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広告代理店・デザイン事務所の複合機選び【色校正・提案書・厚紙出力】

「クライアントに見せる提案書の色が、モニターで見た色と違って出る」
「簡易的な色校正を社内でやりたいが、今の機械では判断に使えない」
「厚紙で作った提案書の表紙が、給紙で詰まってしまう」

こうした声を、広告代理店・デザイン事務所・制作会社の方から伺うことがあります。制作会社の印刷業務は、出力物そのものが提案の品質として評価されるという、他業種にない性質を持っています。

結論から言うと、広告代理店・デザイン事務所の複合機選びは、①モニターとの色の再現性、②提案書に使う厚紙と用紙対応の幅、③大量出力ではなく品質を優先した機種選定、の3点を軸に整理するのが実務的です。この3軸を押さえておけば、少人数の制作事務所から総合代理店まで、体制に合わせて機種を絞り込めます。

本記事では、複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに、制作会社ならではの出力要件・色管理の考え方・簡易校正の限界・印刷会社との使い分けまでを整理します。

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制作会社の出力業務が持つ3つの特徴

出力物の品質が仕事の評価に直結する

提案書、コンペ資料、プレゼンボード。これらはクライアントが手に取り、その場で判断材料にするものです。

色がくすむ、紙が薄い、文字がにじむ。制作物の中身以前に、出力の質で印象が決まってしまいます。この点で、社内資料を刷るだけの一般オフィスとは要求水準が違います。

色の一致が常に問題になる

デザイナーがモニターで確認した色と、出力した色。この差が制作現場では常に議論になります。

複合機はRGB(モニター)とCMYK(印刷)の変換を内部で行うため、設定によって出方が変わります。ここを理解しておかないと「機械が悪い」で終わってしまいます。

枚数は多くないが、種類が多い

提案書10部、コンペ資料5部、色見本1枚。1回あたりの部数は少なく、種類が多いのが制作会社の特徴です。

大量印刷の速度より、少部数を高品質に、多様な用紙で出せることが優先されます。

制作会社の複合機で押さえる5つの要件

1. カラー再現性とカラープロファイル対応

最重要の要件です。

確認すべき点
- カラープロファイル(ICCプロファイル)に対応しているか
- キャリブレーション(色調整)機能があるか
- グレーバランスの調整ができるか

上位機種では、専用のコントローラーを搭載し、印刷会社に近い色管理ができるものがあります。デザイン用途を重視するなら、この構成が選択肢に入ります。

判断方法
自社で実際に扱っている制作データ(写真、ベタ塗り、グラデーション、細い罫線を含むもの)でデモプリントを取ってください。カタログの数値では判断できません。

2. 用紙対応の幅

制作会社では、コート紙、マット紙、上質紙、厚紙、色紙と、多様な用紙を扱います。

確認すべき点
- 対応坪量の上限(300g/㎡以上あると提案書の表紙まで対応できます)
- コート紙・光沢紙への対応可否
- 不定形サイズの対応範囲
- 長尺印刷(バナー・帯状のもの)の可否

手差しトレイの対応坪量が本体トレイと違うため、仕様書で両方を確認してください。

3. 解像度と細部の再現

細い罫線、小さな文字、グラデーションの階調。1200dpi対応の機種であれば、これらが潰れずに出力できます。

特にグラデーションのバンディング(縞模様が出る現象)は、機種による差が大きい部分です。実データで確認してください。

4. 両面精度

見開きで見せる提案書では、表と裏の位置がずれると仕上がりが崩れます。両面印刷精度が±0.5mm以内といった記載があるかを確認してください。

5. 後処理(フィニッシャー)

提案書を部数分作る場面では、後処理機能が効いてきます。

  • ソート:部数ごとに仕分け
  • ステープル:ホチキス留め
  • 中綴じ:冊子状に仕上げる
  • パンチ:ファイル用の穴あけ

中綴じに対応した機種であれば、小冊子形式の提案書を社内で完結できます。

社内出力の限界を理解しておく

複合機は便利ですが、印刷会社の代わりにはなりません。線引きを理解しておくと、判断が早くなります。

複合機でできること

  • 提案書、コンペ資料、社内共有用の出力
  • 簡易的な色確認(大まかな色味を見る)
  • 少部数(〜数十部)の制作物
  • レイアウトと文字量のチェック

印刷会社に出すべきこと

  • 本番の色校正(本紙・本機校正)
  • 特色(DIC・PANTONE等)を使う制作物
  • 大部数(数百部以上)
  • 特殊加工(箔押し、型抜き、PP貼り、エンボス)
  • 大判ポスター(A2以上)

複合機の出力を「本番の色」として扱わないことが重要です。トナーとインキでは発色の仕組みが違うため、原理的に一致しません。あくまで方向性の確認に使ってください。

事務所規模別、機種の目安

少人数の制作事務所(1〜5名)

