IT企業・開発会社の複合機選び【ペーパーレス下で残る印刷とセキュリティ】

「ほぼペーパーレスだが、契約書と請求書だけは紙が残っている」
「印刷枚数が少ないのに、大きな複合機をリースしている」
「開発資料を印刷するので、情報管理の観点が気になる」
こうした声を、IT企業・ソフトウェア開発会社の管理部門やコーポレートのご担当者様から伺うことがあります。IT企業の印刷業務は、電子化が最も進んでいる一方で、法務・経理・採用の領域に紙が残るという構造を持っています。
結論から言うと、IT企業の複合機選びは、①実際の印刷枚数に合った適正スペックへのダウンサイジング、②残った紙業務(契約・経理・採用)の性質に合わせた機能選定、③開発情報を守るアクセス管理、の3点を軸に整理するのが実務的です。
本記事では、複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに、ペーパーレス環境で残る印刷業務・過剰スペックの見直し方・セキュリティ要件までを整理します。
事務機器ねっとからのお願い
ペーパーレスでも紙が残る3つの領域
法務・契約
電子契約サービスの普及で契約書の電子化は進みましたが、取引先が紙を求めるケースは残ります。押印が必要な書類、官公庁への提出書類、金融機関との取引書類。相手側の事情で紙になる領域です。
経理・税務
請求書、領収書、決算資料。電子帳簿保存法への対応が進んでも、紙で受け取った書類をスキャンするという逆方向の業務が発生します。ここは印刷よりスキャンの比重が高くなります。
制度対応の要件は複合機の電子帳簿保存法対応で整理しています。
採用・人事
履歴書、職務経歴書、雇用契約書、就業規則。応募者から紙で届く書類、面接時に手元で見る資料。人が読んで判断する場面では紙が選ばれる傾向が残ります。
その他
- 開発資料の一時的な出力(設計図、画面遷移図をホワイトボード横に貼る)
- 稟議書、社内規程
- 名刺、会社案内
IT企業でありがちな「過剰スペック」
IT企業の複合機で最も多い問題が、印刷枚数に対して機械が大きすぎることです。
なぜ起きるのか
- 創業時に「とりあえず標準的な機種」を入れ、そのまま更新している
- 社員数で機種を決めており、実際の印刷量を測っていない
- 前職の環境を基準に選んでいる
適正スペックの目安
月間300枚以下
A4対応の小型機で足ります。卓上型でも運用できます。月額0.6〜1.0万円台。
月間300〜1,000枚
A3対応のカラー普及機。月額1.0〜1.5万円台。A3が不要ならA4機でさらに下がります。
月間1,000〜3,000枚
A3対応カラー中位機。月額1.5〜2.5万円台。
社員30名のIT企業で月間500枚というケースは珍しくありません。この場合、A3中位機は明らかに過剰です。
まず実測する
複合機の操作パネルから、月間の印刷枚数を確認してください。「カウンター」「メーターリード」といったメニューにあります。
過去12ヶ月の平均と、最も多い月の枚数。この2つが分かれば、適正スペックが判断できます。見直しの手順は複合機リースのコストを適正化する方法でも解説しています。
IT企業の複合機で押さえる5つの要件
1. スキャン性能(印刷より重要な場合が多い)
紙で受け取った請求書・契約書・履歴書を電子化する業務が中心になります。
両面自動原稿送り装置(DADF)・300dpi以上・共有フォルダまたはクラウドへの直接送信が揃っているかを確認してください。
OCR(文字認識)機能があると、スキャンしたPDFを検索可能な状態で保存できます。書類を電子化して蓄積する運用では、これが後から効いてきます。
2. クラウド連携
Google Drive、Dropbox、Box、SharePoint。普段使っているストレージに直接スキャンできるかを確認してください。
複合機の操作パネルからクラウドサービスにログインし、スキャンデータを直接アップロードできる機種があります。ローカルの共有フォルダを経由しない運用は、リモートワーク主体の会社と相性が良くなります。
3. 認証とアクセス管理
開発資料、顧客データ、人事情報。誰が何を印刷したかのログが残る設定は、情報管理の観点で有効です。
- ユーザー認証:ICカード、暗証番号、社員証との連携
- 認証印刷:機械の前で認証するまで出力されない
- アクセスログ:印刷・スキャン・コピーの記録
ISMS(ISO/IEC 27001)やプライバシーマークを取得している企業では、これらの設定が審査項目に関わることがあります。設定項目の全体像は複合機の情報セキュリティ対策チェックリストで解説しています。
4. ネットワークセキュリティ
複合機はネットワーク機器でもあります。IT企業では、この観点を見落とさないでください。
- 管理画面の初期パスワードを変更しているか
- 使わないプロトコル(FTP、Telnet等)を無効化できるか
- ファームウェアの更新方法と頻度
- SSL/TLSによる通信の暗号化に対応しているか
詳細はネットワーク設定の解説記事も参考になります。
5. リモートワーク環境での運用
出社頻度が低い会社では、次の点が実務的な論点になります。
- モバイル印刷:スマートフォンやノートPCから、社内ネットワーク経由で印刷できるか
- クラウドプリント:外部から印刷指示を出し、出社時に出力する運用
- 印刷の集中管理:誰がどれだけ使っているかの把握
クラウド連携の実装はクラウドプリントの解説記事にまとめています。
会社規模別、機種の目安
スタートアップ・少人数(1〜10名)
