複合機リース満了時、再リースか乗り換えか|判断軸6つと総額比較シミュレーション

「リース契約の満了が1年後に迫っているが、再リースにするか新規リースに切り替えるか決めきれない」
「今の複合機はまだ動くので、費用を抑えて再リースで継続したいが、業務量が変わってきた」
「買取という選択肢もあると聞いたが、減価償却や修理費との兼ね合いがよくわからない」
――こうした声を、契約満了を控えた総務担当者の方から伺うことがあります。複合機の契約満了時は、再リース・新規リース・買取の3つの選択肢があり、それぞれ月額負担・保守条件・業務適合性が変わります。判断を先送りすると、契約満了直前で選択肢が狭まり、結果として最も高い条件で継続することになりがちです。
本記事では、複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに、契約満了1年前の総務担当者の方に向けて、更新(再リース)・買い替え(新規リース)・買取の判断基準7つと、契約満了6ヶ月前から始める実務スケジュールを整理してご紹介します。
結論から言うと、契約満了時の判断を実務レベルで進めるには、①機種寿命とメーカー部品供給期間の残り年数の把握、②カウンター料金と月額料金を合わせたトータルコストの再試算、③業務変化(印刷量・機能要件・拠点構成)への現機種の適合度確認の3点を、契約満了6ヶ月前をめどに棚卸しすることが重要です。 再リースは費用を大きく抑えられる一方、保守条件や機種寿命の制約が出ることがあり、業務変化が起きているケースでは新規リースへの切り替えが結果的に有利になる場面もあります。
1. 契約満了時の3つの選択肢(再リース・新規リース・買取)
複合機のリース契約が満了を迎えるとき、実務上は3つの選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットを整理しておくと、判断がぶれにくくなります。
1-1. 再リース
現契約と同じ機種を、リース会社と再度契約し直して継続利用する方法です。月額のリース料金は、当初のリース料金の10分の1程度に下がることが一般的です。契約期間は1年単位が多く、機種はそのまま継続利用します。保守契約は別途更新が必要で、条件が変わることもあります。
1-2. 新規リース(新機種への入れ替え)
新しい機種を、新たなリース契約で導入する方法です。月額リース料金は再リースより高くなりますが、新機種の機能(クラウド連携・セキュリティ・省エネ性能・A3対応など)や最新の保守条件を受けられます。契約期間は5〜6年が一般的です。
1-3. 買取
現契約の複合機を買い取って、自社所有の資産に切り替える方法です。買取金額は残存価格ベースで、機種によって幅があります。保守契約はメーカーメンテ・販売業者メンテのいずれかで別途契約する形が一般的です。契約満了で完全に月額固定費が消える一方、故障時の修理費が実費負担になる点は考慮が必要です。乗り換え時の詳細は複合機のリース乗り換えガイドで整理しています。
2. 更新か買い替えかを判断する7つの基準
再リース・新規リース・買取のどれが自社に合うかを判断するために、以下の7つの基準で現状を棚卸しします。契約満了6ヶ月前に、総務担当と現場担当が一緒に確認する運用が実務的です。
| No. | 判断基準 | 確認内容 | 再リース有利 | 新規リース有利 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 機種寿命 | 導入からの経過年数・法定耐用年数(5年)・実使用の目安(7〜10年)との比較 | 導入5〜7年目 | 導入7〜10年目以上 |
| 2 | メーカー部品供給期間 | メーカー保証の部品供給期間(機種によって異なる)の残り年数 | 供給期間内で残り2年以上 | 供給期間終了間近または終了済み |
| 3 | カウンター料金 | 直近3ヶ月のモノクロ/カラー別カウンター料金と現在の相場との比較 | 相場と大きく乖離なし | 相場より高めで交渉余地あり |
| 4 | 業務変化への適応力 | 印刷量・機能要件(クラウド連携・A3・FAX等)・拠点構成の変化 | 業務量・要件が大きく変わっていない | 業務量増減・機能要件の変化あり |
| 5 | トータルコストの変化 | 再リース月額+カウンター料金+保守費と、新規リースでの試算の比較 | 再リースのトータルが明らかに低い | 新規リースでも数年で差が縮まる |
| 6 | 減価償却との関係 | 買取の場合、法定耐用年数5年で減価償却する場合の会計処理負担 | 会計処理の簡素化を優先 | 買取での資産計上を許容できる場合は買取候補 |
| 7 | セキュリティ・機能要件 | HDD暗号化・クラウド連携・省エネ性能などの現機種の対応状況 | 現機種で要件充足 | 要件未充足・新機種で対応 |
2-1. 機種寿命とメーカー部品供給期間
