会議の資料作りやパンフレット作りで、出力した資料にホッチキスを留めたり、三つ折りにしたり。手作業で行うのは、時間もかかって大変です。このような業務は早く終わらせたいという気持ちになりますよね。 コピー機には、フィニッシャーと呼ばれる装置があります。フィニッシャーには、「ステープル(ホッチキス留め)」や「三つ折り」の機能がついています。今回はこのフィニッシャーと呼ばれる装置について、種類、メリット、機能などを徹底解説いたします。
<目次>
・フィニッシャーの種類
・インナーフィニッシャー ・サイドフィニッシャー
・フィニッシャーの機能
・フィニッシャー選びのポイント
フィニッシャーの種類
コピー機・複合機にはさまざまな機能がついています。例えば、プリンター機能やスキャナー機能、ファックス機能、現在ではOCR機能もついていますよね。その機能に加えて、新たな機能を実現することができるものが、フィニッシャーになります。フィニッシャーは、コピー機での印刷の最後にホッチキスで留めてくれる機能、つまりステープル機能が主になります。フィニッシャーは2種類あり、インナーフィニッシャーとサドルフィニッシャーがあります。
インナーフィニッシャー
インナーフィニッシャーとは、コピー機の本体内部の排紙口に取り付けられるフィニッシャーです。数枚の印刷した資料をホッチキスでまとめる機能で、オプションになります。インナーフィニッシャーは印刷する量が少ない企業向けです。そして、設置できるコピー機・複合機は、印刷速度が1分あたり20枚程度の「低速・中速機」が適しています。高速機にも取り付けることはできますが、印刷スピードの速い高速機と、インナーフィニッシャーの少ないトレイ容量が合っていないため、インナーフィニッシャーを設置するのであれば「低速・中速機」をオススメします。
インナーフィニッシャーはサドルフィニッシャーよりも小さく、コンパクトで導入金額も安く抑えられるというメリットがあります。また、紙の排出口に取り付けるタイプなので、コピー機本来のスペースを超えることはありません。そのため、無理にスペースを取ることなく、省スペースでコピー機を置くことが可能です。
サドルフィニッシャー
サドルフィニッシャーは外付けの大型フィニッシャーで、インナーフィニッシャーとは違い排出口に設置しません。インナーフィニッシャーはホッチキスのみの機能でしたが、こちらは「中綴じ」や「Z折り」などの製本機能が搭載されており、プレゼン用の提案資料や簡易的なパンフレットなどを即座に印刷して、小冊子やパンフレット型に製本加工することができます。インナーフィニッシャーとは異なり、50枚や100枚もの用紙を綴じることも可能です。
サドルフィニッシャーに適しているコピー機・複合機は、「中速機・高速機」で、印刷速度が1分で20枚以上の機種になります。低速機でも設置は可能ですが、サドルフィニッシャーを使用する企業は大体が大量に印刷をします。そのため、低速機を使用するとスピードも落ち、時間もかかるため「中速機・高速機」をオススメしています。機能が充実しているので導入価格はインナーフィニッシャーと比較するとやや高額です。また、外付けのフィニッシャーのため、コピー機・複合機が通常時よりも大きくなり、スペースの確保が必要になります。
フィニッシャーの機能
フィニッシャーの機能は主にホッチキス留め(ステープル機能)です。しかしサドルフィニッシャーにはさまざまな機能があります。
ステープル(針あり・針なし)
フィニッシャーの基本的な機能であるホッチキス留め(ステープル)です。針を1本使用し1箇所を綴じられるものと、2本使用して2箇所留めることができるフィニッシャーがあります。通常は金属針でステープルする機能です。
しかし、フィニッシャーの種類にもよりますが、針なしのステープル機能もあります。用紙に圧力をかけ、針がなくても紙を綴じることが可能です。針なしステープルは資料同士を重ねてもかさばらないため扱いやすく、いちいちホッチキスの針をとってシュレッダーにかける必要がないので、作業効率が上がります。また針を使用しないため、環境にやさしく使用を続けることができます。しかし、針ありステープルほど紙をまとめて綴じることができません。針ありステープルは50〜100枚、針なしステープルは5枚程度の枚数の対応が可能です。
