【情報社会の常識】複合機のセキュリティ対策とは?情報漏えいを防ぐために知っておくべきポイント

オフィスで日常的に使うコピー機や複合機は、高度な「情報端末」としてネットワークに接続されているため、常に外部からのリスクにさらされています。機器自体に多くの機能が搭載されて便利になった一方、設定や運用が不十分だと、思わぬ情報漏えいにつながりかねません。
本記事では、コピー機・複合機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに、コピー機・複合機のセキュリティ対策をわかりやすく解説していきます。ぜひ、コピー機や複合機のセキュリティを強化する参考にしてください。
コピー機・複合機は“情報端末”として狙われる ─ 現代の7大セキュリティリスク

コピー機・複合機は、ただ印刷するための機械ではありません。ネットワーク接続やクラウド連携、内部ストレージなど、情報を蓄積・転送する機能が多数備わった高機能端末なのです。だからこそ、パソコンと同程度以上のセキュリティ対策が必要です。
ここでは、特にリスクの高い次の7つのセキュリティリスクを紹介します。
・外部ネットワークからの侵入(サイバー攻撃)
・ネットワーク通信の盗聴・改ざんによる情報流出
・FAXや回線経由での不正アクセス
・操作パネルからの不正利用
・本体内部ストレージ(HDD / SSD)に残るデータからの流出
・印刷物の置き忘れや持ち出しによる漏えい
・人的ミスによる誤送信
外部ネットワークからの侵入(サイバー攻撃)
コピー機・複合機がインターネット経由でアクセスできる状態にある時、外部から不正アクセスされ、乗っ取られてしまうリスクがあります。これが、サイバー攻撃です。特に古いファームウェアのまま放置された機器は脆弱で、侵入されると内部設定の書き換えやデータ閲覧につながる恐れがあり、大変危険です。
ネットワーク通信の盗聴・改ざんによる情報流出
コピー機・複合機がネットワーク上で送受信するデータは、暗号化されていないと盗聴されたり改ざんされたりするリスクがあります。たとえば、印刷データ・スキャンデータ・FAX送信データなどがネットワークに流れる際に、第三者がパケットを傍受すると、内容を解析されかねません。また、攻撃者が通信に介入してデータを書き換えてしまうおそれもあります。
FAXや回線経由での不正アクセス
これまでは固定電話網につないでいたFAXも、2024年に固定電話網がIP網に置き換わり始めたため、未対策の場合には外部から侵入されるリスクがあります。受信データが内部ストレージに残っている場合、そこから情報が流出してしまうケースが考えられます。
操作パネルからの不正利用
コピー機・複合機が誰でも操作できる状態になっていると、コピー・スキャンの不正利用や設定変更による情報流出が発生しかねません。アクセス制限がない場合は、内部のアドレス帳や設定情報も漏えいする可能性があります。
本体内部ストレージ(HDD / SSD)に残るデータからの流出
印刷・FAX・スキャンデータは、本体の内部ストレージ(HDD / SSD)に一時的に保存されます。暗号化されていない場合には、廃棄時にストレージを抜き取られ、情報が読み取られるリスクがあります。
印刷物の置き忘れや持ち出しによる漏えい
プリントアウト後に置き忘れている文書が第三者に持ち去られたり、コピーが禁じられているはずの文書を誤ってコピーしてしまったりと、物理的な情報漏えいが実はもっとも多い事故の一つだといわれています。
人的ミスによる誤送信
FAXやスキャン送信の際に宛先を誤ってしまうミスは、個人情報保護の観点からも重大です。番号やメールアドレスの誤入力によって意図しない相手に情報を送ってしまうと、送った内容や相手によっては、大問題に発展しかねません。
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コピー機・複合機のセキュリティを高める6つの基本対策

コピー機・複合機に内在するリスク対策として、コピー機・複合機のセキュリティを高める必要があります。ただし、日常業務の中で実効性を発揮できる対策であることが重要です。
ここでは、次の6つの基本対策を具体的に紹介していきます。