月間印刷は100〜500枚程度。A4対応の小型機で十分なケースが大半です。月額0.6〜1.2万円台。
A3が必要になるのは、大きめの設計図や提案書を扱う場合に限られます。実際の必要性を確認してから判断してください。資金調達フェーズごとの考え方はスタートアップの複合機選び|資金調達フェーズ別の最適スペックにまとめています。
中規模(10〜50名)
月間500〜2,000枚。A3対応のカラー普及機。スキャン性能を優先して選ぶと、日常業務の効率が上がります。月額1.2〜1.8万円台。
大規模・複数拠点
部門ごとの用途に応じた配置と、本社一括契約。ログの一元管理を検討する段階になります。複数拠点の契約は複数拠点の複合機管理ガイドを参考にしてください。
コストの見方
IT企業の複合機コストは、月額リース料の比重が大きくなるのが特徴です。
月300枚の会社では、カウンター料金は月1,000円前後にしかなりません。つまり本体の月額がほぼ総額です。ここで過剰スペックの機種を入れていると、使っていない性能に毎月支払い続けることになります。
一方、スキャンにはカウンター料金がかからないのが一般的です。印刷は少なくスキャンが多い運用であれば、スキャン性能の高い機種を選んでもランニングコストは上がりません。この点はIT企業にとって有利な構造です。
料金の内訳は複合機リース料金を構成する5つのコスト項目で整理しています。
よくあるご質問
Q. ほとんど印刷しないのですが、複合機は必要ですか
A. 印刷量だけで判断せず、スキャンの必要性を確認してください。紙で受け取った請求書や契約書を電子化する業務があるなら、両面自動原稿送り装置つきの機種に価値があります。印刷もスキャンもほぼないのであれば、家庭用の複合機やコンビニ印刷で足りる場合もあります。
Q. リース期間の途中でもダウンサイジングできますか
A. 中途解約には違約金が発生するのが一般的です。ただし同一業者内での機種変更であれば、条件を調整できる場合があります。詳しくは複合機リース途中での機種変更をご確認ください。
Q. クラウドストレージに直接スキャンできますか
A. 対応機種であれば可能です。Google Drive、Dropbox、SharePointなど、対応するサービスは機種によって違います。使用中のサービス名を伝えて確認してください。
Q. 複合機のセキュリティで最低限やるべきことは何ですか
A. 管理画面の初期パスワード変更、不要なプロトコルの無効化、ファームウェアの更新。この3点が基本です。加えて、リース返却時のデータ消去を契約時に確認してください。
Q. リモートワーク中心ですが、複合機を置く意味はありますか
A. 出社時にまとめてスキャン・印刷する運用であれば意味があります。ただし出社頻度と実際の使用量を測った上で、機種のクラスを下げる判断はあり得ます。
IT企業の複合機なら「事務機器ねっと」にご相談ください
IT企業の機種選定は、印刷量に対する適正スペックの見極めと、スキャン・セキュリティの要件が中心になります。複数メーカーを横断比較できる販売業者に相談し、実際の使用実態に合った機種を提示してもらうのが実務的です。
複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)は、SHARP・Canon・FUJIFILM・KYOCERA・OKI・EPSON・KONICA MINOLTA・HPの8メーカーを取り扱う独立系マルチベンダー販売店として、スタートアップから複数拠点を持つIT企業まで幅広くご相談をお受けしています。
お取引にあたっての体制
- ISO/IEC 27001(ISMS)情報セキュリティマネジメントシステム認証を取得・維持
- 創業35年・事務機器ねっと運営20年・8メーカー取扱
- 東京都内では区域担当制の自社メンテナンス体制
- 本体リース料金・カウンター料金・保守費を分けた明細でお見積り
社員数・実際の月間印刷枚数・スキャンの用途・必要なセキュリティ要件をお伺いした上で、8メーカーの中から用途に合う複数機種を比較してご提示いたします。ご相談はお問い合わせフォームよりご連絡ください。
まとめ
IT企業の複合機選びは、①実測した印刷枚数に合わせたダウンサイジング、②印刷よりスキャン性能を優先した機能選定(DADF・OCR・クラウド連携)、③開発情報と個人情報を守るアクセス管理とネットワークセキュリティ、の3点が基本要件になります。
この業種で最も多い無駄は、使っていない性能に毎月払い続けていることです。まず操作パネルで月間の印刷枚数を確認してください。社員30名で月500枚なら、A3中位機は過剰です。
スキャンにはカウンター料金がかからないため、印刷は小型機、スキャンは高性能という組み合わせが、この業種では合理的な選択になります。
事務機器ねっとからのお願い
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この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。











事務機器ねっとは「コピー機・プリンターリース価格満足度 第1位」と「コピー機・プリンター販売サイト導入後のサポート満足度 第1位」の二冠を獲得しました。
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(適用範囲:HCグループ)
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