中綴じ
中綴じ機能とは、2つ折りにした紙が重なったものを開き、中心の折り線に沿ってステープルで綴じる機能です。ステープル可能な用紙枚数は16枚程度ですが、2つ折りの両面印刷をすれば64ページの冊子が作成可能な機種もあります。小冊子にしたいけど、真ん中にホッチキスを留めるのは難しいから諦めていたという方のニーズに応えてくれます。マニュアルや資料、説明書などの小冊子が社内で作成できてしまう大変便利な機能です。
Z折り・C折り
用紙を3分割してZ型に折ったものがZ折り、用紙を3分割して両端部分を内側に折ったものがC折りです。印刷した用紙をC折りにするとそのまま封筒に入れることが可能です。大量に印刷するダイレクトメールや請求書などを毎月発送する企業にとって、本来は従業員様が行っていた作業をコピー機が行うので業務効率が上がります。Z折り・C折り以外にも、2つ折り、外3つ折り、4つ折りなどさまざまな種類の折り方も可能です。
パンチ
印刷した資料などにパンチ穴を開ける機能です。ファイリングするための機能のため、2つ穴が基本的ですが、3つや4つの穴にも対応している機種もあります。別名として、「パンチャー」や 「パンチユニット」とも呼ばれています。資料を保管しておくためファイリングする際には、印刷した素材にそのまま穴を開けてくれるので、とても便利な機能です。
インサーター
インサーターとは、中綴じされた冊子に印刷しておいた表紙を付ける機能です。インサーターを使用することで、冊子を作成してから手作業で表紙付けをしていた手間を省くことが可能です。カールした用紙は必ずカールを直してからご使用ください。破れた用紙やパンチ済みの紙、ラベル用紙などの使用は避けましょう。
フィニッシャー選びのポイント
フィニッシャーの導入をお考えの方は、フィニッシャー選びに注意が必要です。
使用中のコピー機に
フィニッシャーをつける。
使用中のコピー機にフィニッシャーを導入する場合は、現在使用しているコピー機のフィニッシャー対応状況を確認しましょう。コピー機の機種によっては、インナーフィニッシャーもサドルフィニッシャーも取り付けることができない機種があります。
新品のコピー機に
フィニッシャーをつける。
フィニッシャーのような大きなオプションは、コピー機の新規導入時に一緒に購入することをオススメします。フィニッシャーを導入する前提でコピー機を選ぶ際は、ショールームへ見学に行くと分かりやすく、アテンダントスタッフの方がフィニッシャーの機能を詳しく教えてくださいます。ショールームではプロ目線でのフィニッシャーの選定が可能ですし、導入前にフィニッシャーが稼働しているところを見ることができるので、導入後の使用感もイメージしやすくなります。
印刷枚数と
必要な機能を確認する。
現在社内で使用している複合機の使用枚数が月間3,000枚より少ない場合は、インナーフィニッシャーの導入をオススメします。月間8,000枚以上の枚数を使用する企業は、サドルフィニッシャーをオススメします。使用枚数によって、使用頻度も変わってきますし、サドルフィニッシャーの機能は使用頻度の高い大規模事業者向けです。導入コストが高くなりますが、印刷枚数に応じて使用する機能も変わるので、勤務先に適したフィニッシャーを導入しましょう。
フィニッシャーの解説はいかがでしたでしょうか? 基本的に普通にコピー機を購入してもフィニッシャーはついてきません。オフィスでフィニッシャーを使用する際はオプションとして追加する必要があります。
フィニッシャーは大量配布する資料や会議の資料を作成する機会が多い企業には非常に便利です。また、富士フイルムやキヤノンなどのプロダクションプリンターには、もっと多くの機能が備わっているフィニッシャーがあります。専門的になればなるほど、製本や裁断などの複雑な仕上げ加工も、複合機のみでできる表現の幅が広がります。
フィニッシャーの導入を考えているけど、どんな機能があるのか、現在使用している機種に合うフィニッシャーがあるのかなど疑問が出てくるでしょう。そのような時は事務機器ねっとが導入時のお悩みや製品選びをサポートいたします。
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