・ネットワーク経由の不正アクセス防止
・回線・FAX経由のアクセス制御
・操作パネルの利用制限
・本体ストレージの情報保護
・印刷物の持ち出し・盗み見の防止
・ヒューマンエラーへの対策
ネットワーク経由の不正アクセス防止
IPフィルタリングやファイアウォール設定などによる、通信制御は必須です。外部ネットワークから管理画面へ直接アクセスできてしまう状態は、非常に危険であり、特に初期パスワードのままで運用しているケースは重大なリスクがあります。ファームウェア更新を定期的に行って、脆弱性を放置しないことも大切です。
回線・FAX経由のアクセス制御
FAX回線は独立しているとはいえ、受信データが内部ストレージに残る仕様の機種も多く、そこから情報が抜き取られるリスクがあります。FAXデータを内部に保存しない設定や、受信後に即時に転送・削除する仕組みを整えることで、安全性を高められます。また、外部との接続ルートを必要最小限にすることが、回線を通じた不正侵入を防ぐポイントです。
操作パネルの利用制限
操作パネルが誰でも操作できる状態にあるコピー機・複合機は、内部データを閲覧されたり、アドレス帳を持ち出されたりして危険です。ICカードや暗証番号によるユーザー認証を導入すれば、意図しない利用者が操作する状況を防げます。
また、管理者権限のアクセスを限定して、設定画面に簡単に入れないようにすることが、内部からの情報漏えい・不正操作の防止につながります。
本体ストレージの情報保護
コピー機・複合機の内部ストレージ内には、印刷データやコピー履歴などのジョブデータ、FAXの受信データやスキャンなどのファイリングデータが保存されてい ます。暗号化されていないストレージは、廃棄時に抜き取られると、保存していたデータを読み取られ、情報が漏えいしてしまうリスクがあります。
上書き消去やストレージの暗号化、出荷時初期化など、メーカーが提供するストレージ保護機能の有効化やセキュリティキットの装着をする ことが重要です。またコピー機・複合機買い替え時に内部ストレージのデータ消去を引取業者に依頼すると良いでしょう。
印刷物の持ち出し・盗み見の防止
情報漏えい事故としてもっとも多いのは、「印刷物の置き忘れ」です。プリントアウトした資料がトレイに残っていて、他の人に見られたり持ち出されたりすると、意図せぬ情報漏えいが起こってしまいます。
出力の前に本人確認をする「セキュリティプリント(認証印刷)」を導入すれば、本人がパネルで認証するまで印刷されないため、置き忘れや取り違えのリスクが大幅に減らせます。
ヒューマンエラーへの対策
FAXやスキャンの誤送信といったヒューマンエラーは、企業にとって大きなトラブルにつながります。送信先をあらかじめ限定しておいたり、アドレス帳に登録された宛先だけ使用可能にしたりすることで、誤送信が防げます。
また、番号の再入力を必須にしたり、送信前の確認画面を表示したりするなど、人的ミスを防ぐ仕組みをコピー機・複合機側の機能と組み合わせて設定するのも必須です。
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コピー機・複合機の情報漏えい防止に役立つ主なセキュリティ機能

コピー機・複合機には、現代のセキュリティへの脅威に対応するために、ネットワーク保護・アクセス制御・データ保護に関わる防御機能が標準搭載されています。これらを複合的に活用することで、漏えいのリスクを大幅に減らせます。
特に、クラウド連携やスマホ連携が進む今、コピー機・複合機のセキュリティ機能をしっかり把握し、適切に有効化することが必須です。
ここでは以下の代表的な機能について、詳しく解説していきます。
・セキュリティプリント(認証印刷)
・送信先制限 / ダイヤル制限機能
・ユーザーID / 権限管理
・IPアドレス・IPv4フィルタリング
・SSL/TLS 暗号化通信
セキュリティプリント(認証印刷)
セキュリティプリント(認証印刷)とは、プリントする指示を出した後、ICカードや暗証番号入力、ID認証などによって本人確認が済んで初めて印刷される仕組みです。出力済みの紙が放置されるのを防いだり、第三者による閲覧や持ち出しを防いだりできます。ログ管理と組み合わせれば、誰がいつ印刷したかまで把握でき、不正利用防止にも役立ちます。