複合機の法定耐用年数は5年ですが、実使用は7〜10年程度が目安とされます。メーカーの部品供給期間は機種によって異なり、生産終了から一定年数で終了します。部品供給が終わった機種は、故障時の修理対応が難しくなるため、供給終了間近であれば新規リースへの切り替えを検討するのが現実的です。
2-2. カウンター料金の適正性
カウンター料金(1枚あたりの印刷単価)は、契約時点の相場で設定されており、契約期間中の変更は原則できません。契約満了は、カウンター料金単価を見直す実務上のチャンスです。直近3ヶ月のモノクロ・カラー別の印刷実績を集計し、複数業者の見積りと比較する準備をしておきます。詳細は複合機の再リースと買取の比較ガイドを参考にしてください。
2-3. 業務変化への適応力
5〜6年前の導入時と現在で、業務量・機能要件が変わっていないケースは実務上あまり多くありません。従業員数の増減、テレワークの導入、クラウドサービスの活用、拠点の増減など、複合機の要件に影響する変化を洗い出し、現機種で対応可能かを確認します。
3. 再リースを選ぶべきケース
以下の条件が揃っている場合、再リースを選ぶ判断が現実的です。
- 導入から5〜7年目で、機種の実使用に大きな不満がない
- メーカー部品供給期間が残り2年以上ある
- 業務量・機能要件が導入時から大きく変わっていない
- 短期的(1〜2年)にコストを抑えたい事情がある
- 次の機種選定・移行作業のリソースを、当面確保できない
3-1. 再リース時に確認しておくこと
再リースは月額が下がる一方、保守契約が別途更新扱いになるため、以下の点を確認しておきます。
- 保守契約の範囲(巡回点検・部品交換・駆けつけ対応)が現契約と同等か
- カウンター料金単価が現契約と同じか、または見直しの余地があるか
- 部品供給期間が再リース期間中に切れないか
- 次回の契約満了時に新規リースまたは買取に切り替える計画をあらかじめ立てられるか
4. 新規リースに切り替えるべきケース
以下の条件に該当する場合、新規リースへの切り替えを前向きに検討するのが現実的です。
- 導入から7〜10年以上経過し、故障頻度が上がってきている
- メーカー部品供給期間が終了間近または終了済み
- 業務量が増減し、現機種のスペックと合わなくなってきた
- クラウド連携・セキュリティ・省エネ性能などの機能要件が新たに発生している
- 現契約のカウンター料金が現在の相場より高いと感じている
4-1. 新規リース時のトータルコスト試算
新規リースは月額が上がる一方、カウンター料金単価の見直し・機能改善・保守条件の刷新をまとめて実現できます。月額本体リース料金だけで比較せず、月額料金+カウンター料金+保守費を合わせたトータルコストで比較すると判断がぶれにくくなります。詳細は複合機のリース料金相場を参考にしてください。
4-2. 販売業者の比較準備
新規リースへの切り替え時は、複数の販売業者から見積りを取り、条件を比較する準備をしておきます。マルチベンダー販売店(複数メーカーを取り扱う独立系販売店)は、業種・業務量に応じた機種選択の幅が広がる傾向があります。販売店比較の観点は複合機リース販売店の比較で整理しています。
5. 買取を選ぶべきケース
買取は、月額固定費を完全になくしたい場合や、事業計画上リース資産を持たない方針の場合に選ばれる選択肢です。
5-1. 買取に向くケース
- 複合機の実使用に大きな不満がなく、あと2〜3年は現機種で運用したい
- 会計上、複合機を自社資産として計上することに問題がない
- 故障時の修理費を実費負担できる予算の余裕がある
- メーカー部品供給期間が残り3年以上ある
5-2. 買取時の注意点
買取後は、保守契約を別途締結する形が一般的です。メーカーメンテ・販売業者メンテのいずれを選ぶかで、駆けつけ時間・カウンター料金単価・部品交換の範囲が変わります。買取金額の交渉と保守条件の交渉は、あらかじめセットで進めておくと後の運用がスムーズです。
6. 契約満了6ヶ月前から始める実務スケジュール
契約満了直前になってから判断を始めると、選択肢が狭まり、結果として最も高い条件で継続することになりがちです。以下のスケジュール感で、6ヶ月前から動くのが現実的です。
6-1. 契約満了6ヶ月前:現状棚卸し
- 現契約の月額・カウンター料金単価・保守条件を契約書で確認
- 直近3ヶ月の印刷実績(モノクロ/カラー別)を集計
- 現機種のメーカー部品供給期間の残り年数を確認
- 業務変化(印刷量・機能要件・拠点構成)を洗い出し
- 判断基準7項目でセルフチェック
6-2. 契約満了5〜4ヶ月前:業者への見積り依頼
- 再リースの見積り(現業者)と、新規リースの見積り(複数業者)を並行して依頼
- 買取を検討する場合は、買取金額と保守契約の条件をあわせて確認
- マルチベンダー販売店を含めた複数社比較の準備。詳細は複合機リースの値下げ交渉準備を参考に
6-3. 契約満了3〜2ヶ月前:条件の比較・決定
