複合機の選び方を徹底解説!判断基準や確認しておく3つのポイント
複合機にはさまざまな種類がありますが、正しいものの選び方をご存じの方は少ないのではないでしょうか。
ご自身に合った複合機を購入するためには、判断基準を理解することが重要です。
この記事では初めて複合機を導入する方、また複合機の入れ替えをご検討されている方に向けて、複合機の選び方を徹底解説します。
複合機選びの判断基準やあらかじめ確認しておくポイントを解説していますので、参考にしてください。
【複合機】業務用と家庭用の違い
複合機とは、プリントやFAX、スキャン、Eメールなどの機能が搭載されたコピー機のことです。
業務用と家庭用の大きな違いは、機能と大きさ、コストです。
業務用の複合機は、プリントやFAX、Eメールなど複数の機能が搭載されています。
機能が多くたくさんの仕事をこなせますが、その反面サイズが大きく、床置きタイプがほとんどです。コストは機能にもよりますが、一台で数百万円するものもあります。そのため、事業主や法人の方はリースやレンタルで月額費用を抑えて使用している場合がほとんどです。
一方、家庭用は主にプリント機能とスキャン機能のみが搭載されたものを複合機と呼んでいます。プリント機能とスキャン機能を組み合わせることで、コピー機やFAXとして使用可能です。機能は業務用に比べ限定的ですが、サイズが手頃で机に置いて使用するものがたくさん販売されています。家庭用であれば、1万円以下での購入も可能です。
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複合機を選ぶ判断基準
ここでは、複合機を選ぶうえで重要となる判断基準をいくつかご紹介します。
判断基準を理解したうえで、ご自身の使い方に適したモデルを購入できるよう、使用頻度や必要となる機能などをしっかりと理解しておきましょう。
1日にどのくらい印刷するのか、画質はどの程度のクオリティが必要なのかなど、具体的なご自身の使い方と照らし合わせながら読み進めてみてください。
印刷速度
印刷速度は、複合機の金額に最も影響するポイントであるため、適正な速度を理解しておくことが非常に重要です。
速度が速すぎる場合は、オーバースペックでリース契約やレンタル契約の月額料金が高額になります。また、速度が遅い場合には業務効率が悪くなります。
印刷速度は、月間の印刷枚数を把握することで適正な速度が分かります。
月間の印刷枚数は「従業員の人数×1人あたりの印刷する枚数×月間営業日数」で計算できます。
また、月によって印刷枚数は増減するため、この計算式で出した印刷枚数よりも多めに印刷できる複合機を選びましょう。
入れ替えを検討されている方は、既に使用中の複合機の設定画面、リースの場合は請求書から、前月の月間印刷枚数を確認できます。前月の印刷枚数が分かることで、より正確に適正な印刷速度が計算できます。
画質
実は複合機の出力の際の画質は、ハイスペックモデルでない限り大きな違いはありません。
しかし、印刷に使用する塗料は画質に関わってくるのでご自身が最低限必要とする画質を意識しておいてください。
オフィスで使用される複合機で一般的なものが「トナータイプ」です。
トナータイプは粉状のインクを使用します。特徴として、インクが非常に大容量であるため、交換の頻度が低く済みます。
また、大量の印刷に向いており、1枚当たりの印刷料金を抑えることが可能です。
しかし、高画質な印刷には向いていません。
家庭用プリンターでよく使用される塗料が「染料タイプ」と「顔料タイプ」です。
染料タイプは着色粉末粒子が溶剤に溶けたもので、紙に染み込みやすい特徴があります。
そのため、鮮やかな写真の印刷に向いている一方で、乾きにくい特徴があります。
顔料タイプは表面に塗料を定着させるタイプで、紙質に左右されず、色や線をはっきりと表現することが可能です。
そのため、図形や文字の印刷に適しています。
オプション機能
複合機には、印刷のほかにFAXやスキャナなど、一般的な機能が搭載されています。機種によって違いがあるため、ご自身の用途にあわせて機種・オプションを選んでおきましょう。