送信先制限 / ダイヤル制限機能
送信先制限・ダイヤル制限機能とは、FAXやスキャン送信の宛先を限定することで、誤送信を未然に防ぐ機能です。許可された宛先のみ送信可能にしたり、番号を再入力しないと送信できない設定にしたりすることで、人為的なミスが原因の事故を大幅に減らせます。
情報漏えいの大きな要因の一つである宛先の間違いを防ぐため、企業の規模を問わずに導入されている機能です。
ユーザーID / 権限管理
利用者ごとにアクセス権限を設定して、コピーやスキャン、FAXやクラウド送信といった操作を必要最小限に制御できる機能です。権限の管理を適切に設定することで、意図しない情報の閲覧や機密データの送信を防げます。
また、ユーザーごとのログを保存することで、万が一の情報漏えいなどの際に、不正利用の追跡が可能になります。
IPアドレス・IPv4フィルタリング
コピー機・複合機にアクセスできるIPアドレスを限定して、許可された端末のみ利用できるようにする機能です。
ネットワーク経由の不正アクセスを防ぐための根幹となる技術であって、外部からの侵入だけでなく、社内の不正端末からのアクセスも遮断できます。セキュリティ強化の初期段階として、もっとも導入しやすい設定項目です。
SSL/TLS 暗号化通信
印刷データやスキャンデータを、ネットワーク上で安全に送受信するための暗号化技術です。暗号化されていない通信は盗み見されるリスクがあるものの、SSL/TLSを有効にすれば、内容を第三者が読み取るのが極めて困難になるでしょう。
メール送信やWeb管理画面、クラウド連携などコピー機・複合機の様々な通信を安全に保つ基盤となる機能です。
各メーカーが執り行っているセキュリティ対策
コピー機・複合機の主要メーカー各社は、情報セキュリティへの脅威に対応すべく、独自のアプローチで包括的なセキュリティ対策を展開しています。
シャープでは、データセキュリティキットによる暗号化技術とTPMを活用した保護機能を提供しています。ジョブデータやドキュメントファイリングデータを暗号化するとともに、ハードディスク内の実データを乱数値で上書きして消去する仕組みを採用し、データ復元を困難にしているのです。
また、強制アクセス制御機能により、許可されていないプログラムからのアクセスを検知・拒否することで、悪意のあるプログラムからの不正アクセスを防いでいます。
キヤノンのimageFORCEシリーズでは、環境推定エンジンが搭載されており、社内イントラやインターネット直結など6つのセキュリティータイプから最適な設定を自動で選択できる「おすすめセキュリティー設定」機能を実装。
80以上のセキュリティ 関連項目を一括設定できるため、専門知識がなくても適切なセキュリティレベルを維持できます。さらに、起動時のシステム検証と稼働中の改ざん防止機能により、不正プログラムの混入を検知して自動復旧する仕組みも備えているのです。
富士フイルムビジネスイノベーションは、国際的な情報技術セキュリティー評価基準であるISO/IEC15408認証を取得し、第三者機関による客観的な評価を受けています。複合機の開発段階からライフサイクル全体を通じてセキュリティー品質を確保する体制を整えており、情報セキュリティーリスクに対する課題が判明した際には、直ちに対策会議を招集して迅速に対応しています。
エプソンでは、製品の企画から開発・製造・販売・保守まで、ライフサイクル全体を通じたセキュリティー対策を実践。独自開発したプリンター制御用ICと専用ファームウェアを組み合わせることで、通信部とその他の情報処理部を分離した制御を実現し、外部からの不正アクセスを防いでいます。また、起動時のファームウェア署名検証やセキュアブート機能により、正規のプログラムのみが動作する仕組みを構築しているのです。
このように各メーカーは、暗号化技術やアクセス制御、ファームウェア保護、第三者評価の取得など、多層的なアプローチでコピー機・複合機のセキュリティ強化に取り組んでおり、企業や組織が安心して利用できる環境づくりを推進しています。
複合機の導入・セキュリティ対策は「事務機器ねっと」にご相談ください!

