SHARP MX-2640FN
現代美術家の柳瀬安里様。
アーティストとしてさまざまな表現で作品を制作されています。
今回はトナー転写をしてドイツザールラント州のザールブリュッケン城前にある石畳を再現するということで、企画展まで残り1ヶ月というかなりお急ぎの状況でご依頼をいただきました。
途中ハプニングもありかなりドタバタだったということで、その辺りも詳しくお話を伺ってきました。
柳瀬 安里 プロフィール
1993年 埼玉県生まれ
2016年 京都造形芸術大学 美術工芸学科 現代美術・写真コース 卒業
展覧会歴
■個展
2018年
「ALLNIGHT HAPS 2017後期 接触の運用」 HAPS(京都)
2017年
「光のない。」 KUNST ARZT(京都)
■グループ展
2020年
「ニューミューテーション#3 菊池和晃・黒川岳・柳瀬安里」京都芸術センター(京都)
「Gallery selection: Photographs 」ギャラリー小柳(東京)
2019年
「Gallery selection: Video works」ギャラリー小柳(東京)
「現在地:未来の地図を描くために[1]」金沢21世紀美術館(石川)
「Oh!マツリ☆ゴト 昭和・平成のヒーロー&ピーポー」兵庫県立美術館(兵庫)
2015年
「PARK展」 KYOTO ART HODTEL kumagusuku(京都)(菊池のえる・松本杏菜・柳瀬安里、3人での出品)
『そこに、何が映っていても目に見えない』
作品『そこに、なにが映っていても目に見えない』は、ドイツ連邦共和国の都市、ザールラント州の州都ザールブリュッケンにある、ザールブリュッケン城前の“目に見えない警告の碑の広場”と呼ばれ、“2,146個の石-人種差別主義に対する警告の碑”と名付けられた石畳の上を、2020年3月に自らの歩幅で測りながら歩き撮影してきたもので、それを布に転写し再現しています。どう頑張っても1日1m程度しか進まないという、かなりの気力と体力を必要とするにもかかわらず、写真や映像ではなく敢えて転写し再現することにした理由を、柳瀬様はこう答えてくださいました。
企画展まで残り1ヶ月!布はまだまだ白い。
4月にドイツから帰国し、まず膨大なデータを作成するのに1ヶ月がかかり、それを印刷して布に転写していく作業を残り1ヶ月でしなければならないというかなりのタイトスケジュールの中、はじめはコンビニに出力しに行っていたそうです。
しかしデータが重く、30枚程度を印刷するのに2時間近くかかり途方に暮れ、近くにあるご友人の事務所にもプリンターを借りに行こうかと考えていたという柳瀬様。
そんな時に複合機のレンタルが出来ると知り、すぐ各所に問合せをしたのが5月の終わり頃、弊社を含め4~5社から連絡が返ってきたそうです。決め手はやはりスピードですかと伺ったところ、「もちろんその部分もありますが、御社の佐々木さんだけが、最初から使用する用途や印刷するデータの重さまで詳しく聞いてくださったことと、とても親切に、一生懸命対応してくださっていることが電話口から伝わってきたので、佐々木さんにお願いしたいなと思いました。」とお答えをいただきました。そして佐々木は急いで手配をしますが…。
複合機返却の危機!?まさかの色味が違う。
作品を制作するにあたり、コンビニ各社のマルチコピー機で印刷をして試し、色味の確認をしていた柳瀬様。その結果、今回の作品にはローソンに設置されているメーカーが一番良いと結論が出ます。そのご希望を伺いメーカーにも確認し、これなら大丈夫だろうと佐々木が手配したのはシャープのMX-3650FNでした。
これでなんとか展覧会に間に合いそうだと思ったのも束の間、いざデータを印刷し転写をしたところ、思った通りの色にならないことが判明。なんてことだと佐々木に連絡をとり、SHARPはSHARPでも、『自宅付近にあるローソンに設置してあるSHARP』と同じ仕上がりにしたいのだということを再度説明します。同じメーカーのシャープであっても、機種ごとにトナーの成分は違ってきますので、印刷の仕上がりが違います。佐々木はすぐにそのローソンに設置されている機種、MX-3610DSと同じ型番のトナーを使うMX-2640FNを再度手配し入れ替えを行いました。
残りの253歩は現在制作中。
現在京都芸術センターで開催されている企画展、「ニューミューテーション#3 菊池和晃・黒川岳・柳瀬安里」に展示されている作品、『そこに、なにが映っていても目に見えない』は、アーティスト・ステートメントにも書かれていたように、329歩のうち76歩目までの約20mとなっています。「無事に間に合って良かったです。ハプニングもありましたが、佐々木さんの迅速なご対応に本当に感謝しております。」と始終笑顔で取材に応じてくれた柳瀬様。残りの253歩分は制作中で、取材時もご実家のお寺の本堂を作業場にしている現在進行形な光景を見せてくださいました。全て転写し終えて、全長約88mにしたものも展示したいとのこと。実物を拝見できる機会を待ちたいと思います。
「ニューミューテーション#3 菊池和晃・黒川岳・柳瀬安里」
場所:京都芸術センター(京都)
開催期間:2020年7月12日~ 8月30日
URL:https://www.kac.or.jp/events/28802/
個人のお客様からのご依頼はレアなケースではありますが、弊社佐々木から「本当にお困りのご様子だったので、なんとかして差し上げたかった。」という言葉通り、弊社の企業理念のひとつ「相手の立場に立った思いやりの心」に則った行動を心がけた結果、ハプニングはありましたが無事企画展に間に合い、ご満足に繋げることが出来たのだと感じております。
全てのご要望にお応えすることは難しいかもしれませんが、これからも出来る限り迅速・丁寧に詳しくご希望を伺い、お客様満足度の高いパフォーマンスを発揮し続けていける様努めてまいります。
制作でお忙しい中、取材に応じていただきありがとうございました!