- トータルコスト(月額料金+カウンター料金+保守費)で3年・5年ベースの試算
- 保守条件(駆けつけ時間・代替機の有無・カウンター料金単価)の比較
- 社内稟議・決裁を経て契約先を決定
6-4. 契約満了1ヶ月前:切り替え実務
- 新機種の場合、設置場所の再確認・ネットワーク設定・ドライバ配布の計画
- 現機種の返却または撤去のスケジュール調整
- 返却時のHDDデータ消去手順の確認・消去証明書の依頼
- ユーザー向けの操作レクチャー日程の調整
7. よくある質問(Q&A)
Q. 再リースの月額はどれくらい下がりますか
A. 一般的には、当初のリース料金の10分の1程度に下がることが多いです。ただし、保守契約が別途更新扱いになり、カウンター料金は現契約と同じ単価で継続することが一般的です。詳細な金額は業者・機種によって幅があるため、契約書と現業者への確認が確実です。
Q. 契約満了ぎりぎりで判断すると何が問題ですか
A. 複数業者からの見積り比較・社内稟議・切り替え実務のリードタイムを確保できず、結果として現業者との再リースが唯一の選択肢になりがちです。6ヶ月前から動くと、再リース・新規リース・買取の3つの選択肢を並行して比較でき、条件交渉の余地も広がります。
Q. 買取と新規リース、どちらが会計上有利ですか
A. 一概には言えません。買取は資産計上と減価償却(法定耐用年数5年)の会計処理が発生する一方、月額固定費を完全になくせます。新規リースはリース料金を経費計上できる一方、契約期間中は継続的な月額費用が発生します。会計方針・事業計画に応じて判断するのが現実的です。
Q. 業務量が減っている場合、再リースと新規リースのどちらが有利ですか
A. 業務量が明確に減っている場合は、下位機種への新規リース切り替えでトータルコストを下げられる可能性があります。現機種のスペックが余っている状態で再リースを続けると、機能に対して割高な支払いになりがちです。複数業者に見積りを依頼して比較するのが実務的です。
Q. 再リースを選んだ後、次の契約満了時に新規リースへ切り替えることはできますか
A. できます。再リースは1年単位の契約が一般的で、次回満了時に改めて再リース継続・新規リース切り替え・買取・返却のいずれかを選べます。ただし、再リースを繰り返すうちにメーカー部品供給期間が終了することもあるため、再リースを選ぶ時点で「次の見直しタイミング」もあわせて計画しておくと運用が安定します。
8. 複合機の更新・買い替え判断なら「事務機器ねっと」にご相談ください
複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)は、SHARP・Canon・FUJIFILM・KYOCERA・OKI・EPSON・KONICA MINOLTA・HPの8メーカーを取り扱う独立系マルチベンダー販売店です。契約満了を控えた総務担当者の方の相談を、5〜6年のリース契約サイクルの中で継続的にお受けしています。
「再リースにするか新規リースに切り替えるか判断材料が欲しい」「複数業者の見積り比較を進めたいが観点を整理したい」「買取・返却・新規リースのトータルコストを試算してほしい」といった段階の総務担当者の方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。8メーカーの中から、業務量・機能要件・拠点構成に応じた選択肢を複数パターン比較提示いたします。
9. まとめ
複合機の契約満了時の判断は、「今の月額が安くなるかどうか」だけで決めると、5〜6年後にもう一度同じ判断を迫られることになります。機種寿命・部品供給期間・カウンター料金の適正性・業務変化への適応力・トータルコスト・会計処理・機能要件の7つの基準で、契約満了6ヶ月前から棚卸しを始めるのが現実的な進め方です。
再リースは費用を抑えられる一方、機種寿命と保守条件の制約が出ることがあります。業務変化が起きているケースや、部品供給期間が終了間近のケースでは、新規リースへの切り替えが結果として有利になる場面が少なくありません。買取は月額固定費を完全になくせる代わりに、故障時の修理費と保守契約を自社で管理する必要が出てきます。
複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)は、8メーカーの中立的な立場から、契約満了時の判断材料をトータルコスト比較つきでご案内しています。お気軽にご相談ください。
この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。











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第37号‐24020002
(適用範囲:HCグループ)
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