月間印刷は500〜2,000枚程度。枚数は少ないが品質要求は高いという構成です。

A3対応のカラー中位機以上を選び、用紙対応と色再現を優先してください。速度は二の次で構いません。月額1.5〜2.5万円台が目安です。

中規模の制作会社・代理店(5〜30名)

月間3,000〜8,000枚。提案書の部数が増えるため、フィニッシャー(ソート・ステープル)があると作業効率が変わります。

色管理を重視するなら、専用コントローラー搭載機を検討する段階です。

総合代理店・複数拠点

部門ごとに用途が分かれます。制作部門に色管理重視の高位機、営業・管理部門に汎用機という使い分けが現実的です。複数拠点の契約は複数拠点の複合機管理ガイドを参考にしてください。

コストの見方

制作会社の複合機コストは、月額リース料とカウンター料金の合計で見ます。

カラー比率が非常に高いのがこの業種の特徴です。月間の7〜9割がカラーになることも珍しくありません。

月2,000枚(うちカラー1,600枚)で試算すると、モノクロ400枚×1.5円+カラー1,600枚×15円=月24,600円程度がカウンター料金の目安です。カラー単価が月額をほぼ決めます

なお、厚紙やコート紙への印刷が通常のカウンター料金で計算されるかは契約によって異なります。特殊用紙の扱いを見積時に確認してください。料金の内訳は複合機リース料金を構成する5つのコスト項目で整理しています。

よくあるご質問

Q. モニターの色と印刷の色を完全に一致させられますか

A. 原理的に完全な一致はできません。モニターは光(RGB)、印刷はトナー(CMYK)で色を作るため、再現できる色域が違います。カラープロファイルとキャリブレーションで近づけることはできますが、「一致」ではなく「管理」と捉えてください。

Q. 複合機の出力を色校正として使えますか

A. 簡易的な確認には使えますが、本番の色校正としては使えません。印刷会社の本機校正・本紙校正とは発色の仕組みが違います。方向性の確認に留めてください。

Q. 厚紙は何g/㎡まで対応できますか

A. 機種によりますが、上位機であれば手差しトレイで300g/㎡程度まで対応するものがあります。提案書の表紙に使いたい用紙のサンプルで、実際に通してもらってください。

Q. 中綴じの冊子は作れますか

A. 中綴じフィニッシャーを搭載した機種であれば可能です。対応するページ数と用紙サイズに制限があるため、作りたい仕様を伝えて確認してください。

Q. 特色(DIC・PANTONE)は再現できますか

A. 複合機はCMYKのトナーで色を作るため、特色の完全再現はできません。近似色での出力になります。特色が要件にある制作物は印刷会社に出してください。

制作会社の複合機なら「事務機器ねっと」にご相談ください

制作会社の機種選定は、色再現性・用紙対応の幅・後処理という、出力品質に直結する要件が中心になります。複数メーカーを横断比較できる販売業者に相談し、制作内容に合った機種を提示してもらうのが実務的です。

複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)は、SHARP・Canon・FUJIFILM・KYOCERA・OKI・EPSON・KONICA MINOLTA・HPの8メーカーを取り扱う独立系マルチベンダー販売店として、制作会社・デザイン事務所からのご相談を承っています。

制作会社のお取引にあたっての体制

  • ISO/IEC 27001(ISMS)情報セキュリティマネジメントシステム認証を取得・維持
  • 創業35年・事務機器ねっと運営20年・8メーカー取扱
  • 東京都内では区域担当制の自社メンテナンス体制
  • 本体リース料金・カウンター料金・保守費を分けた明細でお見積り

制作内容・使用したい用紙の種類と厚み・月間のカラー印刷量・必要な後処理をお伺いした上で、8メーカーの中から用途に合う複数機種を比較してご提示いたします。実際の制作データと用紙でのデモプリントも承ります。ご相談はお問い合わせフォームよりご連絡ください。

まとめ

広告代理店・デザイン事務所の複合機選びは、①カラープロファイルとキャリブレーションによる色の管理、②300g/㎡以上の厚紙とコート紙への対応、③少部数を高品質に出せる機種選定(速度より品質)、の3点が基本要件になります。

同時に、複合機は印刷会社の代わりにはならないという線引きを持っておくことが重要です。本番の色校正、特色、大部数、特殊加工は印刷会社の領域です。複合機は「提案の場に出せる品質を、社内で素早く作る」ための道具として設計してください。

判断は必ず自社の実データと実際に使う用紙で行ってください。この業種では、カタログスペックが役に立たない場面が最も多くなります。

事務機器ねっとからのお願い

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事務機器ねっとの記事をGoogleで見つけやすく

この記事の監修者

株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー

大塚 義美

複合機メンテナンス許可認定

FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON

経歴

複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。

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