公開日 2025.06.05 更新日 2026.01.08

設計事務所に導入する複合機の選び方!基本機能や導入手段も紹介

設計事務所に複合機を導入する際は、解像度・サイズ・機能のバランスが重要です。図面やプレゼン資料などを高精度で出力したい場合、家庭用複合機では対応が難しい場面もあります。また、どの機種が最適なのか、購入・リース・レンタルといった手段の違いについて悩む担当者も多いでしょう。

 

本記事では、設計事務所向け複合機の基本的なタイプや機能の違い、選定ポイント、具体的なおすすめ機種、導入方法までを、複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに詳しく解説します。

 

複合機とは

複合機は、コピー・プリンター・スキャナー・ファクシミリ機能(FAX)などを1台に統合した業務用機器です。設計事務所のようにさまざまな文書や図面を扱う環境では、高機能な複合機が作業効率の鍵です。

 

特に、印刷品質や処理スピード、用紙対応力などが業務の質を左右するため、選定には慎重な判断が求められるでしょう。ここからは、インクジェットとレーザープリントについて紹介します。

関連記事:レーザープリンターとインクジェットプリンターを徹底解説

タイプ1.インクジェット

インクジェット方式は、液体インクを極小のノズルから噴射し、用紙上に着色する構造です。写真やグラフィックに強く、色再現が求められる資料作成に向いています。インクカートリッジは比較的安価であり、導入初期のコストを抑えやすい傾向です。

 

ただし、使用頻度が低い場合はプリントヘッドにインクが固着し、印字不良が生じることもあるため定期的なメンテナンスが必要です。

 

また、設計図のような繊細な線画を扱う場合は、高解像度モデルを選ぶ必要があります。そのため、コストを意識しながらも、印刷品質とのバランスを見極めることが重要です。

タイプ2.レーザープリント

レーザープリンターは、静電気を用いてトナーを用紙に吸着させ、熱処理によって定着させる仕組みです。印刷速度が速く、長時間の連続運転にも適しています。インクジェットに比べ、1枚あたりの印刷コストが低いため、大量出力が必要な業務でも利用しやすい特徴があります。

 

また、文字や直線の再現性が高く、モノクロの設計図面や図表の印刷にも適しているでしょう。トナーカートリッジの交換頻度も少なく、安定した利用が可能です。設計業務においては、業務効率と印刷精度の両立が図れる選択肢といえます。

複合機の主な機能

複合機は、業務を効率化するための機能を1台に集約した機器です。コピー・印刷・スキャン・FAXといった作業を手間なく実行でき、各機器を個別に用意する必要がありません。

 

設計事務所では、精密な図面や資料の出力・送信・保存などさまざまな業務が求められるため、複合機の基本機能を把握しておくことが大切です。ここからは、複合機の主な機能について紹介します。

コピー・印刷機能

コピー機能は、紙の原稿を読み取り、同一内容を別の用紙に複製します。印刷精度が高ければ、細かい図面や設計資料も正確に再現できます。一方、印刷機能は、パソコン端末から送信されたデータを出力する仕組みです。

 

PDFや画像、CADデータなど幅広いファイル形式に対応し、複数ページの連続印刷にも適しています。大量出力が求められる現場では、印刷速度や用紙対応力が生産性に直結します。

 

高性能な複合機を選定すれば、業務の流れを妨げることなく、精密な印刷を安定的に行えるでしょう。

スキャン機能

スキャン機能では、紙の資料をデジタル化し、業務の保存性と共有性を高めます。原稿ガラスや自動原稿送り装置(ADF)に資料をセットし、PDFやJPEG形式で保存します。保存先は、複合機と接続されたパソコンや、ネットワーク上の共有フォルダです。

 

クラウドストレージとの連携も可能であり、場所を選ばずにデータへアクセスできます。会議資料や図面をスキャンして関係者へ一括送信すれば、紙資料の配布作業を省けます。スキャン精度や対応ファイル形式は、業務効率と品質維持の両立に不可欠な要素です。

関連記事:複合機で書類をスキャンするには?データの活用方法も紹介

FAX機能

FAX機能は、原稿を読み取り、他のFAX端末へ送信する手段として活用されています。

 

主な送信方法は3種類あり、1つ目は一般的な電話回線を用いたアナログ送信です。

 

2つ目は、ビジネスフォンで主装置を介して回線を制御する仕組みで、通信を一元的に管理するのに適しています。

 

3つ目は、インターネットを介してFAXを送受信する方式です。

 

メール経由で送付できるため、紙やトナーを消費せずに利用できます。誤送信の抑制や送信ログの保存も可能であり、情報管理の強化とコスト削減を両立できます。

 

設計事務所向け複合機の選定ポイント

設計事務所において複合機を選ぶ際は、一般的な事務用途とは異なる観点からの検討が必要です。印刷精度、用紙サイズへの対応、色の再現性など、専門的な作業に直結する要素を優先的に考慮する必要があります。