また、ご自身で使用しているパソコンに対応した機種を選ぶことも非常に重要です。複合機の多くはWindowsに対応していますが、中にはMacには対応していないモデルがあります。
複合機を使用する際に、ICカードなどの認証が必須の機器を導入している企業も増えています。ICカードを持っている人のみ使用できるため、不正利用や情報漏洩などを防ぐことが可能です。
スキャナを多く使用する場合は、「自動原稿送り装置(ADF)」があると便利です。ADFは大量の書類を自動で読み込み、PDFファイルに変換できる機能です。
近年では、SDGsの観点からペーパーレス受信搭載機種を選ぶ方も増えています。ペーパーレスとは、これまで紙媒体で印刷、保管していた文書をデータ化して保存することです。ペーパーレス受信搭載機種であれば、FAXで送られて来た文書をデータ化して自動で保存してくれるため、FAX受信後の印刷物を取りに行く手間も省け、業務効率向上が見込めます。
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保守サービス
複合機を選ぶ上で、保守サービスも忘れてはいけない重要なポイントです。突然のトラブルが発生した場合、業務が止まってしまうこともあります。そのため、保守サービスが充実した業者を選ぶことは会社の生産性に大きく影響します。
また、リース元である販売店と保守契約を結ぶことで、故障などのトラブル対応はもちろんのこと、トナーやインクを自動で配送してもらえたり、定期メンテナンスも行ってもらえたりするといったメリットがあります。
複合機の購入・契約方法
ここからは、新規購入以外で複合機を導入する方法をご紹介します。どのくらいの広さのオフィスで使用するのか、何人で使用するのかなど、ご自身の使い方に合った導入方法を取ることで、無駄な経費をかけることなく複合機の導入が可能です。
リース
リースの最大の特徴は、月額の基本料金を固定できることです。
購入に比べ、初期費用を抑えての導入が可能であるため、事業を興したばかりの方や、事業拡大のため他に資金を充てたいなどといった際には、導入しやすいと言えます。
また、長期契約を結べば、レンタルよりも毎月の料金を抑えることが可能です。
リース契約の内容は業者によって異なりますが、月間印刷枚数によって、保守料金が変動する「カウンター方式」が広く採用されています。料金の内訳としては、「基本料金+カウンター料金」となります。カウンター料金に修理代金やトナー料金が含まれています。
リース契約には、スポット方式やキット方式などもあります。スポット方式とは、月額の保守料金がかかりません。しかし、複合機が故障した場合、その都度有償で修理を行ってもらう方式です。また、キット方式は、トナーキットと呼ばれる、トナー(インク)とそのインクを押し付けるためのドラムと呼ばれる部品をセットで購入します。購入したトナー(インク)が切れるまで保守(修理や消耗品)が受けられる契約方式です。
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レンタル
レンタルは一時的に複合機を使用したい場合に適した導入方法です。数日から1週間程度と、使用したい期間分だけ利用できるため、柔軟な導入が可能です。また、利用期間に縛りがないため、好きな時に解約できるのも気軽に利用できるポイントと言えます。
そのほかに、管理コストがかからない、契約の際に審査が不要など(リースの場合は審査がある)、最も気軽に複合機を導入できるのがレンタルです。
中古購入
購入の場合、リースに比べ初期費用がかかりますが、少しでも購入費用を抑えたい場合には、中古での購入が賢い選択です。ただし、中古の複合機は、本体価格を抑えて購入できるものの、保守費用が新品と比べ高くなる傾向にあります。
また、メーカー部品の供給が終わっている場合には、修理ができません。中古品の購入を検討する場合は、あらかじめ詳細情報を確認しておきましょう。
複合機を選ぶ際に確認しておくポイント
ここからは、複合機を選ぶうえで必ず確認しておくべきポイントをご紹介します。
複合機選びの判断基準と共に、導入直前で確認しておくことで、出来る限り失敗を避けられます。
