飲食店の複合機選び【メニュー印刷・シフト表・HACCP記録】

「メニューを自店で刷りたいが、料理写真の色がくすんで美味しそうに見えない」
「厚紙のメニューやPOPを印刷したいが、今の機械では紙詰まりが起きる」
「多店舗展開していて、店舗ごとに印刷環境がバラバラになっている」
こうした声を、個人経営の飲食店オーナー様や、複数店舗を展開する飲食企業の本部ご担当者様から伺うことがあります。飲食店の印刷業務は、お客様が直接目にするメニュー・POPと、店舗運営を回すシフト表・発注書・衛生管理記録が同居する点に特徴があります。
結論から言うと、飲食店の複合機選びは、①料理写真がきれいに出るカラー再現性、②メニューやPOPに使う厚紙への対応、③衛生管理記録と発注業務を回す日常印刷の安定性、の3点を軸に整理するのが実務的です。この3軸を押さえておけば、個人店から多店舗展開の企業まで、体制に合わせて機種を絞り込めます。
本記事では、複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)のノウハウをもとに、飲食店ならではの印刷業務・メニュー印刷で押さえる仕様・厚紙対応の実務・HACCP記録の運用・多店舗展開時の設計方針までを整理します。
事務機器ねっとからのお願い
飲食店の印刷は「見せる紙」と「回す紙」に分かれる
飲食店の複合機選びを難しくしているのは、性格の異なる2種類の印刷が同じ機械に求められる点です。
見せる紙:お客様が手に取る
グランドメニュー、季節メニュー、卓上POP、テイクアウトのチラシ、店頭の告知。これらはお客様が実際に手に取り、目にする紙です。
料理写真の色がくすむ、文字がにじむ、紙が薄くてすぐよれる。こうした品質はそのまま店の印象になります。外注すれば品質は保てますが、メニュー変更のたびに数日から1週間かかり、費用も発生します。
回す紙:店舗運営のための書類
シフト表、発注書、納品書の控え、売上日報、衛生管理記録、レシピ表、アルバイトへの連絡事項。これらはモノクロA4が中心で、量が安定して発生します。
この2つを1台でまかなうには、カラー品質と日常のランニングコストの両立が必要になります。
印刷のタイミングが読みにくい
飲食店特有の事情として、メニュー変更が突発的に発生します。仕入れの都合で明日の提供内容が変わる、季節限定の商品を急遽出す、値上げに対応する。こうした場面で、その日のうちにメニューを刷り直せるかどうかは、店舗運営の柔軟性に直結します。
飲食店の複合機で押さえる5つの要件
1. カラー再現性
料理写真は、色の再現が難しい被写体です。赤身の肉、緑の野菜、揚げ物の焼き色。これらが実物と離れた色で出ると、メニューとしての説得力が落ちます。
A3対応のカラー中位機以上を基準にすると、写真の再現性が安定します。判断に迷う場合は、自店の料理写真でデモプリントを出してもらってください。カタログの数値ではなく、実際に使う写真で確認するのが最も確実です。
2. 厚紙対応
メニューやPOPは、コピー用紙では薄すぎます。坪量(1平方メートルあたりのグラム数)で200g/㎡以上に対応しているかを確認してください。
一般的なコピー用紙が64〜70g/㎡、上質紙が90g/㎡前後、メニューに使う厚紙が200〜300g/㎡です。対応外の厚紙を無理に通すと、紙詰まりや定着不良の原因になります。
厚紙は手差しトレイからの給紙になる機種が多いため、手差しトレイの対応坪量を仕様書で確認してください。
3. 用紙サイズの自由度
メニューはA4やA3だけでなく、細長い卓上POP、正方形のカードなど、変則的なサイズを使う場面があります。不定形サイズへの対応可否と、その最小・最大サイズを確認しておくと運用の幅が広がります。
ラミネート加工を前提にする場合は、加工後の反りを考えて用紙の厚みを選んでください。
4. 日常印刷のランニングコスト
シフト表、発注書、日報。これらは毎日発生するモノクロ印刷です。枚数としてはメニューより圧倒的に多くなります。
モノクロのカウンター単価が月額コストに直結します。 月2,000枚のモノクロ印刷がある店舗で、単価1円台と2円台では月2,000円、年間2.4万円の差になります。
カラー印刷はメニュー変更時に集中するため、月間のカラー枚数はそれほど多くならないケースが一般的です。見積もりを比較する際は、モノクロとカラーの単価を分けて確認してください。料金の内訳は複合機リース料金を構成する5つのコスト項目で整理しています。