 

設計事務所向け複合機の選定ポイントは、主に次の6つです。

  • 高精細な印刷品質
  • A3・SRA3・A3ノビサイズの用紙対応
  • カラー再現性
  • ランニングコスト
  • 操作性とメンテナンス性
  • 安定運用のための保守サポート

ここでは、設計事務所向け複合機の選定ポイントを詳しく紹介します。

 

カラー再現性

設計資料やプレゼンテーションでは、視覚的な訴求力が成果物の評価に影響します。特に、プレゼン資料やデザイン提案では、出力時の色ズレが印象を左右する場合があるでしょう。

 

複合機に搭載されるカラーマネジメント機能の有無や、ICCプロファイルへの対応状況によって、色の精度が異なります。正確なカラー再現が可能なモデルを選べば、完成イメージを忠実に伝えられ、打ち合わせや商談の質を高めることが可能です。

 

色の違いが誤解を生まないよう、再現性の高さは最初に確認すべき要素です。

関連ページ:鮮やかで美しい写真画質の機種を選ぶ

高精細な印刷品質

設計事務所では、建築図面や設計スケッチなど、緻密な線と文字が含まれる資料を頻繁に印刷します。そのため、出力物の鮮明さが業務の正確性と直結するのです。

 

線がかすれたり潰れたりすれば、情報伝達に支障をきたす可能性があるでしょう。複合機を選定する際は、解像度600dpi以上のモデルを基準とし、図面やプレゼン資料の内容を忠実に再現できる性能を重視する必要があります。

 

出力方式や使用するトナー、インクの特性も精度に影響するため、印刷物の用途を見極めながら適切な仕様を選びましょう。

A3・SRA3・A3ノビサイズ の用紙対応

建築や設計業務では、A3やそれ以上の大判図面を扱う場面が一般的です。複合機がA3・SRA3・A3ノビサイズに対応していなければ、分割印刷や貼り合わせ作業が発生し、効率や仕上がりに悪影響を及ぼします。

 

A3対応機種であれば、周囲に余白を確保した出力が可能となり、図面全体を一枚にまとめることが可能です。視認性や読み取りやすさが向上し、クライアントや現場担当者への資料提出でも説得力が増します。

 

業務の質を保ちながら作業の手間を削減するためにも、大判印刷への対応は必須です。

関連ページ:A3カラー複合機
関連ページ:幅広複合機

ランニングコスト

複合機の導入後は、本体価格以上に継続的な運用コストが負担です。印刷頻度が高い設計事務所では、インクやトナーの単価と消耗スピードがコストに直結します。

 

印刷速度が速くても、業務内容に対して性能が過剰であれば、機能の多くが使われないまま維持費だけがかさむ場合もあるのです。そのため、月間の印刷枚数や用途を明確にし、必要最低限の性能を備えたモデルを選ぶ判断が求められます。

 

さらに、定期交換部品の価格や対応年数も確認しておくことで、長期的なコストの見通しが立てやすくなります。

関連ページ:ランニングコストを削減するには

操作性とメンテナンス性

作業効率を左右するのが、操作のしやすさと日常的なメンテナンスの手間です。頻繁に使用する機器である以上、直感的に扱える操作パネルや、設定のカスタマイズ機能があると、操作ミスを防ぎながら作業のスピードを保てます。

 

また、トナー交換や用紙補充のしやすさも、作業中のストレス軽減に貢献するでしょう。現場の誰でも簡単に扱える設計であれば、担当者にかかる負荷が軽減されます。

 

安定運用のための保守サポート

複合機は日々の業務を支える中心的な機器であり、突発的なトラブルが業務全体の遅延につながる可能性もあります。そうした事態に備えるために、保守サポートの充実度が導入時の判断基準です。

 

故障時の修理対応が迅速かどうか、定期点検や消耗部品の無償交換が含まれるかといった契約内容を確認する必要があります。また、代替機の貸し出しが可能なサービスがあれば、業務停止のリスクを回避できます。

関連ページ:保守契約とカウンター料金

設計事務所のおすすめの複合機3選

複合機は、設計業務の精度と効率を左右する重要な設備です。なかでも高解像度印刷や安定したカラーマネジメント、大容量給紙やクラウド連携といった機能は、設計事務所にとって不可欠な要素です。

 

ここでは、これらの条件を満たしつつ、業務規模や用途に応じて選びやすい富士フイルム製の複合機3機種を紹介します。印刷頻度や求められる性能に応じて、最適なモデルを選定する参考にしてください。

富士フイルム Apeos C8180

富士フイルム Apeos C8180

 

Apeos C8180は、柔軟な働き方と高品位な印刷品質を両立した複合機です。色の再現性が高く、内装デザインや素材サンプルの印刷において実物に近い仕上がりが得られます。色味の正確さが求められる業務では、発色の安定性が大きな信頼につながるでしょう。

 

