以前、このブログで「コピー機の偽札防止機能」の解説に、複合機が紙幣を見分けている方法の一つとして、紙幣には「ユーリオン」という模様がありましたね。今回は模様…繋がりで、地紋コピーについてご紹介していきます。
<目次>
・複合機の地紋コピーとは
・地紋コピーのメリット
・地紋コピーの仕組み
複合機の地紋コピーとは
地紋コピーとはなんなのか、皆さんはご存じですか? まず、この場合の「地紋」とは用紙の背景にある模様を指します。身近にある地紋が施された用紙といえば、コンビニで印刷ができる住民票や、買い物をした際の領収書でしょうか。一見なんの変哲もない用紙に見えますが、実は重要な書類や資料には地紋が印刷されています。
それはなぜか。
地紋が施された用紙をコピーすると、地紋が消えたり、背景に隠された文字がとても目立つように浮き上がって印刷されます。そのためその書類は「原本」なのか、それとも「コピー」なのかをすぐに判別できるというわけです。複合機はこの地紋を一般的な用紙に施すことができます。それが「地紋コピー」機能です。
地紋コピーのメリット
ここで改めて地紋コピーのメリットをまとめてみました。
・書類偽造の防止・抑制
地紋コピーにより、重要な書類の「原本」と「コピー」の識別が可能になり、第三者による偽造書類作成の防止効果や、抑止効果が期待できます。
・書類管理の危機意識向上に役立つ
企業の情報管理の重要性が社内に浸透し、企業秘密や重要書類などの情報流出に対する危機感が湧き意識改革につながります。
・地紋を様々な用紙に印刷できる
なによりこれら地紋を、様々な用紙に印刷できること自体が大きな利点です。複合機の地紋コピー機能を使った例として、買い物ができるクーポン券や病院の処方箋が偽造されて何度も利用される可能性を防ぐことができるのです。
この事例に限らず、企業で機密データを扱う電子文書の原本性を保つために、印刷の不正コピー抑止は大きな課題となっています。
地紋コピーの仕組み
次に、地紋コピーとはどのような仕組みか解説します。地紋コピーは原稿をコピーするときに浮き上がる文字を、隠し文字(潜像)として背景に埋め込みます。
隠し文字(コピー後に残る)は大きいドット、模様(コピー後消える)を小さいドットで印刷します。大きいドットと小さいドットの色の濃さが均一だと、印刷された地紋コピーの用紙は均一な背景模様に見えるため、隠し文字は識別しにくくなっています。しかし、地紋コピーされた用紙をコピーすると、小さいドットで印刷された模様は複合機に読み取られず、大きいドットで書かれた文字が残った形で印刷されるという仕組みです。
地紋コピー、実際にやってみました!
以前シャープショールームの記事でご紹介したMX-3661/MX-3161/MX-2661シリーズのシンプルモードに搭載されている地紋コピーを試してみました。
弊社で使用している複合機はMX-4150です。この複合機にもシンプルモードが搭載されていました。今回は地紋コピーをした用紙に、直筆で文字を書いた原本を印刷してみます。
結果地紋は綺麗に印刷されました。この地紋用紙に「事務機器ねっと」と直筆で文字を書き入れて、コピーします。すると、地紋の模様の部分は消え、コピー禁止の文字が浮かび上がりました。地紋コピー成功です!
「コピー禁止」の定型文字の他に、「禁複写」「社外秘」「取扱注意」「極秘」「複写無効」など8種類の文字を選ぶことが可能です。
PCの中にある書類を地紋印刷したい際は、印刷の設定から印刷が可能です。(シャープ複合機シンプルモードの場合)
地紋が施された紙も販売されていますが、複合機一台で完結し簡単に地紋コピーが作成できます。キヤノンのimageRUNNER ADVANCEシリーズや富士フイルムや京セラ、エプソンの複合機も地紋コピーは可能ですが、ドライバーの設定や地紋コピーができない機種もあるそうです。複合機に既に搭載されている、シャープのシンプルコピーは簡単に利用できるため、便利だと感じました。
仕事上で「社外秘」や「取扱注意」などを扱う方も多いのではないでしょうか? その際には、ぜひ複合機での地紋コピーをお試しください!