5. 設置環境(厨房の近くに置く場合)
飲食店では、事務スペースが厨房の近くにあることが少なくありません。ここで注意が必要です。
- 湿度と油分:厨房に近い環境は湿気と油分が多く、精密機器には負担になります。可能な限り厨房から離した場所に設置してください
- 設置スペース:バックヤードは狭いことが多く、設置面積と扉の開閉スペースを事前に確認する必要があります
- 電源:厨房機器と同じ系統から取ると、容量が問題になる場合があります
設置寸法の考え方は複合機のおすすめサイズと選定ポイントも参考になります。
メニュー印刷を自店で回すという判断
外注とインハウス(自店で印刷)には、それぞれ向き不向きがあります。
自店で刷るのが向いているケース
- 季節メニューや日替わりの変更が多い
- 少部数(10〜50部程度)を頻繁に刷る
- 価格改定や品切れ対応で、その日のうちに刷り直したい
- 手書きPOPと印刷物を組み合わせて使っている
外注が向いているケース
- グランドメニューを大部数(数百部)作る
- 特殊な加工(箔押し、型抜き、特殊紙)が必要
- デザインから一括で任せたい
多くの飲食店では、グランドメニューは外注、季節メニュー・POP・日替わりは自店という使い分けが現実的です。この場合、複合機に求められるのは「少部数を素早く、そこそこの品質で」という水準になります。
HACCP記録と発注業務
2021年6月から、原則すべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務化されました。日々の記録を紙で残している店舗では、これも印刷業務のひとつになります。
衛生管理記録
冷蔵庫の温度チェック、清掃記録、従業員の健康チェック。定型フォーマットを月単位でまとめて印刷する運用が一般的です。モノクロA4で足ります。
発注書・納品書の控え
取引先ごとにフォーマットが異なることがあります。FAXでの発注が残っている業界でもあるため、FAX機能の有無も検討要素です。
スキャンと保存
納品書、請求書、契約書の電子保存を進める店舗が増えています。両面自動原稿送り装置(DADF)があると、月末の書類整理が楽になります。電子帳簿保存法の対応が絡む場合は複合機の電子帳簿保存法対応もあわせてご確認ください。
多店舗展開する場合の設計
店舗数が増えると、印刷環境の設計方針が変わります。
本部に高機能機、店舗に小型機
メニューやPOPなどカラー品質が求められる印刷は本部で一括制作し、各店舗に配送する方式です。店舗側にはシフト表や日報を刷る小型機を置きます。
品質が統一され、店舗ごとの用紙在庫も減らせます。一方、急なメニュー変更への対応が遅くなる点はトレードオフです。
各店舗にカラー機
店舗ごとの裁量でメニューやPOPを作れる方式です。地域性に合わせた販促がしやすくなります。機器コストは増えますが、本部一括契約で単価を抑えられます。
契約は本部一括が有利
いずれの方式でも、契約は本部で一括するほうが単価交渉がしやすくなります。店舗ごとにバラバラの業者と契約していると、単価も保守条件も揃わず、管理コストが上がります。
複数拠点の契約の考え方は複数拠点の複合機管理ガイドを参考にしてください。
店舗規模別、機種の目安
個人経営の飲食店(1店舗・席数20〜40)
月間印刷は500〜1,500枚程度。A3対応のカラー普及機で足ります。厚紙対応(200g/㎡以上)を優先して選んでください。月額1.0〜1.5万円台が目安です。
中規模店・小規模チェーン(2〜5店舗)
月間2,000〜5,000枚。本部機能を持つ店舗にA3カラー中位機、他店舗に小型機という構成が現実的です。本部一括契約で単価を抑えてください。
多店舗展開(6店舗以上)
本部に高位機(厚紙対応・大容量給紙)、各店舗に中位機。カラー品質を本部で担保し、店舗は日常印刷に絞る設計が管理しやすくなります。
よくあるご質問
Q. メニューを自店で印刷すると、外注よりコストは下がりますか
A. 部数と頻度によります。少部数を頻繁に刷る場合は自店印刷のほうが安く、かつ早く仕上がります。大部数を年数回作る場合は外注のほうが1枚あたりの単価が下がります。両方を使い分けている店舗が多くあります。
