キヤノンは、世界的な半導体不足で、供給制限をかけてきた複合機やプリンターなどのプリンティング事業を8月末から生産数量を引き上げ、販売台数を拡大するとのことです。多数の入荷待ちの注文を抱えていましたが、2021年10月ごろから約10カ月で各部品不足への対応を進め、供給制限解除に向けた準備をしていました。この多数の入荷待ち注文に対応し、2022年下半期の販売拡大につなげるそうです。
自社仕様にカスタマイズした半導体や、複数機能を持つ汎用半導体、汎用部品の3種類について、それぞれ対応を進めてきました。その結果、部品不足に制限をかけていた供給が解除できるめどが立ちました。
カスタマイズした半導体に関しては、こまやかで的確な交渉などを通じて供給体制の維持に努めていたそうです。また安定した半導体の供給に向けて、通常ならば対応しない長期契約の締結や、買い取り保証などの対応をします。
汎用半導体については、回路を再設計することで、従来とは異なる部品構成でも同じ機能を発揮できるように半年という時間をかけて対応を進めてきました。また、回路の再設計に伴って、ソフトウエアの仕様変更も実施したとのことです。コネクターやトランジスタ、集積回路(IC)などの汎用品不足への対処としては、コストアップにはつながるものの、普段取引のない方面の商流からも同じ部品を納入してもらえるように開拓を進めておりました。
キヤノングーループ、本間利夫副社長は「部品不足に伴って商品を供給できない状況は解除されつつあり、市場が要求する商品数を供給できる状態に入ってきた」と今後を見通しています。
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