10月5日にMicrosoftの次世代OS「Windows11」が発売されました。Windows10が搭載されたPCに対しては無償でアップデートを配信し、Windows11がインストールされたPCも順次発売となります。今回はユーザーインターフェースが大幅に改良され、アイコンやファイルが表示された際の印象が変わりました。また、ユニバーサルプリントという機能も追加されました。Windows11は位置情報が活用されており、ユニバーサルプリントの機能を利用すると使用者に最も近い位置にあるプリンターを見つけ出し、すぐに印刷が可能になります。インターネットに接続されていてAzure AD(※)が認証済みならば、どこからでも印刷できてしまいます。
さらに、印刷サポートアプリケーション(PSA)のサポートにより、プリンタードライバーがクラウド化されたことで、利用者がわざわざ各機種ごとの専用ソフトウエアをインストールして、印刷する度にプリンターへ接続する必要がなくなったのです。
プリンタードライバーのインストールも不要となり手軽に印刷できるようになりましたが、条件が揃わないとドライバーを使用しなければ印刷ができないこともあるので、ドライバーのインストールはしておくべきですね。
今回はそんな最新機能を備えたWindows11を事務機器ねっとのPCにインストールし、プリンタードライバーを設定した様子とあわせて、コピー機メーカー各社のプリンタードライバー対応状況をレポートします。(2021年12月現在)
※API…アプリケーションやソフトウェアの構築や統合に使用されるツール、定義、プロトコルのこと。
<目次>
・Windows11のPC
・各社メーカーのドライバー対応状況
・SHARP
・FUJIFILM
・EPSON
・OKI
・KYOCERA
・Canon
Windows11のPC
Windows11は具体的にどのように変化したのか、実際に事務機器ねっとのWindows11インストールPCで見てみましょう。1番の変化としては顔となるユーザーインターフェイスががらりと変わりました。スタートボタンとアプリケーションのセンター配置が可能になったということです。もちろん、伝統的な位置の左に配置することもできます。また、ファイルやメニューを開くと直角だった枠が角丸になり、柔らかい印象になりました。スマホのようにアイコンを見易くし、すべてのアプリは右上から見ることが可能です。コピーや切り取りなどの文字表記が無くなり、アイコン表記になりました。
今回、試しにシャープの複合機にプリンター設定をしたところ、Windows11にアップデートした際に自動で接続されました。実際手順としてはそこまでWindows10と変化はない様子です。
各社メーカーのドライバー対応状況
SHARP
まずはシャープの複合機のドライバ状況です。シャープのソフトウエアやハードウエアの対応表は2021年12月13日に更新されていました。複合機(コピー機)の対応状況は10月15日に更新されています。全体的にWindows11の最新のソフトウェアが利用可能な複合機はまだないようです。対応が早い製品で、MX-8081やMX-6171シリーズ、MX3661シリーズは2021年12月対応予定です。2022年の2月、3月に対応予定の複合機が多く、対応が遅れている製品で、MX-M503FやMX-B382などの機種は5月対応予定になります。着々と対応を進めているようですが、MX-2301FNやMX-2000F、MX-7001Nなどの旧機種は非対応のようです。
FUJI FILM
富士フイルムにはWindows11の日本版対応状況のページが2021年10月1日に更新されていました。新ブランドのApeosシリーズも含め、ほとんどの機種の対応状況は△の対応予定となっています。しかし、ApeosPort-IVシリーズは対応する予定が無いとのことなので注意が必要です。対応予定時期に関しても掲載はありませんが、各機種に関して対応予定時期を変更したり更新する場合、下記のページで変更後の対応予定時期を確認できます。
Canon
キヤノンの複合機の公式HPでは、2020年の3月や11月で更新が止まっているものもあれば、オフィス向け複合機のように2021年10月20日に更新されたもの、スモールオフィス向け複合機のように2021年12月21日に更新された機種もありました。オフィス向けの複合機に関しては対応が進んでいるという状況が伺えます。Windows11搭載のクライアントPCで、imageRUNNER ADVANCEシリーズアドバンスドボックス(SMB共有)内のファイルを読み込むことができない現象が確認されています。こちらの現象を解消するimageRUNNER ADVANCE用対策ファームウェアは順次リリースを予定している状況とのことです。
EPSON
エプソンは2021年11月30日にWindows11ドライバ対応表を更新していました。プリンタや複合機の中には確認中の表記や非対応の物もありますが、インクジェット複合機は対応しているものが多い状況です。ページプリンタ(レーザー/LED)・複合機(レーザー/LED)のドライバーですが、古い機種のものは対応していない製品も多く、オプションとして対応しているものより、標準搭載している製品の方が多い印象です。Windows11でインストールしたプリンタードライバーをアンインストールし、もう一度インストールする際、プリンターの接続を検知したままの状態でインストールが止まってしまうという現象が起きます。Windows10からWindows11にアップグレードしたPCではこの現象は発生しないそうです。原因はWindows11側の問題とのことで、現在Microsoft社へ確認中です。
OKI
OKIは2021年11月5日にWindows11への対応を更新していました。カラーページプリンターのC332dnwや、C844dnwなどはWeb掲載のWindows11用のドライバが対応しているようですが、ほとんどがWindows10で対応が止まっています。カラー複合機(MFP)の対応状況も数点の製品がWindows11に対応しているという状況です。その他にも対応予定の無いものや検討中の物もあるので、使用しているOKIの複合機を確認してみましょう。対応予定のない機種に関してはWindows標準添付またはWindows Updateで表示されても未サポートとなるようです。
KYOCERA
京セラのドライバ対応状況に関しては、2021年10月13日に情報が更新されていました。Windows10までの情報が掲載されている状況です。ちなみに、Windows10で京セラのホームページに掲載中の最新版ドライバをご使用されている場合は、Windows11へのアップグレード後もそのまま利用が可能のようです。
Windows11のリリース開始直後である今回の調査では、前回の10月の調査とは違い、複合機メーカー各社の対応が進んでいるということが分かりました。こちらのページでご紹介したドライバーダウンロードの手順などを参考に、設定してみると良いかもしれません。また、更新していないメーカーが情報を追加され次第、こちらのレポート記事も定期的に更新いたします。