本体料金と契約期間
リース契約の場合、料金は複合機本体の料金を契約年数で割ったものに、リースの手数料がかかってくるのが一般的です。ここで、必ず確認しておくべきことが、本体料金と契約期間です。
複合機の減価償却は、5年と決まっています。そのため、リース期間も5年の60回払いとなっていることがほとんどですが、実は必ず5年契約でないといけない訳ではありません。
6年契約の72回払いや、7年契約の84回払いなどのように契約年数を伸ばすことが可能です。
一方で、リース契約は、契約期間が長くなると、手数料が増えるため、支払総額が高くなってしまいます。リース契約を結ぶ前に、意図せずリース期間が5年より長く設定されていないか、支払総額はいくらかなどを確認しておきましょう。
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保守料金(カウンター料金)
保守サービスには複数の方式がありますが、多くの複合機利用者はカウンター方式を取っています。カウンター方式は、「基本料金」と「カウンター料金」が毎月かかってくる契約方法です。
基本料金は、複合機を使用しなかった場合でも必ず支払わなければいけない金額のことです。
カウンター料金は、一定の期間でどれだけの印刷を行ったかによって変動する金額です。1枚あたり〇円と単価が決まっており、その単価と利用枚数によって請求の金額が変わってきます。
基本料金は業者によって異なります。カウンター料金が安すぎる業者は、どこかで費用を削減している可能性が高いでしょう。
もちろん、パーツやトナーの仕入れ額を抑え、お客様に還元している場合もありますが、中には人件費を削減している場合もあります。人件費を削減することで、アフターフォローの質に影響が出ます。修理までに時間がかかったり、そもそも修理担当者の技術力が足りず修理ができないといったこともあり得ます。その結果、ユーザーが高いお金を支払う事になりかねません。
保守契約には、メーカーと直接契約する場合や、販売店と契約する場合など複数のパターンが考えられます。
メーカー以外と契約する場合は、その業者がメーカー公認業者か否かはしっかり確認しておきましょう。
また、対応してくれる保守業者の拠点が近くにあるかどうかも必ず確認しましょう。どれだけ優秀な保守業者でも、近くに拠点がなければ迅速な対応は難しくなります。
【関連記事】複合機のカウンター料金とは?おさえておくべき基本と相場をチェック
消耗品代
消耗品である、トナーや用紙代を無料にしている業者が時々います。
実際に、用紙代を無料で提供している業者もあるかもしれませんが、中には本体料金やカウンター料金に含まれていることもあるので、必ず確認しましょう。
また、トナー代が無料という言葉には注意が必要です。
そもそも、カウンター料金には、トナー代や修理料金が含まれているので、追加でトナー代が発生することはありません。
保守契約を結べば、どこの業者であってもトナー代は無料なので、正しい情報を学び営業トークに惑わされないように気をつけましょう。
複合機選びをプロがサポート
一通り、複合機選びのポイントについて解説してきました。
しかし、ご自身だけで判断するのは難しいと感じている方には、複合機のプロのサポートを受けるのが非常におすすめです。
”事務機器ねっと”には、目利き力のあるプロが在籍しています。
また、メーカーや特定の機器にこだわることのないマルチベンダーであるため、一人ひとりに本当に適した複合機を選んでもらえます。
複合機の導入を検討している方はぜひご確認ください。
判断基準と自身の使い方を照らし合わせて、適切な複合機を導入しよう
複合機は会社の業務効率を左右する機器であることは本記事でお伝えしたとおりです。
自身や自社にとって最適な複合機を選ぶうえでは、まず具体的な使用イメージを持ち、必要なスペックを決めましょう。
「自身で最適な複合機を判断するのは難しい」
「まだどんな使い方をするか具体的にイメージできない」
とお悩みの方は、プロの専門業者に相談してみてください。
この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。