Q. 厚紙は何g/㎡まで対応できますか
A. 機種によって異なりますが、A3カラー中位機以上であれば手差しトレイで200〜300g/㎡程度まで対応する機種が一般的です。使いたい用紙のサンプルを業者に渡し、実際に通してもらって確認するのが確実です。
Q. 厨房の近くに置いても大丈夫ですか
A. 推奨はしません。湿気と油分は精密機器の寿命を縮めます。やむを得ない場合は、換気の確保と定期清掃で影響を抑えてください。設置場所については契約前に業者に相談することをおすすめします。
Q. ラミネート機能はついていますか
A. 複合機にラミネート機能はありません。別途ラミネーターが必要です。ラミネートを前提とする場合は、加工後の反りを考えて用紙の厚みを選んでください。
Q. 店舗ごとに違うメーカーの機械が入っていますが、統一すべきですか
A. 統一のメリットは、操作方法が揃うこと、消耗品の在庫が共通化できること、保守窓口が一本化されることです。リース満了のタイミングが店舗ごとに違う場合は、順次揃えていく形が現実的です。
飲食店の複合機なら「事務機器ねっと」にご相談ください
飲食店の機種選定は、料理写真のカラー再現・厚紙対応・日常のモノクロコストという、性格の違う要件を1台で満たす必要があります。複数メーカーを横断比較できる販売業者に相談し、店舗の運営スタイルに合った機種を提示してもらうのが実務的です。
複合機・コピー機の専門店「事務機器ねっと」(運営:株式会社庚伸)は、SHARP・Canon・FUJIFILM・KYOCERA・OKI・EPSON・KONICA MINOLTA・HPの8メーカーを取り扱う独立系マルチベンダー販売店として、個人経営の飲食店から多店舗展開の企業まで幅広くご相談をお受けしています。
飲食店のお取引にあたっての体制
- ISO/IEC 27001(ISMS)情報セキュリティマネジメントシステム認証を取得・維持
- 創業35年・事務機器ねっと運営20年・8メーカー取扱
- 東京都内では区域担当制の自社メンテナンス体制
- 本体リース料金・カウンター料金・保守費を分けた明細でお見積り
店舗数・席数・メニュー変更の頻度・使用したい用紙の厚み・月間の印刷量をお伺いした上で、8メーカーの中から用途に合う複数機種を比較してご提示いたします。実際の料理写真と用紙でのデモプリントも承ります。ご相談はお問い合わせフォームよりご連絡ください。
まとめ
飲食店の複合機選びは、①料理写真がきれいに出るカラー再現性、②メニュー・POPに使う厚紙への対応(200g/㎡以上)、③シフト表や発注書を毎日回すモノクロのランニングコスト、の3点が基本要件になります。
個人店ではA3対応カラー普及機で月額1.0〜1.5万円台に抑え、多店舗展開では本部に高機能機・各店舗に中位機という構成が現実的です。メニューを自店で刷るかどうかで求められる仕様が変わるため、まず自店の印刷を「見せる紙」と「回す紙」に分けて整理するところから始めると、機種選定の軸が定まります。
事務機器ねっとからのお願い
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この記事の監修者
株式会社庚伸 『事務機器ねっと』 オフィスサポートディビジョン
フィールドエンジニアグループ |
シニアマネージャー
大塚 義美
複合機メンテナンス許可認定
FUJIFILM/Canon/SHARP/EPSON
経歴
複合機のメンテナンスエンジニアとして業界歴26年以上のキャリアから、フィールドエンジニアグループのマネージャーとして事業部を統括。凡そ4万5,000回以上の複合機メンテナンス実績があり、コピー機やプリンターを隅々まで熟知。お客様が抱えられている課題やお悩みに対して真摯に向き合ってサポートすることがモットー。これまでに培った多くの知見と経験を活かした有益な情報を発信いたしますので、少しでもお役立ていただけると幸いです。











事務機器ねっとは「コピー機・プリンターリース価格満足度 第1位」と「コピー機・プリンター販売サイト導入後のサポート満足度 第1位」の二冠を獲得しました。
第37号‐24020002
(適用範囲:HCグループ)
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