機能が必須要件です。A4専用機・FAXなし機種は士業領域では業務に支障が出やすくなります。
Q2. 1〜3名の事務所で、複合機の月額はいくらが妥当ですか?
A. A3対応カラー普及機なら本体リース料金は月額1万円前後〜1万円台前半が目安。これにカウンター料金(モノクロ1〜2円・カラー10〜15円程度)と保守契約料が加わり、月間500〜1,000枚であればトータル月額1.5〜2.5万円前後の運用イメージです。
Q3. メーカー指定がないのですが、どう選べばよいですか?
A. 独立系マルチベンダー販売店に相談して複数メーカーを横断比較するのが効率的です。事務機器ねっとはSHARP・Canon・FUJIFILM・KYOCERA・OKI・EPSON・KONICA MINOLTAの7メーカーを取り扱っています。
Q4. 開業前でも相談していいですか?
A. もちろんです。開業日に合わせて設置・初期設定を完了できるよう、月間印刷枚数や必要機能を一緒に整理します。お見積り・ご相談は無料です。
まとめ:軸はシンプル、迷ったら3つに戻る
- 3つの軸:A3対応/スキャン品質(300dpi以上・PDF・両面同時)/FAX(PDF転送あれば尚良)
- 月間印刷枚数で機種クラスを決める(繁忙期に倍増するなら中位機以上)
- リース期間は長期で組み、必要時に組み換えでスケールアップ
- 電子帳簿保存法は最低3点:解像度・タイムスタンプ・検索性
- 業者は独立系マルチベンダー2〜3社で相見積り・見積書は4項目に分解
カタログを見て迷ったら、この3軸に戻ってください。「自分の事務所にはどの機種が合うのか相談したい」という段階の先生は、お気軽にご相談ください。
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この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。










事務機器ねっとは「コピー機・プリンターリース価格満足度 第1位」と「コピー機・プリンター販売サイト導入後のサポート満足度 第1位」の二冠を獲得しました。
第37号‐24020002
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