運送・物流会社の複合機選び【送り状・点呼記録・車両管理台帳】

「点呼記録簿を毎日作成していて、保存が義務なので量が積み上がる」
「事務所が倉庫に隣接していて、粉塵で機械が傷まないか心配」
「早朝と深夜に出庫があるので、その時間帯にも印刷が発生する」
こうした声を、運送会社・物流会社の運行管理者や総務のご担当者様から伺うことがあります。運送業の書類業務は、法令で作成と保存が義務づけられた帳票が日々発生し、それが24時間の運行体制と重なる点に特徴があります。
結論から言うと、運送・物流会社の複合機選びは、①法定帳票の日次発生量に耐える処理能力、②倉庫に隣接する環境への設置対策、③早朝・深夜の稼働に対応する省エネ復帰の速さ、の3点を軸に整理するのが実務的です。この3軸を押さえておけば、小規模運送事業者から複数営業所を持つ物流会社まで、体制に合わせて機種を絞り込めます。
本記事では、複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに、運送業ならではの帳票運用・設置環境の注意点・営業所展開時の設計方針までを整理します。
事務機器ねっとからのお願い
運送業の書類が持つ3つの特徴
法令で作成と保存が義務づけられた帳票が多い
貨物自動車運送事業法および関係省令により、次のような帳票の作成・保存が求められます。
- 点呼記録簿:乗務前後の点呼内容を記録。1年間の保存
- 運転者台帳:運転者ごとの情報を管理
- 乗務記録(日報):運行の記録。1年間の保存
- 車両の点検整備記録簿:定期点検の記録
これらは監査の対象になる書類です。日々発生し、保存期間中は保管が必要になります。
24時間の運行に紐づいて発生する
早朝出庫、深夜帰庫。点呼は運行のたびに行われるため、事務所の稼働時間が長い業種です。
その時間帯に印刷が発生するため、省エネモードからの復帰時間が業務のテンポに影響します。
事務所が倉庫・車庫に隣接している
多くの運送事業者では、事務所が倉庫や車庫と同じ建物、または隣接した場所にあります。粉塵・排気・温度変化が精密機器にとって負担になる環境です。
運送会社の複合機で押さえる5つの要件
1. 日次帳票の処理能力
点呼記録簿、乗務記録、送り状の控え。日々の帳票が積み上がります。
印刷速度は毎分30枚以上、給紙容量は1,000〜2,000枚以上を目安にしてください。車両台数が多い事業者ほど、点呼記録の枚数が増えます。
2. 設置環境への対策(最重要)
運送業で最も注意が必要な項目です。
粉塵
倉庫や車庫の近くは、埃と粉塵が舞います。機械内部に入り込むと、給紙不良や印字不良の原因になります。
可能な限り事務所内に設置し、倉庫・車庫とは扉で仕切ってください。 やむを得ず近い場所に置く場合は、清掃頻度を上げる運用が必要です。
温度変化
車庫に近い事務所は、夏場に高温、冬場に低温になりやすい環境です。複合機の動作保証温度(一般的に10〜32℃程度)の範囲内かを確認してください。
排気
車両の排気が入る環境は避けてください。
3. 早朝・深夜の稼働と省エネ復帰
早朝4時の出庫点呼、深夜の帰庫点呼。この時間帯に印刷が発生します。
スリープ状態から復帰に60秒かかる機種と10秒で済む機種では、点呼のたびに待ち時間が発生します。1日数十回の点呼がある事業者では、この差が積み上がります。
省エネ設定と復帰時間のバランスは複合機の消費電力と電気代でも整理しています。
4. 専用帳票への印字
送り状、運送状、専用の点呼記録様式。複写式の伝票を使う場合はドットインパクトプリンターが別途必要です。複合機では複写式伝票に対応できません。
単票(1枚もの)の専用様式であれば、複合機で印字できます。用紙のサイズと厚みが対応範囲内か、印字位置の微調整ができるかを確認してください。
5. スキャンと電子保存
点呼記録簿や乗務記録の電子保存を進める事業者が増えています。
両面自動原稿送り装置(DADF)・300dpi以上のスキャン・共有フォルダへの直接送信が揃っていると、日々の記録整理が回ります。手書きの点呼記録を取り込む場面が多いため、手書き文字が潰れない解像度を確認してください。
なお、法定帳票の電子保存の可否については所轄の運輸支局にご確認ください。
印刷される帳票ごとの要件
点呼記録簿
モノクロA4。日次で発生し、量が最も多い帳票です。モノクロ単価が月額を左右します。
乗務記録(日報)
モノクロA4。運転者ごと・運行ごとに発生します。
運転者台帳・車両管理台帳
モノクロA4。更新のたびに再出力します。
送り状・運送状
専用様式。複写式の場合はドットプリンターが必要です。
車両の点検整備記録簿
モノクロA4。定期点検のたびに作成します。
配車表・シフト表
モノクロまたはカラーA3。全体が一覧できるサイズが好まれます。
安全教育資料
カラーA4。写真や図解を使う場合、カラー再現が求められます。
事業規模別、機種の目安
小規模運送事業者(車両5〜20台)
月間印刷は1,500〜3,000枚程度。A3対応のモノクロ機かカラー普及機で足ります。設置環境の対策を優先してください。月額1.2〜1.8万円台が目安です。
中規模事業者(車両20〜100台・営業所複数)
月間4,000〜8,000枚。点呼記録の量が増えるため、毎分35枚以上・給紙2,000枚以上を基準にしてください。営業所ごとに機器を配置する構成になります。