対応する用紙の種類も豊富で、特殊サイズや厚手の用紙にもスムーズに対応できます。また、クラウドサービスとの連携やセキュリティ機能も強化されており、リモートワークや分散オフィスにも適した利用が可能です。印刷精度と多機能性を求める設計事務所に最適なモデルです。

富士フイルム Apeos C7071 (Model-PFS-C)

富士フイルム Apeos C7071 (Model-PFS-C)

 

Apeos C7071 (Model-PFS-C)は、月間7,000枚を超える印刷業務に対応できる高耐久仕様の複合機です。高精細な出力性能により、細部まで正確に印刷できるため、建築図面や資料作成において品質は妥協しません。クラウド連携機能も備わっており、ファイル共有や外部アクセスがスムーズに行えます。

 

加えて、大容量給紙トレイを標準搭載しており、補充の手間を最小限に抑えられるのです。印刷速度と再現力のバランスに優れており、大量印刷を日常的に行う中・大規模な設計事務所での利用に適しています。

富士フイルム Apeos C6571 (Model-PFS-C)

富士フイルム Apeos C6571 (Model-PFS-C)

 

Apeos C6571 (Model-PFS-C)は、月間4,000〜7,000枚の印刷に対応する中量運用向けのモデルです。C7071と同様の高解像度出力やクラウド機能を備えており、設計図やプレゼン資料の出力でも十分な再現力が得られます。

 

業務負荷に応じたパフォーマンスとコストのバランスが取れており、初期投資と維持費の双方を抑えながら高機能を導入できます。大容量給紙機能や自動両面印刷機能も搭載されており、継続的な作業を中断させることなく利用が可能です。業務効率と出力品質を両立させたい中規模事務所に適した複合機です。

 

設計事務所が複合機を導入する手段

設計事務所で複合機を導入する場合、購入だけでなくリースやレンタルといった複数の手段があります。それぞれに導入コスト・契約期間・保守体制などの違いがあり、事務所の規模や運用スタイルによって最適な選択肢は異なります。

 

予算に制約がある場合や、一時的な増設を検討しているケースなど、状況に応じた導入方法を検討すると、設備投資の無駄を防ぎ、業務の安定化にもつながるでしょう。ここでは、リース契約・レンタル・中古複合機の購入について紹介します。

 

コストを抑えた導入に最適なリース契約

リース契約は、初期費用をかけずに業務用複合機を導入できる手段として広く利用されています。月額料金が一定であるため、支出計画が立てやすく、資金管理が簡単です。

 

また、リース期間中はメーカーや販売店による保守サービスが含まれる場合が多く、万一のトラブルにも迅速に対応できます。導入時点で最新機種を選べるほか、契約更新時に機種を切り替えることも可能です。

 

中長期的に使い続けることを前提としながらも、技術の進化や業務変化に柔軟に対応できる点がリースの強みです。

関連記事:複合機・コピー機のリース契約の仕組みとは?料金相場もチェック

 

短期利用に便利なレンタル方式

複合機のレンタルは、短期間の使用を前提としたプロジェクトやイベント開催時に適しています。契約期間に縛りがなく、不要になればすぐに返却できるため、業務状況の変化に柔軟に対応できます。

 

繁忙期の増設や、一時的な拠点運用などにも活用される場面が多く、初期費用を抑えたい場合にも有効です。保守サービスが含まれるプランであれば、トラブル時にも迅速な対応が期待でき、限られた期間でも安心して利用できます。

 

長期利用には不向きですが、用途が明確で期間が限定されている場合に最適です。
※現在、当社ではお客様の長期的なメリットを重視し、レンタルは取り扱いがなくリース・販売を中心にご提案しております。

関連記事:コピー機はリースとレンタル、どちらが得なのか比較してみた!

 

予算重視なら中古複合機の購入も

予算を優先する場合、中古複合機の購入は導入費用を抑える手段のひとつです。新品と比較して大幅にコストを削減できる反面、製品の状態や耐用年数には注意が必要です。使用履歴が不明な機種や部品供給が終了したモデルを選ぶと、故障時に修理が難航する可能性があります。

 

また、保守契約を別途締結する必要があるため、結果としてランニングコストが高くなるケースもあるのです。短期的には経済的に優れていますが、長期間にわたって利用を前提とするなら、慎重な検討が求められます。

 

まとめ

複合機の導入方法は、事務所の運用スタイルや業務規模によって最適な選択肢が異なります。

 

リースは安定した予算管理と保守体制の両立が可能であり、バランスの取れた手段です。レンタルは短期的な需要に柔軟に対応でき、無駄な支出を避けたい場面に適しています。中古機の購入は初期投資を抑えられますが、保守や耐久性にリスクを伴います。

 

事業の成長や業務内容の変化を見据えたうえで、総合的に判断するのが、継続的な業務安定とコスト最適化につながるでしょう。

 

本記事は、複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに提供しています。

 

複合機の選定・導入に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー

大塚 義美

複合機メンテナンス許可認定

FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON

経歴

複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。

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