コピー機・複合機のセキュリティ対策は、機能の選定だけでなく、ネットワーク設定や運用ルールの構築までを含めて検討しなければなりません。しかしメーカーごとに仕様は異なり、どの機能を優先すればいいのか判断するのは簡単ではありません。
そのため、専門的な知識を持つ販売店に相談しながら、自社の環境に最適な構成を選ぶ企業が増えています。
コピー機・複合機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)では、機器の選定から設定、運用のサポートまで一貫して対応しています。セキュリティに関する要望やネットワーク構成の改善についてのご提案も可能です。
コピー機・複合機の導入をきっかけにセキュリティレベルを高めたい企業にとって、安心して相談できる体制を整えております。
コピー機・複合機のセキュリティに関するよくある質問
コピー機・複合機のセキュリティ対策は、運用している企業の規模に関わらず共通して問われるテーマです。ここでは、導入時や運用時によく寄せられる質問をピックアップしました。
・複合機にセキュリティ対策は本当に必要ですか?
・情報漏えいを防ぐうえで特に重要な機能は何ですか?
・セキュリティ対策を強化するとコストは増えますか?
複合機にセキュリティ対策は本当に必要ですか?
はい。複合機はコピー・印刷だけでなく、スキャン・FAX・ネットワーク転送・クラウド連携など、多くの情報を扱う機器です。社内ネットワークに接続している以上、外部からの不正アクセスやデータの不正取得が発生する可能性は、ゼロではありません。
また、印刷物の放置や操作ミスによる情報漏えいなど、日常的なリスクも存在します。このような背景から、パソコンと同様に複合機にも一定のセキュリティ対策が求められます。
特に機密情報を扱う企業・部署では、一定レベル以上の対策を講じて、人的ミスや外部攻撃のリスクを大幅に減らす必要があるでしょう。
情報漏えいを防ぐうえで特に重要な機能は何ですか?
複合機に求められる機能は、業務内容によって異なるものの、一般的に重要視されるのは、認証印刷・アクセス制御・データ暗号化・通信暗号化など、情報の「アクセス」と「保存」の両面を守る機能です。
特に、印刷物の放置による漏えいは日常的に起こりやすいため、セキュリティプリント(認証印刷)は高い効果が期待できます。また、送信先の制限やユーザー権限の管理は、誤送信や不正コピーを防止するのに有効です。
さらにネットワーク通信を暗号化することで、送信中のデータを盗み見られるリスクを下げられます。
セキュリティ対策を強化するとコストは増えますか?
一部の機能については、オプション費用が発生する場合もあるものの、すべての対策が高コストではありません。多くの複合機には基本的なセキュリティ機能が標準搭載されており、設定や運用ルールを見直すだけで改善できるケースも多々あります。
また、セキュリティ事故が発生した場合の、信用失墜や賠償事故対応コストを考えると、適切な対策はむしろ投資としてとらえることが一般的です。必要な機能を選別して、自社にとって無駄のない構成にすることで、コストを抑えつつリスクを軽減できます。
まとめ
コピー機・複合機は便利な一方で、ネットワーク接続やストレージ保存、FAXの送受信など多様な機能を通じて情報を扱う「情報端末」の側面も持っています。適切な対策をしないまま利用し続けると、外部からの攻撃や人的ミスによるトラブルにつながりかねません。
本記事は、コピー機・複合機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに提供しました。コピー機・複合機の選定やセキュリティ設定、運用改善に関するご相談はお気軽にお問合せください。
この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。













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