大規模物流会社
営業所ごとの機器配置と、本社での一括契約が基本です。セキュリティ設定と保守条件を統一できる点も利点になります。複数拠点の契約の考え方は複数拠点の複合機管理ガイドを参考にしてください。
コストの見方
運送会社の複合機コストは、月額リース料とカウンター料金の合計で見ます。
モノクロ比率が9割前後になる業種です。点呼記録と乗務記録が量の大半を占めるため、モノクロ単価が月額をほぼ決めます。
月5,000枚(うちカラー300枚)で試算すると、モノクロ4,700枚×1.5円+カラー300枚×15円=月11,550円程度がカウンター料金の目安です。モノクロ単価が2円台なら月16,000円近くになり、年間で5万円以上の差が出ます。
見積を比べる際は、モノクロ単価を最優先で確認してください。料金の内訳は複合機リース料金を構成する5つのコスト項目で整理しています。
止まったときの影響と保守体制
点呼記録が印刷できないと、法定の記録作成に支障が出ます。運行そのものは続けられますが、記録の不備は監査で問題になります。
契約前に確認しておきたいのは次の3点です。
- 駆けつけ時間:何時間以内に来られるか
- 代替機の手配:修理が長引く場合に代替機が出るか
- 早朝・深夜の対応:営業時間外に止まった場合の連絡手段があるか
3つ目は運送業で特に重要です。深夜に止まった場合、翌朝まで手が打てないと点呼記録が滞ります。連絡方法と対応時間を確認してください。業者ごとの差は複合機の故障対応で業者が違うとここまで差が出るで解説しています。
よくあるご質問
Q. 複写式の送り状は複合機で印刷できますか
A. できません。複写式伝票にはドットインパクトプリンターが必要です。複合機とは別に用意することになります。単票の専用様式であれば複合機で対応できます。
Q. 倉庫の近くに置いても大丈夫ですか
A. 推奨しません。粉塵が機械内部に入り、給紙不良や印字不良の原因になります。事務所内で扉により仕切られた場所への設置を推奨します。
Q. 点呼記録簿を電子データで保存できますか
A. 法定帳票の電子保存の可否については、所轄の運輸支局にご確認ください。制度の解釈が関わるため、行政の指導に従って運用してください。
Q. 早朝の点呼で、機械の復帰待ちが発生します
A. 省エネモードの移行時間を長めに設定するか、復帰時間の短い機種に入れ替える方法があります。ウィークリータイマーで稼働時間に合わせた設定ができる機種もあります。
Q. 営業所ごとに違う業者と契約していますが、まとめられますか
A. 本社で一括契約すると単価交渉がしやすくなり、保守条件も統一できます。リース満了のタイミングが営業所ごとに違う場合は、順次揃えていく形が現実的です。
運送・物流会社の複合機なら「事務機器ねっと」にご相談ください
運送業の機種選定は、法定帳票の処理量・倉庫に隣接する設置環境・24時間運行への対応という、業種固有の要件があります。複数メーカーを横断比較できる販売業者に相談し、車両台数と事務所環境に合った機種を提示してもらうのが実務的です。
複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)は、SHARP・Canon・FUJIFILM・KYOCERA・OKI・EPSON・KONICA MINOLTA・HPの8メーカーを取り扱う独立系マルチベンダー販売店として、小規模運送事業者から複数営業所を持つ物流会社まで幅広くご相談をお受けしています。
運送業のお取引にあたっての体制
- ISO/IEC 27001(ISMS)情報セキュリティマネジメントシステム認証を取得・維持
- 創業35年・事務機器ねっと運営20年・8メーカー取扱
- 東京都内では区域担当制の自社メンテナンス体制
- 本体リース料金・カウンター料金・保守費を分けた明細でお見積り
車両台数・営業所数・月間の帳票枚数・設置予定場所の環境をお伺いした上で、8メーカーの中から用途に合う複数機種を比較してご提示いたします。ご相談はお問い合わせフォームよりご連絡ください。
まとめ
運送・物流会社の複合機選びは、①点呼記録・乗務記録の日次発生量に耐える処理能力(毎分30枚以上・給紙1,000枚以上)、②倉庫や車庫の粉塵・温度から機械を守る設置設計、③早朝・深夜の点呼に対応する省エネ復帰の速さ、の3点が基本要件になります。
モノクロ比率が9割前後になるため、モノクロのカウンター単価が月額をほぼ決めます。見積を比べる際は、まずここを確認してください。設置場所については、契約前に業者に現場を見てもらうことをおすすめします。
事務機器ねっとからのお願い
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この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。











事務機器ねっとは「コピー機・プリンターリース価格満足度 第1位」と「コピー機・プリンター販売サイト導入後のサポート満足度 第1位」の二冠を獲得しました。
第37号‐24020002
(適用範囲:HCグループ)
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